当初は最安値のチケットを当日券で購入して行こうかなと思ってたのですが、観戦仲間の太陽と海さん経由で招待券をゲットしたので有難くそれで行ってきました。
平日の辺境の地にどれだけのお客さんが集まるのか不安もありましたが、結構、タダ券が出回ってたらしく、第一試合でガラガラの場内もメイン前にはアリーナが満員、スタンドの3階席は閉鎖してたものの、2階席も程よく埋まって見た目の格好はついたのかな。
さて平日の夕方という時間帯でガラガラの場内でいきなりタイトルマッチが始まります。
1.WBO-AP・Sウエルター級選手権
※井上岳志(ワールドスポーツ)vsティーラナン・マートサーリー(タイ)
ガラガラの会場でタイトルマッチといえば90年代にタイソンの無冠戦の前座に出てたリカルド・ロペスの扱いを思い出す。
序盤から左を放ち、ペースを掴む井上。時に右ストレートも交えながらボディをよく攻める。
ティーラナンも柔軟な動きで何とかしのいでいたものの5回にワンツーで1度目、ボディで2度目のダウン奪取。ここは凌がれたものの、続く6回に右で3度ダウンを追加してフィニッシュ。
井上が6R2:02TKO勝ち。
2度目の王座防衛の井上は24戦20勝(12KO)2敗2分。
ティーラナンは30戦27勝(7KO)3敗。
2.フェザー級8回戦
※藤田健児(帝拳)vsジョー・サンティシマ(比国)
5月に堤を相手に12R戦ったサンティシマに藤田がどう戦ってアピールするかが問われた1戦。
サウスポー藤田の左フックがサンティシマの頭部を捕らえて初回終了間際にダウンを奪う。
2R以降も藤田が前後左右への多彩な出入りから連打を集めていく展開が続く。まるでロマチェンコを意識してるかの様。
4Rniサンティシマも大きなパンチで反撃すると大量に動員されてるフィリピンの同胞からの歓声があがる。6Rは脚を止めて真っ向からの打ち合いを展開する両者。しかし、この後は藤田がペースを握ってそのまま終了。
採点は78-73、79-72×2の3-0で藤田勝利。
藤田は5戦5勝(3KO)、サンティシマは29戦22勝(19KO)7敗。
3.フライ級8回戦
※石澤開(MT)vsビンス・バラス(フィリピン)
マイクロタイソンの異名を取る石澤がフライ級転級して注目の1戦。
序盤からバラスがペースを握る。長いリーチを利しての左ジャブ、そこから絶え間なく連打が打ち込まれていく。一方の石澤はガードを固めて前進し、力を込めてパンチを振るっていくがどうしても数が少なく、後手に回る印象。4R終了後に後ろの観客は「バラスのフルマークだな。」同感。
中盤以降、石澤も手を出していく、脚を止めての打ち合いに持ち込もうとするがバラスの巧みなクリンチに絡めとられて、どうにもペースを掴めない。そのままバラス優勢で8R終了。
採点は78-74、77-75で二人がバラス、あと一人は77-75石澤だがこれは場内どよめき。忖度判定じゃないのか?
ラウンドガールに抱き着いて満面の笑みを浮かべるバラスに歓声があがる。
勝者バラスは23戦20勝(15KO)3敗、石澤は14戦11勝10KO)3敗。
4.バンタム級8回戦
※サウル・サンチェス(米国)vsRV・デニエガ(比国)
ガッチリした体躯でガードを固めながらサンチェスが終始、圧力をかけ続ける展開。1Rにはデニエガの左がカウンターとして炸裂し、場内がどよめくシーンもあったが、見せ場はこれ位。
コーナー際でサンチェスがデニエガを釘付けにして攻め立ててデニエガがこれを凌ぐのに手一杯で終了。判定は78-74、79-73×2で3-0でサンチェス。
サンチェスは22戦20勝(12KO)2敗、初黒星のデニエガは10戦9勝(6KO)1敗。
サンティシマやバラスの試合で大騒ぎだったフィリピン人コーナーがこの試合だけは何故か静かでした(笑)
この後、teeというアーティストが出て来て短めのライブを披露。伊藤プロデューサーの挨拶と続く。
休憩中に来場してた平本蓮や木村フィリップ・ミノルがモニターに映ると大歓声。木村はステロイド云々を別にしてもボクシング界に砂かけていったのでブーイングが上がっても良かったのですが、観客は優しかったです。近くにいた小学生も「ステロイドのミノルだよ!」とある意味、有名人・・・
5.OPBFバンタム級選手権
※栗原慶太(一力)vsフローイラン・サルダール(比国)
正直、栗原の防衛は堅いと思ってました。サルダールは数多の日本人と激闘を展開してるがイマイチ勝ち切れてないので善戦はするが栗原の強打に捕まってしまうのではないかと。
しかし、ボクシングはやってみるまでわからない。
開始早々、右のクロスを狙ってく栗原だが様子見なのか、何か力無い感じ、サルダールが右を返すとこれがモロに効いてしまう。
連打を浴びて栗原ダウン、辛うじて起き上がったあとに右をカウンターで狙うところに右を合わされて2度目のダウン。
最後は連打を浴びて3度目のダウンと同時にタオルが舞い、同時にレフェリーがストップするまさかの結末。
1R、1分ジャスト。サルダールが戦慄のTKO勝ちで戴冠!
新王者サルダールは42戦34勝(24KO)7敗1分。
初防衛失敗の栗原は26戦17勝(15KO)8敗。今後を考えると厳しい結果と内容になってしまったか。
6.Sバンタム級10回戦
※小國以載(角海老宝石)vsジョンリル・カシメロ(比国)
お目当てのカシメロ登場。小國は2022年5月以来なので約1年5ヶ月ぶりの試合なのでブランクを危惧する声もあった。
自分のジムを既に持っている小國だが角海老宝石所属でコールされており、角海老勢との絆も深い。ボクシング引退してK1へ再転向した藤本京太郎が立ち上がって激を飛ばす。
リング上で対峙するとカシメロがやや小さい。もともとはライトフライ上がりなので小國が体格差を利したボクシングが出来るのかも注目してた。
1Rからカシメロが身体ごと叩きつける様な左右フックを振るって飛び込んでくる。これを何とか凌いだ小國がラウンド終盤に右ストレートを当てて場内湧かせる。
2Rもカシメロの突進に手を焼く小國だがパンチの的中率も高まってきた様に見える。まだまだカシメロの勢いも落ちない。
3Rには小國はボディを交えて攻勢。カシメロは休んでスタミナを回復させて攻め返す様に見える。
そして4R。小國が巻き返してきたし「行けんじゃね?」と会場のファンが期待してたが、早々に両者の頭が激突し、小國が出血。おいおい前戦の栗原戦と同じになるのかよと思ってた通りに試合ストップ。4R終了してないので負傷引き分け。ドローに。
タイムは4R0:27
小國は26戦21勝(8KO)2敗3分。2試合続けて負傷引き分け。カシメロは38戦33勝(22KO)4敗1分。
時間は短かったし、結果は不本意でしたがメインは激闘でした。
小國がブランクを感じさせなかったのも今後に期待を抱かせますが、カシメロは試合の出来ムラも相変わらず大きいし、井上尚弥の相手としては物足りないかな。
大会自体は結構、良かったし、試合は面白かったけど、有明アリーナは有明コロシアムよりも立地的に不便過ぎる。やはり昔みたいに日本武道館や両国国技館などを中心に大会を開催して欲しいなあ・・・と思ったので次は11月15日の両国国技館に行きます。