長期金利が急ピッチで上昇している。10日に正式決定する政府の追加経済対策で国債増発が見込まれ、9日の債券市場で代表的指標の新発10年国債利回りは、一時約5カ月ぶりの高水準をつけた


長期金利の高騰は、住宅ローン金利や企業の資金調達コストの上昇を招き、「景気を下押ししかねない」(エコノミスト)との懸念も広がる。

9日の新発10年債利回りは、一時1.480%まで上昇し、終値は前日より0.020ポイント高い1.475%で、昨年11月中旬以来の高い水準をつけた

米信用情報大手エクイファクスによると、2月はローンを組んだ住宅保有者のうち7%の支払いが少なくとも30日遅れた

サブプライムローンを組んだ住宅保有者の場合、支払いが少なくとも30日遅延したのは39.8%で、前年の23.7%から上昇した

幹部によると、住宅ローン支払い延滞率の上昇の継続は、住宅差し押さえ件数の増加や住宅価格の下落の可能性を示唆している。住宅保有者が債務不履行に陥り、銀行が差し押さえた住宅を大幅な割り引きで販売することが背景にある

野菜や果物を、室内で安定的に栽培する「野菜工場」の普及に、政府が本格的に乗り出す。

工場建設費の低利融資や設備投資減税などを行い、今後3年間で工場数を約4倍150か所、生産量を約5倍に引き上げることを目指す。政府・与党が取りまとめる追加の景気対策に盛り込む

野菜工場は、内部を外気から遮断し、空調で温度や湿度を一定に保ち、植物の生育に必要な光や水、二酸化炭素のほか、温度や栄養分などはコンピューター管理する


品質や形を均一にしやすく、害虫の混入も防げるため農薬も使わずに済む。すでに大手食品メーカーなどが全国で約40施設を稼働させている


品目はレタスやトマト、イチゴなど約10品目で、レタスは年20回の連作が可能だという。野菜工場の設置場所は、工場跡地や耕作放棄地、商店街の空き店舗などを想定している。だが、大規模な野菜工場の建設費は十数億円に達する上、農業と工場を組み合わせる野菜工場は、立地規制があいまいな面もあるため、政府は法整備を進める

空調コストなどから、野菜などの店頭価格は通常よりも2~3割高くなる欠点を解消するため、野菜工場の省エネルギー技術化を支援するなどし、生産コストを今後3年間で約3割減らす目標も掲げている

大阪府立大学とシャープは、共同研究を推進するため、「包括的連携に関する協定」を結んだと発表


シャープなどが液晶パネルなどの先端工場を核に建設している堺コンビナート内に、今秋にも大阪府立大がエコロジー研究所の学外拠点を設置する予定


両者の第一弾の研究テーマは「廃棄物の再資源化」と「植物栽培」


コンビナート内で出た廃棄物を再資源化する技術の研究のほか、LED(発光ダイオード)照明や廃熱、排出二酸化炭素を利用した植物の栽培研究にも取り組む計画

住友金属鉱山は2009年度上期の銅地金の生産量を前年比で約2割増やすと発表。国内需要は減少しているが、中国向けが前年比2倍前後で推移しており、生産量を下支えする


全生産量の半分程度を需要が回復しつつある中国への輸出に振り向ける

総務省が31日発表した労働力調査によると、2月の完全失業率(季節調整値)は4.4%と前月に比べ0.3%ポイント悪化し、06年1月(4.4%)以来の高水準を記録した

就業者数は前年比27万人減の6265万人となり、13カ月連続で減少。このうち、休業者は前年比19万人増、雇用者数は同2万人増となった

一方、完全失業者数は前年比33万人増の299万人と4カ月連続で増加し、05年10月(304万人)以来の高水準となった。求職理由別では「勤め先の都合」が前年比33万人増の94万人となり、増加幅は現行統計が始まって以来最大となった

厚生労働省は31日、企業が事業縮小などで休業などを行った際、休業手当に国が補助する雇用調整助成金の2月の利用状況(速報)を公表した


利用企業、休業の対象者とも前月の倍以上となった

利用事業所数は3万621所(前月比1万7981件増)で、対象者は186万5792人(同98万6178人増)。都道府県別では愛知県(41万5710人)、静岡県(13万8422人)が突出して多く、神奈川県、大阪府など中小企業も含めた製造業の集積地での活用が目立った

利用拡大で財源も必要となるが、舛添要一厚労相は「186万人が対象となったのは驚くべき数字。そのままだとクビを切られていたかもしれない。財源はどんなことがあっても縮小はさせない」と話した

ノーベル経済学賞受賞者で、金融危機の再発防止に向けた国連の専門家パネルを率いるジョセフ・スティグリッツ米コロンビア大学教授は26日、中国が提案した国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)を準備通貨とする新たなシステムについて早ければ1年以内にも段階的に導入することが可能との見方を示した。


教授は記者会見で、SDRがドルに代わる主要準備通貨となり得る時期について質問を受け、「向こう1年以内にも段階的な導入を始めることが可能だ」と回答。その上で「現実的には、それほど急速に進むとは思わない」と述べた。

米商務省が27日発表した2月の個人消費支出は、季節調整済み年換算で前月比0.2%増9兆9427億ドルと、2カ月連続の増加となった。1月の増加率は当初発表の0.6%から1.0%に上方修正された

一方、2月の個人貯蓄率は4.2%。前月の4.4%に続き、高水準を維持した

中国による消費刺激策の柱は、農民がカラーテレビや冷蔵庫、洗濯機、携帯電話を購入する際に政府が販売価格の13%を補助するという枠組み


山東、河南、四川の三省で先行導入し、2月から全国に拡大。対象商品も3月からパソコンが加わった


家電大手のハイアールはパソコンの制度導入と同時に農村部への出荷を本格化。4月からは出荷規模の拡大を計画する。同社の家電製品は売上が急伸しており、パソコンも年内販売数量は前年比2倍約400万台を見込む


先行導入されたテレビや洗濯機では、導入1年で延べ350万人が補助金制度を利用した。家電大手のTCL集団は1月までに対象のカラーテレビを60万台販売し、家電製品の販売数量は前年比4割増。TCLや四川長虹集団など中国の大手家電メーカーは相次いで増産体制に入っている


制度開始から5年間で9200億元(12兆8800億円)の消費創出効果を生むという見通しもある