スイスフラン防衛に見る、中央銀行の政策失敗の代償! | 『異端公務員☆倶楽部』の逆襲 〜本当に役に立つ役人は「異端児」呼ばわりされる!〜

『異端公務員☆倶楽部』の逆襲 〜本当に役に立つ役人は「異端児」呼ばわりされる!〜

公務員でありながらタックスヘイブン香港に投資する、世志(よっしー)が、単にお金を稼ぎたいとか、欲のためではなく、「愛する家族の幸せのために」投資する仲間と共に、海外投資を学び、2018年にハワイ発の豪華客船クルーズに乗船することを目指す

スイスという国は
通貨ユーロを使わずに
独立通貨スイスフラン(CHF)を有している。

CHFの特徴として
有事の際には
その中立的立場ゆえに
安全通貨であるCHF買いが行われる傾向がある。

そして
このCHFのもう1つの特徴として

スイス国立銀行(中央銀行)が
2011年9月6日に定めた

「CHFの対ユーロレートの下限を
1ユーロ=1.2000CHFとする」


という防衛ラインがある!




これは各国が金融緩和を競っていた際に
スイス企業の輸出支援のために設定されたもので

1.2000CHFを割り込みそうになると
スイスは無制限に市場介入を行うと

発表しており、

実際に
何度も介入を行われているし

FXの世界では有名な取引手法として
1.2000CHF近くで買いを入れると
いつか介入で儲かると言われていた。



◎国は万能じゃない!!

し・か・し!

ついに来るべき日が来てしまった。

スイス国立銀行は3年4ヶ月にわたり続けてきた
CHFとユーロの為替防衛ラインを撤廃すると
2015年1月15日に発表したのだ!

それを受けて
EUR/CHFは一気に0.7CHFまで低下し
数日間は乱高下を繰り替えしている。

このため
閉鎖に追い込まれたFX業者もいるとか。。。



だけど
一番大きな損失を抱えているのは
間違いなくスイス国立銀行だろう!

だって
介入し続けたために保有しているユーロに
毎年数兆円単位の含み損が生じていたからだ。

しかも
これからもEUは景気が回復しないために

ユーロ安は継続するので
ますます含み損は増えるしかない・・・。

出口の見えない
不良債権を抱え続けていたかつての邦銀と
同じ状態に陥っているのが
スイス国立銀行なのだ。




とどのつまり
この事件は「スイス国立銀行が市場の圧力に負けた」
ということなのであって

現実的には

「中央銀行の資金には限界があるし、
無制限の為替介入などできないということの証明」


だと言えるだろう。

国も万能ではないだ!


~次回につづく~