六文銭 パート1 | 九十九里浜  智弘院ブログ

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六文銭(1)

春のお彼岸です。


彼岸の中日である「春分の日」「秋分の日」は国民の祝日です。
祝日法による趣旨は……
・春分の日=『自然をたたえ、生物をいつくしむ日』
・秋分の日=『祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ日』


春の彼岸になりますと、厳しかった寒さも緩み、各地からの芽吹きの便りに新緑と花のあふれる季節の到来を感じ、春の日ざしは朗らかな希望を与えてくれます。

秋の彼岸の頃は、夏の盛りを過ぎて紅葉と実りの秋の訪れを思い、落ち着いた心境に誘われます。


農耕を主とした日本では農繁期を避け、この季節に修する「お彼岸」という言葉には、日本人の持つ季節感から育まれた「温かさ」と、私たちの祖先の深い知恵と思いやりがあるような気がします。

仏教では、私たちの苦楽に迷う世界を(此岸)とし、

怒り・貪り等の煩悩を滔々と流れる大河に譬え、

安らかな悟りの世界を(彼岸)と定めています。



さて、今年の大河ドラマは六文銭で有名な真田家です。

この六文は「三途の川の渡し賃」と言われています。



真田幸村


真田信繁(幸村)の祖父である真田幸隆が、この家紋を使用したのが最初だそうですが、真田家でも戦時の際にはこの六文銭を使用して、命を惜しまずに戦う心構えを表したものと言われています。


冥途と「三途の川」


まず私たちが死んだ際、三途の川に行くことになります。

仏教において、死者が死後7日目に渡るとされている川です。

子供なら、三途の川沿いの賽の河原へ。


三途の川の渡り賃の六文銭はもっていますか?

「あなた」は六文を持っていればそれを払って三途の川を船で渡ります。


持っていない場合は?


「六文銭」は、どこで手に入れましょう?


登場!



そこには鬼のような婆さんである奪衣婆(だつえば)と、

泣く子も黙る恐ろしい爺ちゃんの懸衣翁(けんねおう)が待っています。

奪衣婆。三途の川のほとりに居て、亡者の衣類を剥ぎ取る婆です。




「あなた」は死んだ時の服を着ていますが、

この鬼婆さんはとりあえず「あなた」の服を奪い取ります。抵抗しても無理!

そしてその服を爺ちゃんに素早くノールックパス!

爺ちゃんが三途の川のほとりにある衣領樹(えりょうじゅ)という木に掛ける。

「やめて!!訴えてやる!!」とか言ってもダメ。

そして、その木の枝のしな垂れ具合で「あなた」の罪の重さが決まります。


生前の生き方によって、三途の川を渡る方法は三通り。

善人は橋

軽い罪人は浅瀬

重い罪人は流れの速い深み


渡し賃(六文銭)を持たない人とはどうゆう人なのでしょうか?


地獄の沙汰も金次第?

バカバカしい?


昔からの話が教えているのは何なのか。


次回、六文銭の意味を考えます。