ホルヘ・リナレス引退によせて | リングサイドで野次を聞いた ~独善的ボクシング論

リングサイドで野次を聞いた ~独善的ボクシング論

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ホルヘ・リナレスが引退を表明しました。

キャリア最終で4連敗、いい引き際になったと思います。

長身、痩せぎすの体型、頭が小さくて手足が長い理想的なボクサー体型にスタイリッシュでかつ破壊的なコンビネーション、その基本に忠実な華麗なボクシングがキャリア初期の頃に後楽園で日常的に観れた時代があったのは僥倖でもありました。

フェザー級の世界王座をラスベガスで奪取したとき、ラリオス戦をエキサイトマッチで放映したときは浜田さんが感無量の表情を見せてたのも忘れられません。当時の帝拳は86年に浜田さん自身が世界王者になって以降、一人も王者が生まれてない時代だったわけですし。

 

 

リナレス自身の転機になったのはやはり2009年10月10日のファン・カルロス・サルガドとの1戦でしょうか。あの試合は試合前までがリナレスの海外凱旋防衛戦の意味合いが強く、日本に新たなスターが誕生するという雰囲気が漂ってました。それだけにあの負け方は・・・当時の関係者の弁からは負けるべくして負けたという意見もありましたが、それでも負け方が良くなかった。

あの試合以降に打たれ脆さという弱点がクローズアップされてしまった気がします。フェザーまでは問題にならなかったのに。

 

 

そしてライト級でも一度はデマルコとの決定戦に敗れ、トンプソンにKOされるなど苦渋を舐めさせられながらも決定戦で戴冠。3階級制覇を達成しましたが、やはり3階級とも決定戦での戴冠には引っかかるものを感じました。正王者からの奪取はのちのアンソニー・クローラからだけでしたし・・・

ルーク・キャンベルの挑戦を退け、後にロマチェンコ戦まで辿り着き、ロマチェンコから右ストレートでダウンを奪ったのはリナレスのキャリア後半のハイライトとも言えたでしょう。

ヘイニーとも戦ったし、やるべきことはやり尽くしたというキャリアだった様に思います。今後は弟のカルロスともども日本のボクシングに何らかの形で携わって欲しいですね。

ともあれお疲れ様でした!