向井理(むかいおさむ)って最初は読めなくて、今でもつい、そう呼んでしまいます。
この人、面白い人ですね。変わってる。
以前に次課長が出演するので録画しておいたさまぁーずと爆笑問題の番組に、『ゲゲゲ』が始まる前の向井くんが出ていたんです。俳優をやる前はバーテンダーだったということで、番組でバーカウンターとお酒類を用意してくれて、そこで彼がオリジナルのカクテルを作ることに。
両側がラッパのような形の材料を計る道具、あれなんていうんでしたっけ?それをこう、人差し指と薬指でカッコよく持って、ササッと計るのですが、その指先が細長くて綺麗で、すごくしなやかに動くんですよね~。
そしてシェイカーを振る様子もさまになっていて。
それだけ見ているとすごい遊び人のようですが、その前に自分の話をしているのを聞くと、こだわりの強い人なのかなという感じがしました。
人と同じことをするのが嫌で、クリスマスとかに皆がパーティしたりデートするのとかもちょっとという話で、それじゃ彼女はどうするのとかいう話に。
中学で付き合った彼女となぜか別れてしまい、高校の終わりに再開してまたつきあい始めたんだけど、ある時音信普通になって、電話もメールもつながらず、やっとの事で会ってやり直そうということになったけど、やっぱり無理と言われ、振られたのだとか。理由は?と聞かれて、「どうしてなんでしょうね。」と今でもわからない風の向井くん。
そして『ゲゲゲ』が始まってから、その後始まるNHKの番組(イノッチとブタさんの)に出演した時も、相当変わった感じを受けました。茂の粉装で出て来たのですが、あれ?なんか違うと思ったら、髪型だけ今風におしゃれにしていたんで、違和感がありました。
不思議なんですけど、おしゃれにしている普段の感じより、セルロイドのメガネをかけて髪ボサボサの茂の方が、なんか魅力的に感じるんですよね。こっちの方が、内面と合っているのかも。
理系の大学で遺伝子の研究をしていたそうで(確か明大)、グループで取り組んでいた研究で賞も取っているらしく、どういう内容なのかということで、パネルを使って説明し始めるんですが。
専門用語は出るし、なかなか簡単な説明では伝わらない内容だったので、熱が入って真剣に説明を続ける向井くんに、「その説明、まだ時間かかります?」と弱った様子のアナウンサーさん。
ああ、理系男子だったんだ~と、不思議な感じがしていた部分に、納得しました。
取材されていた大学の先生は、大学院に残って研究を続けてほしかったと言っていましたが、そこからバーテンダーになって店を任され、声をかけられて俳優の道へと考えると、まだ20代にして、なんというローリングストーン人生なのだろうとびっくり。
目の前のことに熱中し、中途半端が嫌いで自分のこだわりをつらぬく頑固さを持っている。それを客観的に観ているもう1人の自分がいる。…かき集めたエピソードから私が受けた印象ですが、それが『ゲゲゲ』の茂にあまりにぴったり当てはまることに、改めて驚きます。
このキャスティングをした人はすごいなあ。綺麗なお人形さんみたいなルックスからは想像のできない、彼の内面を見抜いていたということですよね。この役をもらったことで、彼の役の幅はもっとずっと広がるだろうなあ。
漫画家には優れた編集者。そして俳優のキャスティングの裏には、隠された魅力を発見する優れた作り手の眼があるんですね。