2001年夫婦世界旅行のつづきです。パリ5日目。7月も下旬に入って、連日夏日です。曇っていても暑いです。暑くて狭いホテルの部屋で、今日もげんなりして目覚めました。
part160 イザベルとマリー
要約: パリのけだるい夏の一日がまた始まる。今日も朝からイザベルにいびられるマリーを目撃。
昨夜も蒸し暑くて、3時半まで眠れなかった。寝不足の重い頭を覚ますには、ホテルのモーニングコーヒーは余りに薄い……。
“黒人給仕ロボット” 、マリーは相変わらずだ。 「ぼんじゅーる」 と声をかけると、首も動かさず、銀色のお盆を掲げた腕をぴくりとも動かさず、表情を一切変えずに、 「ボ・ジュー」 と細く金属的な声を発した。おお、今日はかなり “人間の言葉” らしく聞こえた。
朝食を終えて部屋に一旦帰ろうとしていると、ロビーの隅で、またイザベル (注: 「亀裂姉さん」 こと、レセプショニスト) がマリーを捕まえて何やら冷たげにあしらっている。
マリーはやはり何の感情もないように眉一つ動かさず、ただイザベルのとげとげした文句が終わるまで、その場にじっと硬直していた。瞬きさえしていないんじゃないか?
イザベルの “お小言” が終わると、マリーは言われるままに奥へと姿を消した。
(それにしても、イザベルはマリーの何がそんなに気に食わないのだろうか……? マリーは一応仕事をこなしているように見えるのだが? あんな無反応なマリーでも、叱り付ければ何か改善が見られるのだろうか? 壁にマリーの等身大の絵を書いておいたら、本人と勘違いして、イザベルはその絵に向かってお小言を言い始めそうだ。)
おまけ:
(イザベルとマリーの様子を絵にしてみました。実際のマリーはもっともっとすらりとした感じなのですが、マウスでは上手く描けなくて……。でも夫に見せたら、 「亀裂姉さん」 ことイザベルはちょっとよく描き過ぎだが、マリーは 「そっくりだっ!」 と太鼓判をもらいました。^^)
つづく
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