野菜や果物を、室内で安定的に栽培する「野菜工場」の普及に、政府が本格的に乗り出す。

工場建設費の低利融資や設備投資減税などを行い、今後3年間で工場数を約4倍150か所、生産量を約5倍に引き上げることを目指す。政府・与党が取りまとめる追加の景気対策に盛り込む

野菜工場は、内部を外気から遮断し、空調で温度や湿度を一定に保ち、植物の生育に必要な光や水、二酸化炭素のほか、温度や栄養分などはコンピューター管理する


品質や形を均一にしやすく、害虫の混入も防げるため農薬も使わずに済む。すでに大手食品メーカーなどが全国で約40施設を稼働させている


品目はレタスやトマト、イチゴなど約10品目で、レタスは年20回の連作が可能だという。野菜工場の設置場所は、工場跡地や耕作放棄地、商店街の空き店舗などを想定している。だが、大規模な野菜工場の建設費は十数億円に達する上、農業と工場を組み合わせる野菜工場は、立地規制があいまいな面もあるため、政府は法整備を進める

空調コストなどから、野菜などの店頭価格は通常よりも2~3割高くなる欠点を解消するため、野菜工場の省エネルギー技術化を支援するなどし、生産コストを今後3年間で約3割減らす目標も掲げている