16200系 青の交響曲とは
南大阪線・吉野線には観光列車がなく、狭軌のためその他の観光列車も乗り入れられない状態となっていました。
そこで、1974年に登場した6200系電車をベースとして大改造を施した車両が16200系『青の交響曲(シンフォニー)』です。
コンセプトは『上質な大人旅』、元通勤電車とは思えないほど大改造が施されています。
3両編成の列車が大阪阿倍野橋~吉野間を1日2往復するダイヤとなっています。
外観
見た目は確かに通勤列車っぽいですが、濃紺のボディにゴールドのラインが入っていて、豪華な雰囲気が出ています。
写真では分かりにくいのですがエンブレムはヘッドマークのように立体的になっています。
どうやら吉野駅にある壁の柄がモチーフのようです。
車両にはミュージックホーンが設置されており、列車からメロディ(ハイドンの交響曲101番「時計」の第2楽章)が流れる仕様となっています。
一般席
座席は1+2配置、シートピッチは1,000mmほどと予測されます。
近鉄特急では1,050mmの列車が多いのでそのくらいだと思います。
カーペット敷きに緑の座席、モケットには金粉のようにアクセントが散りばめられているのでよく見てみてください。
1人掛けでも座席下の機器が少なめで足を結構伸ばせる空間があり、壁面に座席がくっついていないので荷物を置けるだけのスペースがあります。
リクライニングはちょっとだけ倒れます。
テーブルは背面と肘掛け収納式の2つがあります。
壁面にはコンセントが1口あります。
窓が大きくて、窓割りもきちんと合わせられています。
車椅子スペースも用意されていて少し広めです。
運転席直後には座席が斜めに向いた1人席が用意されています。
テーブルも大きくて照明もあって当たり席…かと思いきや、足元がそんなに広いわけではなく、リクライニングもしないので若干ハズレ寄りの座席となっています。
どうやら席が埋まってきて、最後の方に売っているようです。
サロン席・ツイン席
4人ボックスがサロン席、
2人ボックスがツイン席として別枠で販売されています。
サロン・ツインは向かい合わせで、固定式のテーブルがあります。
おしゃれな照明が設置されていますが、スイッチはなかったので常に点灯しているようです。
グループで楽しく移動するときにはここを指定した方が良いでしょう。
ライブラリー
2号車には木製のベンチと歴史や観光について書かれている雑誌が置かれています。
書斎のような空間で少し休むのには丁度よい空間です。
ラウンジ
ラウンジはフリースペースとなっており、売店で飲食物を買って利用する人を結構見かけました。
(復路で利用しようかと思ったのですが朝早くてウトウトしてたらタイミングを逃した…。)
ケーキセットにマカロン、日本酒に柿の葉寿司と値段設定もそんなに高くなくて使いやすい印象でした。
まとめ
乗り心地が通勤列車を改造したものなのでそれほど良くないと前評判を聞いていましたが、揺れは他の一般近鉄特急と比べて著しく劣るものとは感じませんでした。
この列車の素晴らしい点はコスパの高さです。
大阪阿部野橋から吉野までの特急料金は520円とそもそも安価なのですが、特別料金はたったの210円(!)。
追加料金730円でこの贅沢な雰囲気の列車を利用することができます。
東北人の私は調べていて初めて知ったのですが、吉野は 桜 が非常に有名で春のシーズンになると多くの観光客が訪れる一方で、それ以外のシーズンは静かな場所ということで、ゆっくりと休暇を楽しむ場所としては良いと思います。
関連動画
近鉄公式チャンネルでは青の交響曲のこだわりや魅力について紹介されているので合わせて御覧ください。
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おまけ
終点の吉野駅は現役でパタパタの案内板が設置されています。