枯木でお花見 | みつはしちかこオフィシャルブログ「小さな恋のダイアリー」Powered by Ameba

 

いいお天気なので、思い立って井の頭公園へ行ってみました。毎度おなじみの妹を連れて、というより連れられて、ですね。

まだ枯木ばっかりじゃー。桜が咲くとどっと人が押し寄せるらしいけど、今日はちょうど具合のいい人数。
空いてるベンチがあちこちに散らばっている。ベンチが多い公園って好き。私はすぐくたびれるから。

池に向かってある、日当たりのいいベンチを選んで座る。シャーシャーという噴水の音が心地よい。鴨が3、4羽、暇そうに浮いている。鴨から見たら、反対に暇そうな人間だなあと思っているかもしれない。
なんだろう? あれは。杭か? 鳥か? 目をこらすと、杭にとまっている鳥だった。何の鳥だろう? えらそうに胸をはっている。カワセミのような姿だけど? カワセミはもっときれいな色をしているはず。

まあ何でもいいや、と池のまわりを見渡すと、まだ寒々しい枯木ばかり。こういう景色も渋くていいかも、と思いつつ伸びをしたら、枯木たちも空で伸びをしていた。
もう枯木じゃないのかも。枝枝がじわじわとつやっぽくなっているではないの。特に桜の木は、もうぶつぶつつぶやきはじめている。


何かちらつくと思ったら、隣りに座っている妹の、手の指が閉じたり開いたりしている。何それ?
「ハイクよ、ハイク考えてるの」「お姉さん、何かいいハイクできた?」
ハイクー、そんなもん全く考えてないよ。ただぼーっと景色を見て気持ちよくなっているだけ。
「そうなの? それじゃ私ががんばって作ってみるから」
とまた、指を折ったり開いたり、ウームとうなったりしている。

俳句では、その場で10句くらい作らねばならない吟行というのがあるけれど、私はどこの結社にも入ってないし、句会に出ることもないので、全く気ままに俳句を作っている。
素晴らしい景色に出会ったときは、ぼーっと見とれている。何にも考えない。ぼーっつ、ぼーっつ、ただぼーっと見ているだけ。


ベンチから立ち上がってしばらく歩いていったら、前方に桃色が…あっ、梅の花だ。一か所、梅林のように梅の木ばかりが数十本あって、今を盛りと桃色や白い花を咲かせている。
梅の木のかたちって面白いのね。何だかおばあさんが杖ついているみたい。

あっ鳥、と思ったら、若草色のメジロが梅の花の蜜を吸いに来ている。あっちにもこっちにも、花に首をつっこんでいるのもいる。
桃色の花に若草色のメジロ、春がもうそこまで来ているんだなー、と思う。

そういえば、梅の花って春の季語ですものね。梅に鶯っていうけれど、鶯はもう少し後に来る鳥じゃないかな。
前に住んでいた家に桜があって、桜の花が咲くころ、よく鶯が来てびっくりするようなきれいな声で鳴いていたもの。

ああ、いい日でした。今夜はぼーっと眠れるかな。