岩波ジュニアの棚でたまたま見かけたので借りた本。

わたしは最近育児のことばかり詠んでいるので、生きていくために詠むってどういうことだろうかと思って、前情報なしで手に取った。

 内容は、神戸工業高等高校(定時制・夜間)の国語の先生が編纂した、生徒たちの短歌。

いわゆる夜学の生徒たちは、昼間は働いて、夕方5時くらいから授業を受けに行く。

兵庫県出身なのに知らずにいたが、夫が夜学のある工業高校の全日制の出身なので、なんとなくイメージはあった。

わたしも大学時代にアルバイトと授業、もしくはアルバイトのダブルヘッダーをしたことがあるが、ものすごくキツイ。間違いなく寝るレベル。

しかも、生徒たちの多くは毎日それを学費や生活のためにやっていて、中には危険な仕事も多い。労災の金額がいくらかなんて話を高校生がするのかと驚いた。そして多くが零細企業の、しかし工業の街・神戸を支えている仕事だ。

 短歌も、何かと技巧とか言われたり、自分の所属している結社の発行物とか読むと本当に上手い人は上手いんだけど、

こうやってストレートに詠まれた短歌も胸に響く。上手い人もいる。

神戸ということで、震災を経験した生徒さんもいて、OBOGの短歌などを読むと心が痛くなるものもある。でも、それを読んで、自分の思いを31字に託すことに勇気を貰った生徒さんが何人もいるというのだからすごいとも思う。

ところどころ統廃合の話が出てくるが、現在も一応夜学は統廃合されずに残っているのかな…?

(夜学があるのは兵庫県立神戸工業高校で、夜学のなかった市立神戸工業高校は統廃合している)

 

お気に入りは下記。

夜学来てやっと分かった身に染みる「普通の」「まともな」どうでもいいや

 

 食生活の水準が低い異世界トリップ先で、食の普及を図る元OLの奮闘を描くファンタジー。第5弾。

ダイヤグリーン1巻の感想はコチラ

ダイヤグリーン前作・4巻の感想はコチラ

 

  前作のスーザノウル編に少し続いている感じ。

猛暑対策と、外交問題にまで発展しかねない食のせめぎ合い?な感じ。

食糧の生産事情、輸入事情など、現代のTPP問題なんかを少し考えさせられるような内容になっていて面白かったです。

マスグレイブさんも、ただの自己チューでぐいぐいきてるんじゃなくて、国のために体張って頑張ってるんだなぁと、ちょっと見方が変わったかもしれません。それにしても、貴族王族を出禁にできちゃうリサ嬢すごいな。下町カフェを守るスタンス……。

 

 番外編のシェーラ、そんな外国人だからって差別されてしまうものなのかな? 祖国の一流料理人の娘だけど、フェリフォミアの方が料理先進国だという自負があるのか……。この作品の悪人は小心者で、その話の中で悪事が終わらせる主義が多いようだけど、思春期の子どもやイジメってそんな簡単に終わるもんじゃないでしょー!とモヤモヤしてしまう部分もあったり。

 

 料理の話とけっこう真面目な話が多くて、けっこうテンポよく読めたように思います。

 

 

 漫画版を思わずKindleでポチってしまいましたお札長音記号2

3話までなら、アルファポリスのホームページで無料で読めますFREEキラキラ

(それ以降はレンタルとなります本)

 

絵が、原作小説の表紙絵や挿絵などの雰囲気や設定(リサの花のピン止めなど)を守って描かれていると思います。

ヨーロッパの街並みや、人物の服装、食品の絵など細かに描かれていて、小説のイメージをより感じられて漫画はいいなと思いましたニコニコ

 

ジークさんと会ったエピソードが若干違うような…?

原作右矢印ジークが妹に買ったクッキーがきっかけで菓子に惹かれる

コミックス右矢印リサに飲み物をぶっかけられてしまい、お詫びに渡されたたクッキーで菓子に惹かれる

 

そして、リサのOL時代の話や幼少時の話が、原作より細かいです。

あとは、漫画はやっぱりページ数が増えるためか、話が省略されていたり、開店までの経緯が物凄く縮小されています。

いきなりジークの回想になるのが、漫画独自のコマ割りとか編成の特徴なのかもしれないけど、ちょっと唐突感があってついて行けませんでしたあせる

原作はいきなり開店話ではなかった気がするし、物件もいくつか養父か伯父を通じて見たりダメ出ししたりしていましたよね?

 

でも、漫画版は何より、途中にお菓子のレシピがあるのが嬉しいですね!

そこまで難しそうでもないし、ロールケーキにいたっては卵焼きフライパンでできるようになっているので、

ちょっとやってみようかな、という気になってしまいます爆  笑

 

ジークさんとの出会いまでの話が収録されており、最後にヘレナの伏線が張ってあって終わりです。

 

というか、漫画版探すのにググって知ったんですが、少し前までゲームがあったんですね。

しかも、ジークさんの声優が梶裕貴さん!!(進撃の巨人、ジョジョなどの超人気声優さん)

キースの声優が羽多野渉さん!!

めっちゃ豪華……やりたかったなぁ、もうちょっと早く知ってたらと思いましたショボーン汗

 

 

 食生活の水準が低い異世界トリップ先で、食の普及を図る元OLの奮闘を描くファンタジー。第4弾。

ダイヤグリーン1巻の感想はコチラ

ダイヤグリーン前作・3巻の感想はコチラ

 

 今回は予告で、慰安旅行先で海の家を経営というあらすじはぼやっと読んだのだけど、

その前にまさかのコピー店(しかし、完コピしきれてない模倣店)登場の話があって驚きました。

 でも、これまで書いている通り、特に悪役もいない優しい世界を書いている小説なので、特に相手を愚弄するような描写もないし、

最後は相手が暴力沙汰になってしまうとはいえ、器物破損で済むし、まだマイルドな方なんですかね。

模倣店淘汰のための手法も、製作工程がバレない新商品を出すことだし。

(マカロンって作るのが難しいお菓子の典型なんですかね?

 前に観ていたプリ〇ュアでも登場人物が作るのに苦労する描写があったので……)

お客さんや食に興味のある人に誤解されないよう、コピー店を敬遠しつつ共存するのかな?と思って読み進めました。

珍しくハラハラしましたが、相手が違法行為であっさり逮捕?されてしまい終焉。

そのまま慰安旅行に突入という、すごいスピード感の巻でしたあせるあせる

 コピー店騒動だけでも1冊というわけにはいかなかったのかなぁ。

海の家騒動もそうだったけど、「悪い人は捕まって終わり」っていうのは安心感が強い終焉に見えて、

ご都合主義や悪役の脇役感が強くなってしまうので、そこはちょっとモヤモヤしました。

(死なない限り人生は続くので……)

悪役が典型パターンだったので、余計そう感じてしまったのか…?

そして、ライバル店共存型はヘレナの実家のパン屋で使ってしまった手法だからか…?

 

 それでも、クレーマー回でも書いたけど、誰でも経験したことがあるだろう仕事のモヤモヤ感をファンタジー世界でも描けていて、上手く共感性を引き出してくると思います。ファンタジー世界ならではの貴族という逆らえない存在も組み合わせて。

(まあ日本だって、そういう上流階級とか怪しい組織とかないわけではないけど……)

 

 でも、慰安旅行で旅行先の描写が薄いのがビックリだったかな……海しかない?

まあ、中世ヨーロッパだったら、都市部と地方との繁栄の格差が今よりも激しいだろうし、

現代からトリップしたヒロインが興味を抱けなくても仕方ないなとは思いますが。

あとは、やっぱり食生活に不満は相変わらずあるようなので、休暇中も特に観光せず料理を極めます、というのも分からないではない…。

 

 色々細かい突っ込みはありますが、アイデアや話の展開を楽しみにして、読み進めていきたいと思います。

 

 

 異世界トリップしたヒロインが、トリップ先世界の食文化のクオリティ向上に励むファンタジー小説・第3弾。

ダイヤグリーン1巻の感想はこちら

ダイヤグリーン2巻の感想はこちら

 

 今回はビッグイベントとして「年一回の伝統祭・花祭り」ですが、

このひとつのイベントに、ダイエット食(豆腐が登場)、屋台食(リンゴ飴、クレープ、から揚げ、ホットドッグ、かき氷等)、ゴミ問題、

前回は主に番外編だった学院料理科の実習と、

いくつものテーマが絡められていて、とても面白かったです。

 中でも、リサが食文化を発展させてきたことで"弊害"が出てきたことが目のつけどころで面白いなと思いました。

そのひとつが、今までお菓子という概念が無かった世界にお菓子を持ち込んだことで、肥満まではいかなくても太ってしまうという問題が出てきたこと。また、屋台や食べ歩きのゴミ問題は、日本でも現在進行形の問題です。

ゴミ問題ではないですが、わたしは神奈川県民で、最近鎌倉市の食べ歩き自粛条例可決のニュースなんかも見ていたので、時事ネタの取り入れ方が上手いなぁなんて思ってしまいました。(それでも、出版からもう5年も経っているのですね)

 

 あとは1巻のヘレナとの出会いの描写から思っていましたが、この作者は年少者を見る目が深い?です。

ついつい上から目線がちになりがちですが、成長を促すとか、こういう経験をさせたいとか、自分はそういう経験をしたことがないからかもしれないですけど、ヒロイン若いのによくそこまで考えられるなぁと思ってしまいます。

 

 ジークとの恋のすれ違いや、ヘレナとアランの恋愛事情も書かれていて、これはまあどっちでも……という感じですが。

(オフィスラブものとかネット小説でも読みますけど、実際はどうなのって思っちゃう派ですあせる)

その中で、アランが料理人になるキッカケのエピソードもあるので、それは面白かったし、

料理を作ることの幸せみたいなのが語られていて、結構心に響くなと思いました。意外と話の肝かもしれません。

まあ、皆仕事に対してモチベーションがめちゃくちゃ高い人たちなので、恋が上手くいこうがいかまいが、仕事に響くことは無さそうですが。

 

 番外編で遂にコーヒーが登場し、ヘレナがバリスタ(という単語は出てこなかったけど)になっていく過程は興味深かったですね。

最初だからか、コーヒーの種類が少なすぎな気もするけど……カフェオレとウィンナコーヒーてあせる

料理教室のエピソードは純粋に感動してしまいました。学院のハウルもそうですが、多様な家庭環境や境遇の人を書いているのも、優しい世界を創り出してて、そこにも読みやすさがあるのかもしれません。

 

 

 

 単行本を読んだのだけど、Amazonに単行本のリンクが無かった……汗

 

 夫婦脚本家ユニット・木皿泉の短編小説。

重松清が好きでよく読んでいた(最近読んでないけど)わたしにとっては、同じようなニオイがする。

短編小説集に見えて、色んなところで登場人物がリンクしているような。

『その日の前に』みたいに、死の捉え方がけっこう重いように見えて、けど、重松清ほどエロくもないし、暗くはない。

未亡人の嫁と義父、それとその周囲の人々、どこか不器用な人々のつながりをさりげなく描いていて、

落ち込んでるときとか、軽い読み物を読みたい気分だなっていうときにはいい本だと思う。

夕子(ヒロインの亡くなった夫の母親)の話が面白かったけど、ちょっと感情移入しすぎてしんどかった。

OLの経験もあるし、息子がいるので。フィーリングが似ていて、ちょっと辛いなと。

一方、ムムムなんかは仕事に疲れて退職しちゃったパターンだけど、なんか薄っすら希望があって読みやすかった気がした。

 

ドラマ化していたのを見て、気になるタイトルだなと思っていて(日常感あふれる良いタイトルだ)、

結局ドラマは観ないで今になってやっと小説を読んだ。

『女子的生活』と同じパターンだな。

 

 

 異世界トリップしたOLが、その先の食生活にウンザリし、元世界の食の普及を図る小説・第2弾。

ダイヤグリーン1巻の感想はこちら

ダイヤグリーン3巻の感想はこちら

 

 今回は正直言うと、本編がつまらない……まあ、あくまでも好みの問題だとは思うんですが。

ネタバレしますと、元騎士の従業員ジークくんとのラブラブシーンが……そんなに要らないかもと思ってしまった……ショボーン汗

それでも、王宮副料理長・キースがちょっかい出してくるのは好きですし、

婚約疑惑の話で出てくる、飲食店あるあるのモンスターカスタマーの件とかは、飲食店経験者からしてリアルさがあって良いとは思うんですが。

(相手は貴族で架空だけど、いちゃもん付けてくるウザさはリアル!!てへぺろキラキラ)

キースのバックグランドが明かされていくのが今回上手くて面白いと思ってしまいました。主人公のキャラ立ちって意外と難しいんですよね。ジークとか普段から無表情だと描写難しそう……「本当は●●」っていう描写が。説明しないで描写するって難しい……。

 

 前回に引き続き、ルトヴィアスという少年が主人公の編があるのですが、正直こちらの方が世界が広がって面白いです。

料理科ではあるけれど、いわゆる魔術学校モノみたいな学園モノになってていいなと思います。

わたしは10年くらい前、調理専門学校に1回だけお試しで行ったことがあるんですけど、楽しかったです、ロールキャベツ作り。

10代はじめに基礎から学校で教えて貰うなんて良いなぁ(まあ、日本の学校だって調理実習があるけど)。

 

 異世界と元世界とで、食材の名前や種類が異なることがほとんどなんですが、前作ほど食材の説明がされてなくて、分かりにくいと思いました。野菜が大根ときゅうりがモデルの野菜ということを理解するのに、大根の方が特に分からなかった……

時勢の問題もあるかもしれないけど「コンビニにある」というチョコレートをつけて食べるお菓子? がわたしは分かりませんでした……ドーナッツ?

 

キャラや世界観が活き活きしているのに、今回は話の筋が微妙だったなと思ってしまいました……。

また図書館に次巻が返ってきたら読みたいと思いますニコニコ

 

女子的生活 女子的生活
1,620円
Amazon

 

 ドラマ放映からかなり経って、「実は坂木司の作品だった」と知ってめちゃくちゃ後悔した。

『和菓子のアン』をちょうど病気だった頃に、実家の母が小説にコミックスにと買いだめていたのを読ませて貰って、すっかりファンになっていたからだ。

 

 ただ、これはあくまでも好みの問題かと思うけど……これは読みづらかった……

まあもちろん、トランスジェンダーを題材に取っている点で好みは分かれるとは思う。

わたしはLGBT当事者から太鼓判を押してもらってるくらいにはアライだと思っているので、

たぶんそこではないとは思うが、妙に説明しにくい。

 

 たぶん、トランスジェンダーであることで、いわれのない上から目線を浴びせられて、それと戦って、という分にはいいんだと思う。

(なんて書いてる時点で、私もセクシャルマイノリティーの方々に対してマウント取ってしまっていることになるな……反省……)

自分の勤めているブラックアパレル会社がデザインをパクってしまって、事後承諾を貰いに行ったときの話なんかは共感できた。自分の家族と平行線とか、承諾を貰いに行った先方の抱える矛盾とか。

ただ、主人公の「うわ、こういう系の女子無理」というのが辛辣過ぎて、読んでてしんどいのかなと。

「やられたらやり返す」こと自体が美しくない、と言えるような純粋さは私にはもうない。

ただ、やり返すほどの自我の強さが羨ましくて、さらにはかおりさんという、そういうツルむことのできる女子が味方にいて良いよね、というモヤモヤドロドロした感情が自分に芽生えるのが嫌で、読んでられなくなったのかな、という感じ。私もツルむような友達ほしー。

ただ、男性同士の「いじり」コミュニケーションの話は、なるほどなと思った。ああいう風に分かるように説明して貰ったのは初めてかもしれない。その分受け身男子のかまってちゃんさにウンザリもしたけど。

 

 まあ、そんな感じでちょっと好みは合わなかったり、思ったのと違うな感はあったけど、これだけ書ける坂木司センセはやっぱり凄いです。

和菓子とアン、ドラマかアニメ化しないかなー。

 

 

 異世界モノのネット小説といえば"小説家になろう"ですが、そこから出版にいたった小説。

異世界の食べ物事情といえば、以前読んだ『幻想レシピ』でも、中世ヨーロッパ時代をモデルとすれば、あまり発展していないのが大筋なんですが、この小説はそこに目をつけて、異世界で現代の食べ物(もちろん和食も)を普及させようとする元OLの奮闘ぶりを描いています。

 

 が、この世界の食文化がけっこうオワコン?並みにひどいのに、まずおいおいという気もしてしまうんですが。

なんせ、比較的食文化が進んでいるはずの王宮料理長が油でビシャビシャのムニエルを作ってしまうとかあせる

パンの描写は上手いな、と思いました。堅いパンしかない、っていうのはちょっと『アルプスの少女ハイジ』を思い起こします。

それでも、異世界に行った先が超優秀魔術師の養子とか(まあ、これは後程なぜそうなったか説明があるのですが)、

その奥様が王妃と親友で、実家が大商会とか、多少のご都合主義はあるんですが、商会とつながりを持たないと物流がしんどいし、珍しい食材が入手できないのはホントだと思うので、そこはなるほどなと思いながら読みました。

あとは、いくら田舎町で祖父母に色んな食品作り等々を見せられて育ったとはいえ、何の前置きもなく異世界に飛ばされた先で、OLが発酵食品やパスタなどを何も見ずに作れるかっていうのはけっこう突っ込みたい……

 

 しかし、ただ設定だけではなくて、人物描写もなかなか面白くて好きになりました。

表紙の通り、従業員を2人雇うのですが、雇うまでのエピソードが好きです。

特に、女性の方はちょっと涙しそうになったくらい感動してしまいました。ところどころに心に染み入る台詞を盛り込みつつ、キャラクターも活き活きしていてどんどん読み進めてしまいます。

 主人公が異世界に飛ばされることになったエピソードについては蛇足っぽく感じてしまいました……まだまだシリーズ続くなら、そのうちでも良かったんじゃないかな……と。ちょっと興ざめしてしまったわたし……ショボーン汗

 

地球星人 地球星人
1,728円
Amazon

 

 『コンビニ人間』を読んでみたいとずっと思っていて、結局読みそびれていたら、芥川賞受賞後の第一作が何やらすごいらしいというのをTwitter等で読んで、珍しく単行本を購入してしまった次第。

(転勤族だし狭い家に住んでいるので、なるべく紙の本、中でも単行本は買わない)

 テーマはすごく共感できて、勇んで読んでしまった。生きづらい世の中。結婚主義に出産主義に、一時期よく話題になっていた生産主義。それらへの反発。すごく気持ち良かったんです。自分の中でモヤモヤしていたものを言語化してくれたことへの快感みたいな。

 わたしも結婚3年目で長子を授かって出産したのだけど、それまで自分の祖父(子にとっての曽祖父)からの「ひ孫コール」が年々鬱陶しくなっていったのを覚えている。でもその一方で、「女は結婚して子どもを産む」という世の中の方針に疑問を持っていなかった頃もあったので、そちら側に加担していたときの罪悪感のようなものも持ちつつ読んだ。

 ただ、子ども時代の描写がけっこう残酷で生々しいので、読んでて辛かった。その分魔法少女や、従弟にすがるような思いを持つ描写が胸に響いた。

 直接関係ない話だが、この本を読む直前、去年あたりからハマり始めた女児向けアニメ映画を観ていたので、まさかの魔法少女登場にはとても偶然性を感じた。もちろん、こちらの小説は物凄くダークなんだけど。ステッキを持った魔法少女だけど、変身コンパクトが出てくる、補佐役のような宇宙生物が出てくるので、色々なアニメが混じったのがイメージされてるのかなと思った。

 衝撃のラストの描写が、はじめわたしは理解できなくて、ネットで感想や考察を書いているブログ等を探していくつか読んでしまった。

最後の最後になって、一気にありえない?SF?描写になるのに仰天したけど、それがこの先生の世界観というか手法なら、そうなのかなぁという気もしてしまう。けっこう切り込んだ話しておいて普通に終わるじゃ、面白くないよなーとも思うし。

 村田先生の他の小説も、ぜひ読んでみたい。