《カタカナ》「シ」と「ツ」の違い | チビタコのブログ

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 今日の授業にて。

 誤字ではないのでしょう。本人は「ワシントン」と書いたつもりでしょうが,どう見ても「ワツントン」と読める珍解答がありました。「シ」と「ツ」は似て非なるもの。今回はその違いを見てみましょう。


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正しい「シ」と「ツ」

・カタカナの「シ」と「ツ」は形がちょっと似ています。

 特に手書きだと区別がつきにくいこともあります。小学生の字だと余計にそうかもしれません。

「シ」「ツ」

・ひらがなの「し」と「つ」は違いが明確です。「し」は縦向き,「つ」は横向きです。

 「あ」と「ア」の形が全然違うように,「し」と「シ」の形も「つ」と「ツ」の形も違います。

「し」「つ」

・ところが,2つを重ねてみると,カタカナの点や払いの位置がひらがなと重なるようです。

 「シ」を書くときは「し」を,「ツ」を書くときは「つ」をイメージして書くと,きれいに書けます。

「シ」「ツ」(2) ←「シ」は点をに,「ツ」は点をに並べます。


誤った「シ」と「ツ」

 こんな「シ」「ツ」はありません。

 「シ」のようで「ツ」のような,半分ずつ混ざっている文字です。

「シ」「ツ」? ←これはダメ! (`・ω・´)


漢字における点の位置

 カタカナだけでなく,漢字にも点を縦に並べるものと横に並べるものがあります。

 縦横を間違えるだけで随分バランスが崩れてしまうので,注意しましょう。

「海」「科」 「学」「図」


《まとめ》

・3画目の書き方だけが違いではない!

 「シ」…点はに並べて,3画目は左下から右上に払う

 「ツ」…点はに並べて,3画目は右上から左下に払う

・点の並べ方の違いは漢字にも見られる

 縦に並べるもの…海,科,雨,寒,冬など

 横に並べるもの…学,図,桜,挙,援など


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 「シ」と「ツ」は形がよく似ているため,バランスを崩すと,それがどちらなのか分かりにくくなってしまいます。「シーツ」や「ツツジ」のように,「シ」も「ツ」も両方含まれる言葉で練習するといいでしょう。

 形が似ているカタカナは,「ソ」「ン」もそうですが,他にも「エ」「コ」「ユ」や「ク」「ケ」「ワ」などがあります。「シ」は「ミ」とも似ています。これらは,雑に書いたり汚かったりすると,読み間違えてしまう恐れがあります。字を丁寧に書くということは,読み間違えを防ぐということにも繋がるわけです。1文字1文字を丁寧に書く習慣を身につけましょう。

 カタカナは小学1年生で習うくらいですから,どれも単純な形をしています。それだけに,小さいうちから誤って書く癖をつけてしまうと,大きくなっても間違った書き方がなかなか抜けません。漢字の筆順にも同様のことが言えます。字を覚える際には,よく注意される「止め」や「はね」や「払い」だけでなく,「点の位置」にも十分気を付けながら練習することが大切です。(余談ですが,不思議なことに,「シ」を横並びに書く子でも,さんずいは正しく書けるようです。)

 今回はカタカナや漢字について触れていますが,数字(「0」「6」「9」,「1」「7」)やアルファベット(「a」「o」「u」,「h」「n」「r」,「I」「l」,あるいは大文字と小文字が同じ形で大きさだけが違うのもの)も,同様の注意が必要です。


 カタカナは普段,外来語や擬音語を表す際に使います。また,学術的な場面では,種の名前は普通カタカナで表します(「犬」ではなく「イヌ」,「桜」ではなく「サクラ」)。

 学年が進むと,特に社会や理科でそういったカタカナ用語が一気に増えます。アジア,ツンドラ,メスシリンダー,ミカヅキモ,カシオペアなど,数え上げればきりがありません。たとえ書き間違えでなくても,読み間違えられるような字はいけません。特に入学試験では,そういったところもシビアに見られます。「ワシントン」だと書いたつもりでも,それが「ワツントン」だと思われたら×にされてしまう学校があるのも,意外と知られていない事実です。

 「たかがカタカナ。されどカタカナ」です。