皆様こんにちは
今回も茶花から、茶道や日本の文化
工芸を一緒に學んでいきたいと思います。
今回は【銀蘭ぎんらん】です。
黄色の金蘭に対し、白花を銀蘭としています。
日本原産の植物で北海道から九州まで広く分布し
明るい林内に自生しています。
蘭は現在ではラン科の植物をいい、
ひとつに数えられ着物や工芸の中に
その紋様は数多く見られます。
君子とは徳と学識、礼儀を備えた人を
表しています。
古くは蘭草・蘭花は
キク科のフジバカマの類を指していうことが多く、またラン、フジバカマを含め
広く香りのよい草を全体を「蘭」と
呼んでいたようです。
詞書 蘭(らに)をよめる
新古今和歌集 巻第三 秋歌上 339
新古今和歌集 巻第三 秋歌上 339
ふぢばかま ぬしはたれとも しら露の
こぼれてにほふ 野辺の秋風
公猷法師
◼️意味
藤袴よ。誰がぬぎかけたものか知らないが、
白露がこぼれるにつれてかぐわしく匂ってくる。
野辺の秋風に。
このように詞書は蘭(らに)ですが、
藤袴を詠んでいます。
また中国では「蘭草」が「藤袴」を
指しています。
これについては源氏物語や多くの和歌の
詠まれた平安時代でも
「藤袴」は古語として定着していましたが
「蘭らに」は未だ新語だった事も
理由の一つのようです。
最後に大化の時代から数えて248番目に、
はじめて国書由来である 万葉集から生まれた
「令和」の一節を紹介します。
初春の令月にして、
気淑く風和ぎ、
梅は鏡前の粉を披き、
蘭は珮後の香を薫す。
―万葉集「梅花の歌」―
この蘭は春蘭と考えられているようです。