FIT太陽光発電のポスト金儲けビジネスとして、系統用蓄電池がマスコミ記事を賑わしているのは周知のとおりである。
しかし、系統用蓄電池の開発・運用 個人事業主はやめとけ!と言いたい。
なぜならば、系統用蓄電池の最低容量がFIT高圧太陽光の最大容量と同じスケールである。
FIT高圧太陽光の2MWをコーポレートファイナンスで複数回せる人はとても少なかったろう。あの山佐は例外として。
そもそも、系統用蓄電池は特別高圧FIT太陽光で多用されるプロジェクトファイナンススキームでないとできない商品と思う。つまり、低圧FITや高圧ミドル太陽光で扱われたコーポレートファイナンス(リコースローン)ではすぐに資金が枯渇する。
数十億~数百億の金主を投資家から得る必要があり、それはプロジェクトファイナンスでないと不可能だ。
低圧FIT太陽光で一儲けした業者がポスト太陽光ビジネスで高圧系統用蓄電池に参入希望する向きがある。
面白い話として、アグリゲータに系統用蓄電池の発調契約申込を相談する際に、その前段階の接続検討申込をアグリゲータに代行してほしいという要望が少なからずあるそうだ。
確かに低圧FIT太陽光分譲業者は税別20万かかる接続検討申込をケチってやったことないのでそういう発想になるのだろう。このような業者はアプラス・ジャックス・イオンしか知らないので当然コーポレートファイナンスを組成するスキルがない。
またコーポレートファイナンスは信金や地銀も組成スキルがない。
卸電力市場JPEXの超快晴時に発電しすぎて昼頃の0.01円/kWh 売りの時にたっぷり充電しといて、夕方に放電して稼ぐアービトラージという鞘取り手法はFIT太陽光のkWh取引と同じでわかりやすいが、365日すべてが0.01円/kWhとなることはない。
なので、容量市場や需給調整市場にも参加しないと蓄電池の稼働がもてあそぶ。
そう、需給調整市場をうまく使えばとても儲かるが、需給調整市場は電力の系統運用の経験者でない限りとても分かりにくい取引だ。また、新生アグリゲータがこの調整市場をうまく活用できるとは限らない。
系統用蓄電池は通信が肝である。アグリゲータとの通信断が続けば蓄電池はただのオブジェでお金を生まない。
FITは連系したらすぐにキャッシュインできるが、系統用蓄電池はキャッシュインする前のキャッシュアウトがとても大きく、リスクがとても多い。どうしても機関投資家の資金を溶かしてもよいノリで開発を進めないとうまくいかないだろう。
だから、系統用蓄電池の開発・運用は資金力のない個人事業主はやめとけ!となる。
系統用蓄電池分譲販売どの営業が芽生えているが詐欺的要素満載なのでそれもやめとけ!だ。そもそも蓄電池分譲売り業者が需給調整市場の仕組みを知らないのだから。