生活保護を受給している入居者さん その②つづき | 不動産投資をとことん楽しむ♪

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前回に引き続き、生活保護受給者のSさん のお話です。



保証会社から、突然、何の前触れもなく届いた1通のFAX…

  「Sさん  施設に緊急入所となった為、

     契約を強制解除しました。

    契約は、6月末日で終了となります」


そのFAXの1週間前に、マンションの管理人さんと話をしていたとき、

「そう言えばSさん、最近見ないなあ 入院でもしてるのかな」

と言っていましたが、普段から良く入院するSさん。


あまり深く考えていませんでしたが、まさか突然退居とは!



早速、FAXを送信してきた保証会社へ電話。




私:「Sさんですが、突然の強制解除、びっくりしたのですが、何があったのです     

   か?」


担当者:「ああ、Sさんですね。 認知症がひどくなりすぎて、ヘルパーさんの補

     助だけでは独居が難しくなったので、急遽施設に入所したんですよ」


担当者:「家賃の保証は、6月いっぱいしかできません。

     来月10日に振込が最終となります」


             

        と、悪い人ではなさそうだけど、淡々とした内容。



私:「こちらへの債務が残っていますが、回収できそうでしょうか?」


担当者:「いやあー、部屋を出て行かれる時に、僕が業者を手配して荷物を処

      分したのですが、その費用を頂くだけでもカツカツでしたよ。

      厳しいと思いますよ」

      「退去後の債務はうちは保証できないので、すみませんね」

    


生活保護者であっても、契約した支払いを行わないのはおかしいよね…



まずは、保証会社の担当の方に、市役所の担当者の名前を聞き、

そのまま、1時間位バイクに乗って、管轄の役所の生活保護課へ。



ちょっとドキドキします(^_^;)




生活保護課………

窓口の前に、数人の人が待っていました。



私:「すみません、〇〇さんいらっしゃいますでしょうか?」

窓口の人は、とても不思議そうな顔。

呼んできてくれました。



出来てたのはなかなかのさわやかなイケメンのお兄さん♪

Sさんの生活保護担当者です。


私:「Sさんが住んでおられたマンションのオーナーです」

担当者:「あー、はいはい。」


私:「実は、これとあれと…(原状回復費用など)13万程のお支払頂かないとい 

   けないのですが」

   明細と、賃貸借契約書も見せました。


担当者;「では、入所している施設はお教えできないのですが、

     施設の方に僕から電話をして、連絡先を教えてもよいか、

     もしくは、施設から電話をしてもらえないか、聞いてみますね。

     後程、お電話致します」

     「退去後の費用は、保護からは1円も出ないんですよ」


との事。

思ったよりも前向きなお返事。


ついでですので、名刺を渡して、生活保護課にも

Sさんのお部屋の営業をしておきました^^;




3時間程経過して、生活保護課から電話がかかってきました。


先ほどの担当者:

  「電話しました。入所している所長とも話をしたのですが、

   生活保護と言う事もあり、入所の生活費だけでもギリギリで、

   そっとしておいてもらえませんか、と言われたんです。


→そっとしておいてもらえませんか… って、すごく上手な言い方だけど、

   結局は、請求して来ないでください、って事だよね)



   僕もけっこう粘って言ったのですが、後は、本人が返す意思表示を示すか  

   どうかですが、何ぶん、ひどい認知症ですのでね。」



担当者さんも良くやってくれと思います。

Sさんのカギを受け取り、再び保証会社へ電話。


事情を話すと…

担当者:「実はね、僕、Sさんの入所した施設、知っているんですよ。

      役所の人が施設の名前をチラッと言ったので、ネットで調べたんで

      す」


 →何と、Sさんの入所している施設の名前と住所を教えてくれました。

  しかし、自宅から約50kmも離れた場所です



その後、私に出来る事は、何なんだろう……、と考えました。


①Sさんの所へ行って、施設の相談員と本人に会って、催促する


②簡易訴訟を起こして、判決を得て請求する


③支払わなければ、強制執行を決行する



①は、一番回収できる可能性の高い方法です。

でも、施設側は「そっとしておいて下さい=来ないでください」

本人は、保護が必要なレベルの認知症。

後見人も付いていないし、本気でぶつかれば可能性は0ではないけれど、

人としてやりたくない。


②は、訴訟を起こせば、支払い命令の判決は出るでしょう。

でも、Sさんには何の貯金もありません


③は、生活保護者でなければ有効なのですが、Sさんは生活保護受給者。

受給されたお金に強制執行はかける事はできません



そうこう考えている内に、浮かんできたのは、Sさんの顔。

いつ会ってもにこやかで、穏やかに話をしてくれます。



Sさんが、これから先、少しでも、

出来るだけ、良い生活を送ってくれるのが一番だよね!




少しでも保護費が余ったら、ちょっとしたおやつや、Sさんの好きな物を買って欲しいな。 と思い、施設の方の言葉通り、

     そっとしておく 事にしました。



Sさん 元気で過ごしてね!



最後に、保護受給者は高い家賃は取れますが、退居の際の費用は取る事が厳しい場合が多いです。(保証会社を利用する方法もありますが)



その分を含めての高い家賃なんだろうな。と捉える様にしています。