天国のチェルシーへ(1)
突然の病の発症で、本当にあっという間に虹の橋に旅立ったチェルシー、あれから2週間が経ちましたが、そちらの居心地はどうですか。お友達はできましたか、美味しいものをいっぱい食べていますか。おとうさんはじめ、家族みんなは、あれから悲しくて悲しくて、今なおチェルのことを思い出すたびに湧き出る涙をこらえきれません。今こうして手紙を書いている間も、涙がぽろぽろこぼれてきてなかなか文章が進みません。
12歳5か月弱、人間でいうと、64~67歳ぐらいらしいね。ちょっと初老の域にはいったとしても、まだまだ老け込むには早すぎる元気なおばあちゃんの歳だよね。チェルシー、もっと早く病気に気付いてあげられなくてごめんね、そして、病気を治してあげられなくて本当にごめんね。きっと、数年前から何か違和感はあって、頭が痛いときもあったんだろうね。でも、そんなそぶりをおとうさんも家族も、全然感じてあげられなかった。大好きなりんごやトマトやブロッコリーをねだる無垢な笑顔を見るにつけ、また、発症の数日前にも、大好きなケンタくんと遊びたくて、両前脚をぐっと伸ばして誘うそぶりを見るにつけ、チェルの頭をそんな忌まわしい腫瘍が浸食しているなんて、夢にも思わなかったよ。ネット上で獣医師さんが書いている情報では、脳腫瘍の初期症状として、 「精神的な変化、目の変化、首の傾きの変化、顔の筋肉の変化、姿勢や歩き方の変化」 なんかがあるらしいけど、今考えても、どれにも全然あてはめることができなかった。でも、動きがのんびりしてきた、とか、毎日、部屋でごろごろしている時間が長くなった、とか、散歩に連れ出してもすぐにリラックスして横たわってしまう、とか、みんな歳のせいにしてしまっていたことが、少なからず、その影響だったんだろうね。
チェルシー、この12年5か月、一緒にいてくれて本当にありがとうね。チェルがいなくなって二週間、常用薬と一緒に食べるお豆腐や茹でササミをねだるチェルシーがいないので、朝夕の食事がとっても寂しいよ。わんちゃんのおさんぽ仲間の皆さんに、「チェルちゃんはおりこうで、かわいくて、優雅でいいわね~」、なんて言われるたびに、おとうさんは、「全然そんなことないんですよ~」、なんて言っていたけど、本当は、「そうなんですよ~、とってもいい子なんですよ~」、と言いたくて言いたくてしょうがなかったんだよ。若いころは、どこに行くにもチェルと一緒で、いろんなとこに行って、いろんな体験をしたよね。そして、初老の域に入った最近は、また暑い夏がやってくるけど、今年はどうやって乗り切ろうか、なんて思案していたところだったんだよ。それなのに、チェルに、『行ってきます、のなでなで』をして出かけ、『ただいま、のなでなで』をして家に帰ってくる満ち足りた生活が、こんなに急に失われてしまうなんて、家族のだれも思っていなかったよ・・・。
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チェルシーは、4年ぐらい前から胆泥が胆嚢の殆どを占有していて、胆汁が詰まらないのが不思議なぐらいですねと言われていました。でも詰まったらすぐに処置すれば大丈夫です、黄色いオシッコがでたらすぐに来てください、と院長先生に言われていて、その覚悟はできていました。治療薬として、ウルソとスパカールを常用していました。同じ頃から、パッドを痒がって舐めるようになり、アトピー性皮膚炎という診断で、免疫抑制剤(シクロスポリン)も手放せませんでした。2年前からはコルチゾール検査で値が高いと言われていて、昨年末にとうとう値が30を超えてしまい、トリロスタンを服用することになりました。でも、こちらは、上手に薬を服用していけば、生命にかかわるようなことはなく、生涯過ごせますよ、とやはり院長先生に言われていました。その通り、直近では「 31 → 6 」まで下がって、他にも良い傾向が見られていました。
そんなこんなで、動物病院の常連だったチェルシーに、院長先生から、「かなり進行した脳腫瘍のようです」だなんて、にわかに信じることができませんでした。
6月4日(日)の2:00AMごろ、枕元で、チェルのドタッ、ドタッという、立ち上がりたいのに立ち上がれずに転ぶ音で起こされました。隔日でシクロスポリンを服用していて、飲んだ日は夜中にトイレに行きたくなるので今回もそのために立ち上がろうとしていたんだと思います。最近足腰が弱ってきてはいたのですが、同じ姿勢で寝ていて痺れているのかな、なんてあまり対して気にせず、そのときはちょっとお腹を支えてあげれば立ち上がれて、トイレも済ませ、そのあとは自分で歩いてまた枕元で眠りました。
3時間後の5:30AMごろ目を覚ますと、チェルシーはさっきと殆ど同じ格好で寝ていました。でも、胸元によだれのようなねっとりした液体がくっついていて、なんだか、ぐったりしているような感じがしました。声をかけても反応が弱いので、慌てて梅島動物病院の救急に連絡し、診察してもらうことになりました。
当番で駆けつけてくれたのは初めてお会いする後藤先生で、昨晩からの状況と、既往症を報告し、血液、レントゲン、超音波などのひととりの検査をしましたが、確定的な異常はみつかりませんでした。呼吸が早いということでとりあえず酸素室に入れてからほどなく、発作症状(遊泳運動とか)を起こしたとのこと。薬で抑えることができたようですが、脳に何らかの障害が起きている可能性があるので、脳圧を下げる点滴(グリセオール)をしました。夜間は誰もいなくなるということなので夕方まで入院して、その後一緒に自宅に戻りました。その夜中も、少し興奮状態になったので、病院の救急に連絡して、やはり初めてお会いする小田原先生に鎮静剤を注射してもらって家に戻りました。
翌日、朝から行ったCT検査で、「脳の前葉部に1cm~の孤立性の腫瘤」がみつかりました。検査の前に院長先生から、「小さい物だとCTではなかなか判別は難しく、今回もその可能性もあるので・・・」と言われていましたが、造影剤を入れたらしっかり腫瘤が写ったとのこと。今後の治療方針の選択肢、主に、緩和治療(化学療法を含む)、外科手術、放射線治療、を示され、持ち帰って熟慮してくださいとの指示でしたが、かなり大きな腫瘤でおそらく悪性であり、完治は難しいという感触でした。涙があふれてきて、こらえきれませんでした。
その日に、脳腫瘍関係の情報で役に立ちそうなものをネットで手当たり次第探しました。その中で、「ひめ、大好き!」という、コーギーちゃんのブログに記されていたひめちゃんの脳下垂体腺腫の闘病記が目に止まりました。
JARMeC(日本動物高度医療センター)という二子新地にある病院で、MRI検査からの迅速な放射線治療により、みるみる症状が回復する様子が綴られていました。「これしかないっ」と思い翌日、院長先生に相談に(紹介状を書いてもらいに)行きました。