考える力を育てる | 心と体をラクにするピアノ奏法

心と体をラクにするピアノ奏法

ピアニストでピアノ講師の荒井千裕が
ピアノの奏法、呼吸法、身体の使い方をお届けします。

先週、2年ぶりの再会を果たした生徒さんのレッスンに、
また伺ってきました。

いや、暑いね。
日本よりも夏の時期が長い香港を経験している
彼女と私。

「もしかして、日本のほうが暑い?」なんて、つい口をついて出ます。



※ 写真は、フィンランドの作曲家、シベリウスのおうちです。
 2012年に訪れた時のもの。

人は成長する生き物です。

彼女に毎週レッスンしていたのは
彼女が中学生の時のこと。

あの頃から彼女も成長しているけれど、
私も成長している。

あの頃のレッスンは、
飛び出て浮いてしまうところをならすような、
そんなレッスンだったかもしれません。

今は、他のオトナの生徒さんたちと同じ。

言いたいことは、はじめは胸に留めておいて、
まずは、「あなたはどうしたいの?」
「あなたは何に困っているの?」を聞くところから。


本人の中に、もやもやしているものがあるなら、
それを解決してあげるところからレッスンを始めます。


彼女の話を聞くと、
自分自身がどんな弾き方をしているのかを、
よく知っていました。

気をつけているのに、どうしても飛び出て
アタックがきつい音が出てしまうところがある。

「もっとオトナのフォルテが出したいんです」
  と彼女は言った。

そうね、子供のフォルテじゃなくて、
 今のあなただから理解できた、「オトナのフォルテ」ね。

 (なおかつ、「ショパンのフォルテ」です。
   「リストのフォルテ」じゃなくて。)


突然のフォルテの6音の小さなフレーズ。
 どこにストレスを置くのか?
 どうしてあなたは、その音にストレスを置きたいって思ったの?

そんな事も、迷うことなく「私はこう思ったから」と言葉が出てくるの。
 素敵だね。

そうか、あなたがそう思うから、
 今の弾き方になったんだよね。

じゃあね、こういう弾き方はどうかな?
 参考として聴いてね。
 先生に言われたから、こう弾かなきゃいけないってことじゃないよ。
 こういう例もあるっていうのを聴いてね。
 あなたの思うところとは違うけど。

と説明して弾いてみる→彼女自身で弾いてみると、
「あ、なるほど、こういう弾き方もあるんですね。
 これもいい感じ」

あ、無理して取り入れなくてもいいんだよ。
一例だからね。
あくまで、あなた自身が納得しないとね。

そんなこんな。

今日は先週と同じショパン攻めでしたが、
 来週は1つ違う曲が入るよう。
どうやら、香港時代に彼女が

「いつか弾きたい曲リスト」ってのを作ってきて、

その中にあった1曲なのですが、
当時、やりかけてギブアップしたの。
それを、やっぱりやりたいっていうことで、
あ、あの頃から今につながってるんだね。嬉しいな。



※ 写真はシベリウス邸にあるシベリウスと奥様アイノのお墓。


さて。
どんなに暑くても、いつかちゃんと秋がやってきて冬が訪れる。

時は止まりません。
今までと同じ時の流れにはならなくても、
 それでも動いていきます。

だから、私達も、
 マイペースでいいから、一歩一歩、前へ進んでいこう!


ウェブサイトで更新した記事は以下のとおりです。

バッハの時代の演奏習慣はどうだったのか?古楽器でもモダンでもバッハを味わおう!

シューマン「ピアノ・ソナタ第2番」から呼吸とスラーと跳躍を考える

興味がありましたら、お読みいただけると嬉しいです。


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