『トランプVS.ハリス』(松本方哉 幻冬舎)を読んで
トランプVS.ハリス』作者が見た
大統領時のトランプ⇔政府高官の闘いと
石破首相VS自民党⇔国民 の構図が似てないか?
『トランプVS.ハリス』読みました。
トランプを時期大統領にするとどういうことが起こりそうか、
ホワイトハウス取材40年のベテラン記者が記しています。
この本の特徴として最も意義深いなと思うのは、
トランプが大統領をしていた時の、政権を支えた優秀な頭脳たち(共和党の伝統的かつ愛国心と良識をもちあわせた保守派)のほぼ大半(写真)がいかにトランプの危険な思想と行動を阻止するためにホワイトハウス内で必死に戦っていたかを記録して、読者にわかりやすくそれぞれのエピソードを出しながら、解説している点。
そして2024年の今。共和党の内部がこの1年ほどで大きくかわった結果として、これら抑止力が期待されないため、次期大統領にトランプがなったら・・・どうなるかを論じている点です。
まさにホワイトハウス内のインサイダーな内容になっています。
時同じくして、日本では石破政権が出だしそうそう「豹変した」と世間をいらつかせています。
これもまさに、我々がうかがい知れない永田町内での「首相VS自民の他大物議員」という構図でしょう。
本日の朝のニュースできいた表現。
「石破が筋を通せば、国民は喜び、自民は怒る」
言い得て妙。
ちなみに言った人は、石破さん本人だそうな笑
宮本輝『灯台からの響き』(集英社文庫 2023年)を読んで
板橋駅前で親から受け継いでラーメン屋を経営する62歳の男性が主人公です。
数年前、妻に先立たれて店も閉じてしまって無聊をかこつ彼が、
ひょんなことから、灯台をめぐる旅に出る様になります。
宮本輝さんが描く作品は、いつも、読者の集中力を慰撫して
「まあまあ、そう一生懸命思いつめて読まないで」と、読者の背中をポンと押してくれるような
やさしい世界が広がりますね。
この物語の世界にも、人の体温の温かさをおりにふれて、感じます。
なにげない登場人物の仕草や言葉、その時の空気感を感じさせる周辺の描写など。
以前読んだ大作「流転の海」において、特に、主人公の妻とその息子を描く際に強まる、
温かく、慈悲深い表現が、この小作にもたっぷり感じられました。
派手な印象はないけど、たぶん、今後、おりにふれて、描かれた情景を思い出すことになると思います。
『死はすぐそばに』アンソニー・ホロヴィッツ作(創元推理文庫 2024)
待望のアンソニー・ホロヴィッツの最新翻訳作。
ロンドン近郊の優雅な住宅地「リバービュー・クロース」の住人たちの間で起こった事件の物語。
いわゆる同一敷地内で複数の邸宅があり、敷地はセキュリティ上、外界から遮断されている作りになっている。
日本ではあまり見かけないが、入口のセキュリティがちゃんとしてる高級マンションで、住居すべてが独立した家屋になっているという感じだろうか。冒頭に見取り図が掲載されており、この見取り図を時々見直しながら、ここで起こった殺人事件の犯人を探っていく物語の筋を追うのが楽しい。
登場人物も、根っからの善良な人柄か、それとも裏表があるのか、などを住人と使用人の数だけ、推理を働かすのが楽しめます。
しかし。
残念ながら、本当に残念ながら、
ラストに近づくにしたがって、なんだか、炭酸が抜けたソーダ水のような印象になってきてしまいました。
アンソニー・ホロヴィッツって、こんなにつまらなかったんだっけ?という残念な感想をつぶやかざるを得ませんでした。
中盤までは、楽しかったのに(涙)。
ちなみに、文庫本P282に、どーしても間違いなのでは?という表現を発見。
5行目の「」内の
「シュトラウス氏は~」とありますが、これは「ブラウン氏は~」じゃないかな~と(笑)。
