んーっと理由はいくつかあって,そのどれもがこの先解決できないだろうから,鉄道が近くを走っていて且つ「自力で乗れる」駅があるうちに戻ろう,という判断だ。
まず,直接的な理由は,両腕…特に右腕のダメージが思いの外深刻で状態が悪化する一方であったことだ。
手のひらのマメについては,当初からものすごく気遣っていた甲斐があってほとんど問題はないのだが,その代わり,手のひらよりもカラダ側…手首,肘,肩,首が夜も眠れないくらい痛くて,もうこんなにたくさんの重量ブツ(旅装備一式)を背負って車いすを漕ぎ続けられなくなったのだ。
筋肉痛とかそんな類いの痛みではなく,骨がスジが関節がゴリゴリ削れていくように痛むのでチカラを込めようにも込められないのだ。
その原因が道路の形状,特に雨水傾斜。
google viewで通るであろう道路を全土に渡って調査していたときに,日本より随分マシに見えたので「コレはイケそうか?」と思った。
確かに日本より随分マシな部分は多かったのだが,実際にはマシな区間の数倍の規模でキツい区間があって,終始不自然な漕ぎ方を強いられた。
そして,雨水傾斜があるとどうしても真っ直ぐには進めなくて,振れ幅が数10cmから1m未満くらいの細かい蛇行になってしまう。
でも,車線を跨がない,ということをお互いに意識して守りさえすれば,特に大きな問題はないだろうと考えていたのだが,この考えも甘かった。
このことは,想像以上にこの国の人々に迷惑をかけることになり,腕が痛む以上に胸が痛み,精神的にヤラれた最もツラい出来事であった。
こんなに広い道路なのに,オレを避ける余裕なんていくらでもあるのに,車線を無視しているのはアナタがたの方なのに,とにかく「ジャマだ邪魔だ」とクルマやスクーターからクラクションをビービー鳴らされる。
「お前はもっと端に寄れ!」と罵倒されまくる。
挙げ句の果にはバカ犬を追いやるかのように右手で「シッシッ」とされる。
1日で20〜30回。
嘉義県の県会議員の世話人と思しきヒトや,新竹県の警察官からも
「この国で車いすが通ってイイのは歩道だ。車道しかないのならソコはアンタは通っちゃイカンの」
とまで言われた。
広い歩道があっても↓こういう使い方をしているヒトたちがそう言うのだ。
背後からワザワザ至近距離まで近づいてきて追い抜きざまにビーッと鳴らされる度に
「うっせーなー!何もそんなにイジメんでもイイだろがー!」
と大声で叫ぶようになっていた。
…もうやめよ
オレ一体何やってんだろ?
ずーっと尊敬して憧れていたこの国の人々を,いまオレは憎みまくっている。
本当は腕の痛みなんかどーでもよいのだ。
「クソったれが!バカにしやがって!」
と,泣きながら怒って恨んで憎みながら一漕ぎ一漕ぎ数10cmずつ歩みを進めることにガマンができなくなったのだ。
諸悪の源はオレだ。間違いない。
この国の人々の慣例を乱しているのだから。
雨水傾斜。
コイツがココまで大きく立ちはだかるとは。
やってみて初めてわかった。
ココから先も台湾である以上,ずっと変わらない。
台湾のみなさん,邪魔して申し訳ございませんでした。
でも安心して下さい。もう二度と来ませんから。
































































































