6月(3週目)お稽古日記:「蛇籠(じゃかご)って何?」 | 【ブログ】裏千家 シュミネ茶道教室 || 大阪・心斎橋 || 西田宗佳

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皆さん、こんにちは! シュミネ茶道教室です。
6/20(火)、21(水)のお稽古日記。
 
今週のお菓子は「蛇籠」(じゃかご)
さあ、蛇籠(じゃかご)って一体何でしょう?!
 
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私(西田)もちゃんと分かっていなかったので、改めて調べてみました。
 
(~「日本じゃかご協会」さんのホームページから~)
 
 蛇籠(じゃかご)は、古来、竹を主な材料として円筒形のかごを編み、内部に石材等を充填して河川の治水工事等に使用したことに始まります。竹は屈とう性(屈してたわむ性質)に富み、豊富で入手が容易であったことから、じゃかごの材料として最も多く使用されました。紀元前の支那では、堤防工事に蛇籠(じゃかご)を使用したとされていることから、その起源は今を去ること実に2000年以上前と考えられます。
 蛇籠(じゃかご)がわが国に伝えられたのは、西暦400~600年頃(古墳時代~飛鳥時代)とされていますが、比較的広く使われるようになったのは、安土桃山時代以降であり、大名が自己領土の保全と開発、領土拡張のため、治水工事が行われるようになったことによります。その後、徳川幕府によって全国統一がなされ、河川改修、災害復旧工事が盛んに行われるようになり、大量の蛇籠(じゃかご)が使用されました。
 それから長い時代を経て今日まで引き継がれるなかで、蛇籠(じゃかご)の材料・製法・構造は徐々に発展してきました。1908年(明治41年)に材料として亜鉛めっき鉄線を使用することに成功し、1911年(明治44年)には、じゃかご製造機が実用化され、機械生産が可能になりました。そして昭和の時代に移り、戦後の荒廃地に毎年のように襲った大水害の際にも、蛇籠(じゃかご)は重要な土木資材として使用され、当時の建設省はこれにかんがみ、1953年(昭和28年)に蛇籠(じゃかご)の基準を制定、さらに、翌年の1954年(昭和29年)には、当時の通産省が日本工業規格JIS 亜鉛めっき鉄線製じゃかごを制定し、これまで以上に品質の確保が重視されるようになりました。
 蛇籠(じゃかご)は、蛇の形に似た石籠(いしかご)からその呼び名が由来するように、元来は円筒形のものでしたが、今日のJISじゃかごにおいては、円筒形じゃかご・角形じゃかご等の製品が、いくつかの材料と共に規格化され、現在、各種の工法に合わせた多様なじゃかごが使用されています。
 
東京都にある「小石川後楽園」では、現在でも江戸時代と変わりなく、竹製の蛇籠を池の護岸に用いているそうです。竹籠は経年によって緩みが生じるので、2年程度で取り替えられているんだって。何でも便利に簡単になった今の時代に、あえて昔の風情や工夫をオリジナルのまま残し守っていく活動はとっても手間暇がかかりますが、その価値をまずは知って、私たちも文化力を高くしていきたいものですね。
 
 
昔ながらの蛇籠(じゃかご)を使った木津川での自然実験も。
(↓下)(ネットから画像拝借)
 
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現代の蛇籠(じゃかご)は、このように鉄線で作られ、様々な形があるようです。
(↓下)(ネットから画像拝借)
 
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工芸の世界では、昔ながらの蛇籠(じゃかご)は、在りし日の姿のまま生きています。
(↓下)(ネットから画像拝借)
 
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そして、お茶の世界では、蛇籠(じゃかご)といえば、夏の「花入れ」としても活躍しています。
茶道具の中には、もとは全く違う用途の物を、ひらめきや感性で茶の道具に見立てて使う、ということが多々あります。これもそのうちの1つですね。
(↓下)(ネットから画像拝借)
 
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お茶の道は、ただお稽古に通うだけでなく、そこから広がった世界に興味を持ち、コツコツと学んでいかなければなりません。
試験のように一夜漬けで何かを学ぶことはなく、教えてもらったこと、自分で発見したことを、地道に積み上げていくしかありません。そして、知ったことで満足せず、それらを使って実践に活かせる「知」に育てていきたいのです。
時代とともに、消えてゆくものがあることは常ですが、それもまだまだ茶の湯や工芸の世界では名残を見ることができ、出会えばまた新たな「知」となって、現代人の心に新鮮に息づいてゆきます。
「温故知新」(おんこ・ちしん)
”故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知る” とは、そうゆうことだと思っています。
 
 
 
*=== <おまけ> ===*
 
タイムリーですが、今日(6/24)たまたま見つけた新聞記事ですイヒ
 
★【ネパール地震復興を「蛇籠」(じゃかご)で支援:高知県梼原町と高知大学】

https://www.kochinews.co.jp/article/107739/

 

高知県高岡郡梼原町と高知大学が、防災や治水工事に使われる「蛇籠(じゃかご)」の技術を活用し、2015年に発生したネパール地震の復興を支援している。国際協力機構(JICA)による「草の根技術協力事業」の一環で、6月23日にはネパールから関係者5人が梼原町を訪れ、蛇籠の設置場所などを視察した。  蛇籠は、金属製の長方体の籠に石を詰めたものを斜面や河岸などに設置し、補強する土木工法。水はけが良く柔軟で粘り強いため、山間部の梼原町など全国各地に普及している。

 
(高知新聞の画像拝借)
 
 
 
 

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~大阪・心斎橋~

(裏千家: 西田 宗佳)

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