ガラス張りで景色のみ楽しむ、センスの良さにグッと来ます。
エントランスで入場手続きをして、通されたのはこの白い道。
豊島美術館は島の自然ごと、美術館なのです。
この景色も展示の一つ、と思える美しさ。
こんな森の中の白い小径を通って・・・
たくさんの人がいるはずなのに、驚きの静けさ。
見えてきた。豊島美術館には、この「母型(ぼけい)」一つだけ。
でも、これだけで十分。
母型だけを、時間の許す限り堪能したい。
靴を脱いで中に入ると・・・
撮影禁止のため、これは絵はがきの写真(撮影:森川昇氏)
広さはこの2倍以上。
巨大な白い空間の中に、ぽっかりと空いた二つの巨大な穴。
一つからは森が、もう一つはこうして空が見えます。
森の穴からは絶え間なく小鳥や虫の声が入ってきて、
広大な空間に響き渡ります。
風が空間を通り過ぎ、ひんやりとした白い石が冷たく心地よい。
白い床の上には、あちらこちらから水がわき出ていて・・・
たまって、つながって、大きな水たまりになり、どこかへ流れていく。
床の小さな穴に吸い込まれ、細く美しい音となって聞こえる。
シーーンとした中で、水の行方を目で追っていると・・・
脳みそが空っぽに、心もふんわり浮かんだような不思議な感覚に。
母型のなかには大勢の人たちが居るのに、本当に静か。
家族が一緒であることすら忘れて、自分しか居ないような感覚・・・。
だんだん眠くなって・・・・。
大の字で寝転び、熟睡している人も大勢いました。
もちろん私たちも、本気でお昼寝。
側では1歳にならない赤ちゃんも気持ちよさそうにネンネ
何時間くらい居たんだろう・・・?1時間以上は居たけど
ずーーっとあのまま、時が過ぎて空が変わり、森の音が変わるのを
感じていたかったなぁ・・・。
次回は丸一日居よう、と固く決心する。
開放感と言うより、少し心細い感じ。
また母の中に帰りたくなる、そんな感じ。
それで、すぐ隣にあるカフェ&ショップへ。
真っ白いドームの中はクーラーが効いていて涼しい!
自然の風と石の冷たさで得た母型の涼しさとはやっぱり違うなぁ。
ここでハガキや写真集を購入しました。
カーペットのエリアだから、思い思いのスタイルで休めます。
お昼ご飯がまだだったので、唯一のランチメニュー・オリーブごはんをオーダー。
島の名産、オリーブを炊き込んだご飯なんだけど、とーーっても美味。
オリーブだけでこの深い味になるのかな。
野菜のマリネがベストマッチ
島の名産・レモンを使ったレモンロールケーキ。
これまた手作りなんだろうなぁ、すごく美味しかったよー
スムージーなどのドリンクはメニュー豊富でした。
ことりっぷで写真を見てから、絶対行きたいと思っていた場所。
でも正直、写真ほどの感激はないだろうと思っていました。
ところが、写真なんかでは100の内5くらいしか表せない・・・
五感を刺激する素晴らしい空間でした。
ナッツと話したのは、母型の中にいると自分は人ではなく
細胞、分子、みたいなものに思えたってこと。
ヨガの瞑想と似てるかもしれないけど、無になるって感じかなぁ・・。
ああ、また行きたい。
必ず、また行こう。