2月から
2月から、また少しずつ、物語を綴ってみようかな、と思ってます。
今までのように、怒涛の毎日更新は、ムリですが、気が向いた時々に、亀さん更新でやっていこうかな、と。
今、書きたいのは、これが、珪くんではないんです。
私の好みで、いやに珪くんをヘタレにしてしまったんですが、反対に、姫条とか、天童くん、カッコよく描いちゃいましたよねえ?
今書きたいのは、天童くんです。
失恋して、なお爽やかな彼を綴ってみたいな・・・と。
またもや妄想満載で、とんでもない天童くんになるやもしれませんが、よろしければ、お付き合いくださいませ。
あと・・・・珪くん、書けるかなあ・・・・・・?
私、ラブシーン、とっても苦手なんですよね。
私に、果たしてラブラブ状態の2人が、書けるんだろうか?
終わりました
最終回です。
半年、書き綴ってきたこの物語も、ようやく大団円を迎えることが出来ました。
読んでくださった方が、どれくらいいらっしゃったのかわかりませんが、読んでくださった皆様へ、心より感謝の気持ちを捧げます。
madhatさん、いつも励ましと感想、ありがとう。
あなたのおかげで、書き続けられたようなもんです。(笑)
yueさん、ありがとう。あなたのCANDYが有ったから、この物語は生まれました。
今は、燃え尽き状態ですが、まだまだ書きたかったこと、残ってるような気がします。
もし・・・・もう少し、珪くんとまりもちゃんの物語が読みたいと、そんな方がいらしたら、一言、「読んでたよ」でかまいませんからコメントいただけたら、もう少し書いてみようかな・・・なんて思ったりしてます。
まだまだ、私の珪くんに対する『愛』は・・・・尽きてないのです。
No.100-K
大学には、合格した。
まりもも、俺も。
指輪も、納得のいくものに仕上がった。
卒業式、俺は、まりもの耳元に光るピアスを見つけた。
俺の贈った、ピアス。
まりもと眼が合う。
2人、笑みを交わした。
ポケットに入れた指輪を、握りしめる。
まりもはきっと・・・あの教会で俺を待っていてくれると、その時確信した。
退屈な式の間も、俺は珍しく起きていた。
今日で、高校生じゃなくなるんだ・・・
「諸君は、たとえ卒業しようとも、私の生徒だ。何か私で役に立てることがあれば、いつでも君たちのやって来るのを待っている。」
氷室の最後のそんな挨拶に、何人かの女子生徒が泣き出した。
思えば、決して悪い教師じゃ、なかったな。
俺は・・・あまり いい生徒ではなかったが。
姫条が、抱きついてくる。
男に抱きつかれるのは・・・あまり良い気分じゃないが、こいつは・・・いいやつだったと、思う。
「葉月ちゃん、元気でな。また、会おうなぁ・・・」
「ああ・・・今まで・・・サンキュ。」
「へええ・・・初めてやなあ、そんなフレンドリーな葉月ちゃん。」
そうか?そんなことも・・・ないだろ?
まりもが、そうっと教室を出て行くのが、眼に入る。
俺も・・・行かなくては。グランドに出たとたん、
「葉月先輩~!!」
大倉が、走りよってくる。
俺、ギョッとなった。
大倉が手に持ってるのって・・・鋏?
「お前・・・何、持ってんだ?鋏?」
「ボタン、下さいね!第2ボタンって、言いたいとこだけど、とにかく、ぜ~んぶ!毟り取ったりしたら、生地が傷むから、鋏、持ってきたんですよ。気配りサンでしょ?私って。」
ボタンって・・・鋏って・・・
俺、べつになんの承諾もしてない。
それなのに、大倉は、パチンパチンと、ボタンの糸を切って、ボタンを取ってしまった。
「ありがとうございました!あ、先輩、卒業おめでとうございま~す。」
「俺・・・ボタン取っていいって、言ってない。」
「もう、取っちゃったんだから、そんな往生際の悪いこと、言いっこナシですよ。」
「お前・・・なあ・・・」
大倉は、俺が今まで見たなかで、1番といっていいくらい、真面目な顔になった。
「これでも、先輩を好きにならずにいるのに、ものすっごく苦労したんですからね!ボタンくらい貰っても、バチ当たりませんから・・・」
「大倉・・・お前?・・・」
大倉は、すぐにいつもの顔に戻った。
ニヤニヤしながら、言う。
「このボタン、すっごい値打ちもんですから・・・プレミアつくかもね!」
本気か冗談か・・・こいつのこと、俺、全然わからない。
「葉月先輩・・・ありがとうございました。」
そう言って、深々と一礼すると、大倉は来たとき同様に、走り去った。
もう・・・会うこともないだろう大倉に、小声で言った。
「俺も・・・サンキュ。」
あの3つのボタン・・・どうなるのか・・・大倉のみぞ知る、だな。
ポケットの指輪、もう1度確かめて、俺は教会へと続く道を歩き出す。
その道で、俺は天童と会った。
ひどい顔、してる。
ケンカの跡だろうな。
まりもに・・・会ったのか?
足を止めた俺に、天童は近づいてきたかと思う間もなく、右パンチを繰り出してきた。
さすが、ケンカ巧者・・・間一髪のところで、パンチは寸止めで止まる。
「葉月、なんで避けない?」
なぜだったんだろう。
俺にもわからないから、黙っていた。
「ちぇっ・・・・ムカツクやつだぜ。」
言葉のわりに、天童は爽やかな笑いを見せてる。
「まりもと・・・ケンカはしない約束してっからな・・・おまえ、命拾いしたと思え。」
「俺、負けない。勝てないかもしれないけど・・・負けはしない。」
天童は、声をたてて笑った。
「ますます、ムカツク。・・・ああ、おまえは、負けないだろうよ。・・・じゃあ、な。」
天童の、後姿を・・・なんとなく見送った。
まりもと、どんなことが有ったのか、どんな話をしたのか・・・気にならないことは、ない。
けれど、それは今、些細なことのように思える。
俺にとって今1番大事なこと・・・そのために俺は、ここまで来たんだ。
ポケットの指輪を握りしめて・・・
教会の扉を・・・開く。
未来へ続く扉だと・・・信じて。
まりもは、そこに立っていた。
「待ってて・・・くれたんだな・・・」
「待ってた・・・珪くんを、待ってた・・・」
俺は、あの絵本の続きを・・・途切れたままだった、続きを、暗唱する。
「・・・姫。私はこの深い森を抜けて、やってまいりました。再びめぐりあうために・・・あなたを迎えに来たのです。」
「珪くん・・・」
「あの絵本の続き・・・お前に聞かせたかった。」
まりもは、微笑んでた。静かに涙を流しながら。
「俺・・・お前にあんなことして・・・もうお前の恋人でいる資格なんか、ないと思ったんだ。・・・お前が幸せになってくれるなら・・・それでいいと、思った。・・・けど、離れてみて思い知らされた。どんなにお前を愛してるか、どんなにお前が必要なのか・・・・。
俺は、今も夢見てるんだ。・・・俺がアクセサリーを作っている・・・その横で、お前が笑っていてくれる・・・そんな未来を。
俺・・・もうお前を離したくない。だから・・・まりも・・・迎えに来たんだ。もう1度、俺にチャンスを・・・くれないか?」
まりもは、俺の前に立った。
「私、前に言ったよね?珪くんに・・・言ったよね?・・・今までも、これからも・・・好きなのは珪くんだけだって・・・」
まりもは、つと背伸びすると・・・俺の唇に、そっと自分の唇を重ねた。
「まりも・・・お前・・今・・・」
俺からじゃない、まりもからしてくれた、初めてのキスだった。
「言葉じゃ、上手く言えないよ・・・今の気持ち・・・だから・・・」
俺は、抱き締める・・・まりもを。
「・・・俺も、だ。」
「珪くん・・・」
「俺も、今の気持ち・・・上手く言えないから。・・・きっと言葉じゃ伝えられないから、これ、お前に・・・・。」
俺は、まりもの前に膝まづく、その左手を取って。
中世の騎士みたいに。
まりもの薬指に・・・指輪をはめた。
「きれい・・・私のために?」
「ああ、もっと早く渡したかったんだけど・・・間に合わなくて・・・。」
「ピアスと同じ・・・クローバーだね?」
「ああ・・・旅から戻った王子は、何も持ってなかったんだ。けど、クローバーで作った指輪を姫に渡して、誓うんだ・・・『あなたは私の心の幸い、2人は今、永遠に結ばれたのです』そう、言って。」
俺は立ち上がって、もう1度、まりもを抱き締める。
「愛してる。もう・・・どんなことが有っても、お前を離さない。お前が嫌だって言っても。」
「私も・・・珪くんと離れるのはイヤだよ・・・もう、イヤだ・・・絶対に。」
「ああ・・・もう1度、俺たち、始めよう。永遠なんてものは、ほんとはこの世には無いのかもしれないけど・・・俺、言いたい。」
俺たちの永遠を・・・ここから始めよう・・・・と。