来月ロンドンで開かれる20カ国・地域(G20)金融サミット(首脳会合)を控え、外貨準備で大量のドル資産を保有する中国が、基軸通貨ドルに代わる国際準備通貨の創設構想を提唱し、オバマ政権に揺さぶりをかけている。


金融危機下で膨らむドル不信が背景にあり、25日にはガイトナー財務長官が提案に理解を示す発言をしたため、ドルが円やユーロに対し一時急落する事態となった。

中国人民銀行の周小川総裁が24日、ドルに代わる国際準備通貨として、国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)の活用を提唱。ロシアもG20で議論するよう提案した。

SDRは国際準備資産として1969年に導入され、変動相場制移行後は役割が縮小、現在は主に国際機関の計算単位として使われ、価値は主要通貨のバスケットで決められている。オバマ大統領はドル基軸体制堅持の姿勢を示しているが、25日にはガイトナー財務長官がニューヨークでの講演で「提案にわれわれはオープンだ」と発言した。

市場は「通貨体制見直しを容認」と受け止め、1ドル=98円前後で推移していたドル相場は一気に96円93銭まで急落。長官が「ドルは圧倒的な準備通貨」と言い直したことで、97円台まで買い戻されたが、米国が同構想に神経をとがらせていることを露呈した。

トヨタ自動車の渡辺捷昭社長は26日の新車発表会で、調整を続けている国内生産は5月から1日当たり1万台に回復し、6-7月も同水準を維持していく考えを明らかにした。5月以降は工場の休止日を設けずに済みそうだという。

4月までの大幅減産で在庫調整が進むとみているため。ただ、「生産は市場との綱引き」とも述べ、需要の動向次第で生産レベルが再び落ち込む可能性を示した。

需要については「底打ちの時期が見えない」と発言。国内市場は4月から始まる環境対応車への優遇税制などの効果で「後半は少しずつ回復することを期待している」と語った。最大市場の米国は、3月の新車需要が現時点で2月以下の水準で推移していることを明らかにした。

ここにきて中国に関して明るい材料が増えており、対中輸出はボトムアウトから改善が期待できるとの見方が出始めている。たとえば、国内自動車メーカー8社が24日発表した2月の生産・輸出実績では、中国の好調が目を引いた。


ホンダの生産台数は2月としては最低となりながら、中国は前年比5.7%増で同月としては過去最高の生産を記録。日産自動車も同47.9%と高い伸びとなった。トヨタは不振だったが、総じてみると、日本を含む世界全体で苦戦する国内自動車メーカーは中国に限ってみると健闘している。

また、コマツの中国向け建機は昨年8-9月から少しずつ落ち始め、一時は約3割のマイナスを記録していたが、民間工事の不振を公共事業がカバーする形で1月から上向く。同社の野路國夫社長はロイターとのインタビューで「足元の中国は建機販売が非常に好調だ。1-3月期の中国向け販売は過去最高だった前年同期と同じペースで推移している」と語っていた。

米労働省は18日、2月の消費者物価指数が212.193となり、季節調整後で前月比0.4%上昇したと発表した


ガソリン価格の上昇などを受け、2カ月連続のプラス。昨年7月以来、7カ月ぶりの高い伸びを示した。前年同月比では0.2%の上昇

また、連邦準備制度理事会(FRB)が注目している変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数は前月比0.2%、前年同月比では1.8%いずれも上昇した

米商務省が17日発表した2月の住宅着工件数は、季節調整後の年換算で前月比22.2%増の58万3000戸と大幅に増加し、08年6月以来8カ月ぶりにプラスに転じた


90年1月以来約19年ぶりの大幅な増加率で、市場予想平均(45万戸)も大幅に上回り、金融危機の病根とされてきた住宅市況の低迷に回復の兆しが出てきたのではないかと期待する声も出ている

ただ、前年同月(110万7000戸)比では47.3%減だった

全体の8割を占める主力の一戸建て住宅が前月比1.1%増35万7000戸だった。先行指標となる住宅着工許可件数も3.0%増54万7000戸8カ月ぶりに増加に転じた。地域別では、最大市場の南部が30.2%増、北東部が88.6%増、中西部も58.5%増だった一方、西部は24.6%減だった。

ただ、月間の失職者数が約65万人に達するなど雇用情勢は厳しさを増しており、今回の増加も「一時的な反動に過ぎない」(米エコノミスト)などと慎重な見方もある。

米国のクレジットカード利用者によるデフォルトが、今年2月に少なくとも20年ぶりの高水準に達した。アメリカン・ エキスプレスとシティグループが特に大きな損失を被った


アメックスの2月のクレジットカード純貸倒償却率は8.70%と、1月の8.30%から上昇。クレディ・スイスのアナリスト、モシェ・オレンブッチ氏によると、アメックスの純貸倒償却率は予測より10ベーシスポイント高かった


マスターカード発行大手のシティグループのクレジットカードデフォルト率は9.33%と、前月の6.95%から急上昇した


ビザカード発行大手のJPモルガン・チェースのクレジットカード純貸倒償却率は6.35%と、前月の5.94%から上昇した


ただ、クレディ・スイスのオレンブッチ氏によると、同社の1-2月の純貸倒償却率は2008年第4・四半期平均比126bp上昇と、予測の145bpの上昇を下回った


地銀のキャピタル・ワン・フィナンシャルの2月のデフォルト率は8.06%と、1月の7.82%から上昇した

米抵当銀行協会によると、10-12月期の住宅ローンの延滞率(季節調整値)は7.88%、担保不動産の差し押さえ率は3.30%


返済負担が重い変動金利型のサブプライムローンは、延滞率が24.22%、差し押さえ率が22.18%


当初設定の金利から一定期間後に割高な金利に移行する「リセット」と呼ばれる融資条件の見直しに伴い、住宅ローンの焦げ付きはさらに増える公算が大きい


変動金利型サブプライムローンはリセットのヤマ場を超えたとされるが、それでも約3割はまだリセットの時期を迎えていない

自民・公明の与党新雇用対策プロジェクトチームは、事業の縮小などで従業員を休業させる際、賃金の一部を政府が支援する「雇用調整助成金」の拡充策について協議し、金融機関に対して助成金の支給申請から支給までの資金融通を円滑化するよう協力を求めることで一致した

雇用調整助成金の申請件数は1月に1万2640事業所で、対象労働者が約88万人に達した


急増する申請にハローワークの人員が対応できず、事業主から「時間がかかりすぎ」との不満が出ていた


申請から支給まで2~3カ月程度かかり、与党PTではその間の資金繰り支援を金融機関に要請することにした

ゴールデンウイークに向けた旅行商戦が本格化、今年は国内旅行で歴史人気の高まりを反映した商品が好調


海外旅行も円高に加え、燃油サーチャージの値下げにより需要は盛り返し傾向。今年GWの国内外ツアー販売は、不況下ながらも2年ぶりに昨年実績を上回るとの見方が広がっている

近畿日本ツーリストは、戦国武将の直江兼続が主人公のテレビドラマにちなんだツアー「天地人ゆかりの地を巡る旅」を5月に実施する。ドラマの主要舞台となる新潟、山形、福島の3種類の商品を用意したところ、問い合わせが相次いでいる。また、今月売り出した時代小説「鬼平犯科帳」にちなんだツアーには、発売6日間で定員160人を超える申し込みがあるなど順調。同社は「年配層に加え、女性の参加者が増えている」と話す

日本旅行も大河ドラマ効果で新潟方面が好調なほか、長野方面では12日までに前年比14%増。善光寺(長野市元善町)が7年ぶりに実施する「前立本尊御開帳」(4月5日~5月31日)に合わせた需要も大きい

一方、景気低迷で需要が落ち込んでいる海外も、円高や燃油サーチャージ値下げなどで予約が前年を上回っているところが多い


ANAセールスは、12日までのGW中の海外旅行予約が前年比9%増えた。なかでも円高・ウォン安の影響が大きい韓国行きは2倍となり、「全体を牽引している」。欧州もサーチャージの大幅引き下げなどで6%増と堅調。中国は昨年5月の四川大地震以来、低迷していたが、企画商品で平均15%の値下げを実施したほか、キャンペーン効果もあり4%減まで回復している

内閣府が発表した2月の消費者態度指数(一般世帯・原数値)は、前月比0.3ポイント上昇26.7となり、2カ月連続で改善した。1月は前月比0.2ポイント上昇26.4だった


内閣府は消費者マインドの基調判断を「依然として厳しいものの、このところ下げ止まりの動きもみられる」に上方修正した


上方修正は07年9月以来。内閣府は基調判断を1月まで15カ月連続で「悪化している」としていた 


消費者態度指数を構成する4項目のうち、「収入の増え方」が前月に比べて低下し、過去最低を更新する一方で、「耐久消費財の買い時判断」、「雇用環境」、「暮らし向き」が改善した