系統用蓄電池のバッテリーは低価格の中国製リチウムイオン電池(LiFePo4)が主流だ。

他に、NAS電池やレドックスフロー電池がある。これらはメイドインジャパンだ。

しかし、2025年10月31日に日本ガイシのNAS電池が事業撤退するニュースが飛び込んできた。

となると住友電気工業のレドックスフロー電池も採算面で事業撤退が予想される。

 

2025/10/5の深夜に発生した東急田園都市線 梶が谷駅の衝突脱線事故について考察する。

 

一部どこかのコピペを引用する。

鉄道の役割は安全・迅速・正確・快適に乗客を目的地に輸送すること。
安全輸送を担保する設備の一つが信号保安設備であり、以下4つで構成される。

  1. 列車運行管理装置(PRC・TTC・ITC)
  2. 自動列車制御装置(ATS・ATC)
  3. 踏切保安装置
  4. 連動装置

東急は古くから駅単独てこ扱い人員の省力化を目的に京三製作所製の列車運行管理装置を導入し、とある場所にある指令所から全線を監視制御している。

また、自動列車制御装置は地上信号機(Way Side Signal)でなく、CS-ATC(Cab Signal ATC)の導入に熱心で、最新型はATC-Pと名付けているようだ。

踏切保安装置は東急田園都市線にはない。

ポイント(転てつ器)のある駅には連動装置が設備されているが、ATCと親和性が高い電子連動装置にリプレースされている様子。

 

今回の脱線衝突事故の原因だが、信号保安の根幹をなす最後の砦、連動装置の設定ミスのようだ。

 

上り3番線から5番引上線に向かう入換信号機の進路鎖錠条件に抜けがあり、転線中にCS-ATCのOver Run Protectorが動作し、緊急停止した回送電車最後尾の軌道回路は連動装置が在線検知し、TTCにも送られ、回送列車・上り各駅停車列車ともに列車追跡機能は働いていた。しかし肝心かなめの入換信号機の鎖錠が解けたので、TTCの進路制御機能が上り3番線場内信号機を反位(進行現示)にできた。その進行現示は上り各駅停車列車のCS-ATCに伝えられ、事故につながったのだろう。

 回送電車末尾の軌道回路を引上線入換信号機の進路鎖錠にセットしておけば、TTCの進路制御機能は上り3番線場内信号機を反位(進行現示)にできないので今回の事故は起きなかった。つまり接触限界の微妙な位置に停止したことで引き起こされた事故のようだ。
 

2015年3月の線形改修時からそのミスに気付かなかったとのことであるが、電子連動装置には連動図表作成支援機能がなかったのだろうか? 

今回、設定ミスとされた進路鎖錠条件をセットしない場合、上り3番線から5番引上線へのギリギリ転線で上り3番線場内信号機を反位(進行現示)にできるのでダイヤ乱れをわずかながら回避できる。だが、上り3番線からの当該転線は、1日に1回でしかも深夜に限られるのでそこまでダイヤ乱れを気にすることはないと思うのだがどうだろうか。

系統用蓄電池の建設費用はエントリークラスの高圧のニッパチ(2MW/8MWh)であっても安くて3億円かかる。

IDホルダーが自社で建設工事するにしてもコーポレートファイナンスが通らず、調達費用の割合が半分を占める蓄電池の部材調達ができないのでFIT太陽光発電のように仕込み完成売りでの建設工事はできない。

 

また、工事請負するにしてもミニマムが3億円なので特定建設業許可業者しかできない。
(発注者から直接(元請負人として)請け負った工事について、5,000万円以上となる下請契約を締結する場合は特定建設業許可業者でないといけない。2025年2月1日に金額アップ)
建設産業・不動産業:建設業の許可とは - 国土交通省

ハードルが高いのが実情だ。

 

特別高圧の系統用蓄電池においては50MWスケール(50,000kW、5万キロワット)があります。

もちろん電圧降下率2%を維持したドループ制御にて50,000kWの充電を蓄電池にします。

系統連系後は使用前自主検査も課せられてますからフルパワーの充放電試験は必須です。

 

ですが、よく考えてみると送配電会社にとっては5万キロワットの充電はとても痛いことなのです。

いきなり5万キロワットの消費をされたら属地TSO管内のどっかで発電の穴埋めをしなければならないですよね。

 

系統用蓄電池の暗部を知った気がしました。

系統用蓄電池は誰が買うのか?

素朴な疑問である、簡単だ。投資家が買うのだ。

ただ、数十億円をポンと出せる投資家でないと無理。

となるとどうしても日本企業でなく、外国資本企業となる。

日本企業の蓄電池は2MW/4MWhと小さいのが多いのはリスクオンできないから。

外国の投資家とコミュニケーションを取るには英語力は必須となるから、どうしても外資系開発会社が有利となる。

 

それと投資家に買ってもらうためには適切な用地選びが必要だ。

一番良い土地は今すぐ大型バスやトレーラーが転回できるような工業団地の近く。

なぜ、工業団地かというと役所のお墨付きの造成済みでハザードマップ外なのと太い電力系統がすでに来ているので、投資家も安心するし工事費負担金が安くなる可能性がある。

大型車が転回できる場所が望まれるのは30~40トンもある重たい蓄電池コンテナを荷下ろしする140トンラフテレーンクレーンを使う必要がある。

なお、TeslaのMegaPack 2XLの蓄電池コンテナは40tあるので、140トンラフテレーンクレーンでは倒れるから無理。現地で200tクレーンを組み立てる必要がある。なのでどうしても大型車が転回できる場所が求められる。

 

米の値上がり騒動で米の保冷倉庫が倒産するとか言っているが、そういう場所に系統用蓄電池の設置はとても好適であろう。

【高圧】系統用蓄電池(2MW/8MWh)の接続検討をたくさんするとその結果より傾向が見えてきた。

 

  1. 変電所に近いところ(1km圏内)は工事費負担金が安い。20万円~300万円くらい。
  2. 変電所から5kmを超えるとSVR 5000kVAなどの補償機器が必要になり、1,000万円単位ではねあがる。
  3. 基幹変電所(275kVクラス)の変圧器増設が必要となると数十億円になり、期間は70~90ヶ月になる。
  4. 架空線でなく地中埋設配電線になると高額になる。架空線新設不許可の自治体あり。
今回は3.のパターンで東北電力管内基幹変電所の変圧器増設が必要で45億。配電線工事で5億かかるので、合計50億円。
転進だ。だいたいこのような蓄電所用地は平坦かつ隣に民家がないので何となく高額の予想が当たる。
 
なお、高圧系統用蓄電池でもやはり2,000kW級なのでローカルの変電所はかなりの負担となる。3億円~6億円は普通に出てくるので金脈探しのようなものだ。5千万円が安く思える。
関東でいうと龍ケ崎、神栖、鉾田や阿見など茨城県は工事費負担金2億円以上は普通なので開発が難しい。
数年後は系統が緩和されることを祈りながら接続検討申込するしかない。

 

【高圧】系統用蓄電池(2MW/8MWh)の販売価格が税別6億円だが、これ、買う人いるのだろうか?

海外のファンドは日本市場の系統用蓄電池に興味を持っているものの、高圧の系統用蓄電池(BESS)を6億円でそのまま買うファンドは皆無と思われる。なぜなら転売をもくろんでいるからだ。

 

それと出自のよくわからない業者からの購入はためらわれる。プロジェクトファイナンスが組めない限り融資もままならない。

プロファイが組めなければ、着手金を払ってドロンされる可能性がある。この手の取引は2億円くらい溶かせるくらい、つまりとても安くないと成立しない。さしずめ半額の3億円が妥当なところだろう。

 

もちろん一次調整力取引できるのは絶対条件だが、開発業者のスキルがいかほどなのかは疑問である。もちろん詐欺もありえる。

OCCTOのWebを見ると、例によって接続検討申込書の様式が2025/4/1に更新されてた。

いままではマイナーバージョンアップだったのだが、今回はずいぶん入力様式が変わっている。

  • FAX番号入力が無くなった
  • 様式5の3 設備運用方法の受電電力パターンのフォーマットが大幅に変わった
  • 複数の発電設備(例えば太陽光発電と系統用蓄電池)の組み合わせでの申込対応

私は接続検討申込書のエクセルをセル参照してテンプレート化しているがその作業に半日程度要した。これからバグ潰しする予定。

 

 

狭い日本で系統用蓄電池の土地探しは難しい。

高圧2MW/8MWhだと500平米弱、特別高圧50MW/100MWhだと7000平米の平坦な土地があればよい。

ただ、災害王国日本では適した土地は少ない。

  • ハザードマップで土石流、浸水地域はダメ
  • 隣に住宅地はダメ。住民の反対運動。無理に設置すると騒音苦情・裁判沙汰を引き起こす。
  • 傾斜地はダメ。蓄電池コンテナトレーラーが入れない。
  • アクセス道路が4m未満もダメ。蓄電池コンテナを吊る200tクレーンが入れない。
  • サイトまでのアクセス道の途中に10t重量制限の橋があるとアウト。
  • 高さ制限のガード下をくぐらなければならない場所もアウト。
  • 接道面にみず道があると難易度が高くなる。ボックスカルバートT-25も微妙。蓄電池コンテナ30t(アルファード25台分)が耐荷重制限で入れない。
  • 農転可能も高圧はダメ(早期連系が優先)
  • 送配電会社に支払う工事費負担金額と連系までの工期が短いこと
    高圧2MW:工事費負担金額 最大5千万円 工期は12ヶ月以内
    特別高圧50MW:工事費負担金額 最大3億円 工期は24~36ヶ月以内

【余談】

系統用蓄電池をBESS(Battery Energy Storage System)と呼ぶ。ただ系統Gridを冠していないのが気になる。

日本ではログハウスのブランドにBESSがあるようだ。
 

意外な話だが、系統用蓄電池の接続検討申込は高圧より特別高圧のほうが審査ハードルが低い。

その理由として、接続検討申込の担当窓口が高圧と特別高圧で異なることがある。

 配電線を担当:高圧

 送電線を担当:特別高圧

 

この違いが接続検討申込の審査に影響する。

配電線を担当する高圧担当のほうが重箱の隅をつつくようにうるさい。

申請ボリュームが少なく、送配電会社プロパー社員が審査する四国、北陸にその傾向がある。

一方、送電線を担当する特別高圧は割とあっさりだ。

まぁ、受変電機器は重電8社しか作れないから機器が固定されることもあるからだろう。

 

【余談】

受変電機器はスイッチギアというが、その略称はSG、SWG、SWGR? 私はSGがすっきりすると思うが、以前の鉄道の機関車に装備されてたSteam Generatorや原子力発電の蒸気発生器をSGと略するので混同するかな?