☆彡♪ お知らせ ♪☆彡




私事ですが (……って、この日記はすべて私事なのだが)、あのメジャーな 「日経BP」 の 「セカンドステージ」 なるサイトが、 「大人のブログ探訪」 という蘭でこの7月12日、私のこのブログ 「中高年夫婦世界旅行―妻編」 を紹介してくださいました。毎日毎秒ごとに湧き現れる新しいブログの波に押し流され、私のブログの紹介欄も日々下段へ下がっていき、間もなく消えていくのでしょうが、今日明日ならまだ残っているかもしれません。すばらしい紹介文を頂いているので、よろしかったらご一読くださいませ。


http://nikkeibp.jp/style/secondstage/
       








さて、いつもの日記に戻ります。^^



2001年夫婦世界旅行のつづきです。昨日、ブリュッセルからパリへ移動してきました。7月20日の金曜日。晴れ、時々曇り。ようやく夏の暑さを感じ始めました。パリの2日目は、昨日行き当たりばったりで決めた1つ星ホテル、 “マッチョマン・ホテル” のバスルームから始まりまります。





part140 丸見えトイレ!





パリの2日目は朝からいいお天気だった。





マッチョマン・ホテル (本当の名前は、Hotel Bristol ☆ ホテル・ブリストル)  に朝食は付いていないので、慌てて早起きする必要もない。





寝心地の悪いベットの上でふと目覚めたものの、体が重い。昨日バックパックを抱えて動き回ったことが応(こた)えているようだ。やはり、 「移動」 はちょっと疲れるものだ。





目をぐるりと回さなくとも、ベットの上に寝ながらにして部屋の四方の壁が目に入る。なんとも狭い部屋である。ベットの周りは人が一人通るのがやっとというスペースしかない。こんな狭い部屋で寝ていても、よけい体が疲れる気がして、もう起きてしまうことにした。よっこらせ。あ、どっこいしょ。





カーテンの下りた薄暗い部屋から、寝ぼけまなこで狭いバスルームに入った。やけに明るいバスルーム。朝日は直接差し込まないのに、外は眩しいほどだ。今日はいいお天気なのだろう。 





……いや、いいお天気だ! そのことが、便器に腰掛けたまま、よくわかる! なぜわかっちゃうのか?





便器に腰掛け、左を向くと、手垢のついた透明なガラス窓越しに明るい空が見える。路地がよく見下ろせる。向いの建物もよく見える。もし真向いの窓に人が現れていたら、その顔の黒子(ほくろ)までくっきり見えたことだろう。





ぎょっとして床まで視線を落とすと、トイレのすぐ横のそれは 「窓」 というより、 「ほぼ全面ガラス張りの壁」 と言った方が適切かと思われる大きな窓になっており、便器のやや上の高さくらいまでは辛うじて 「擦りガラス」 になっているものの、それより上は、汚れてくすんではいても 「透明なガラス」 張りだ。外も 「見え見え」 なら、外からこちらも 「見え見え」 じゃないかっ! 





シャワールームはトイレより奥にあり、ビニールカーテンで覆われているが、トイレはもうガラスの真横にぴったり位置している。便座の高さまでは擦りガラスになっているとは言え、立ち上がれば、お尻まで丸見えだ。





そうとわかったからには、もう立ち上がれない。便座に腰掛け、愕然としたまま用を済ますと、中腰のまますりすり摺り足でバスルームから脱出したのであった。





昨日このトイレを使ったときは、既に外が暗かったから、この 「すけすけ窓」 に全く気がつかなかった。バスルームがあまりにも狭いので、服の着脱も面倒とばかり、すっぽんぽんでトイレに入っていたぞ! 外から丸見えだったじゃん? どっしぇ~っ。誰か見てたらどうしましょう? あら、いやだ。あいや~っ。こっぱずかすぃ~~~っ。うぎ~っ! 一人、羞恥の念に苦悶苦闘。……今さら恥かしがって、どうするって気もするが。





起きてきた夫に早速 「丸見えトイレ」 のことを報告した。「ううむ。ひどいな。これは隠れた瑕疵(かし)だね。」 とでも言ってくれるかと思ったら、 「ふぁ~あ。んー……大丈夫。下の方は擦りガラスだから、外からはそんなに見えないよ。大~丈~夫っ! 」 と、今日もやけにパリの肩を持つ。





「大丈夫」 じゃ、ありません。こんなすけすけ丸見えトイレでは、もう用は足せません! 





( 「知らぬが仏」 とはよく言ったものだ。何も知らないうちは、便器の汚さに文句を言いつつも、しゃーしゃーと利用していたのに……。 注: 「しゃーしゃーと」 とは擬態語であって、擬音語ではありませぬ。) 





こりゃ、なんとしても、宿替えをしなくては! 今日も宿探しだっ! 断然、宿探しだ! 





「宿探し」 に関しては夫に何の異存もなく、 ――夫は 「宿探し」 が大好きなのだ―― パリ2日目の 「お仕事」 は、パリ1日目同様、 「宿探し」と 「両替」 に決まった。





まずは、昨日探し切れなかった 「パンフレットの安宿」 (part138参照) を探してみることから始めた。





それは、ラファイエット通りを北へ行くと、あっさり見つかった。 (昨日はラファイエット通りにうまく入りそびれたのでわからなくなってしまったらしい。) 





かなり大きな 「ホステル」 である。いるわ、いるわ。バックパッカーが入り口にワンサと屯(たむろ)していた。活気もあって、感じのよいホステルだ。





昨日北駅でもらったパンフレットをレセプションで見せながら、ルームレートを確認する。パンフレットに書かれた値段は、1人99フラン (約1,700円) ! なんとお安い ♡ 





しかし、レセプションの若者は、悪びれた様子もなく言ってのけた。 「あ、それは冬の相場なんだ。」 何ですと? じゃ、「夏のレート」 は? ……1人150フラン (約2,600円) 以上はする? 2人で300フラン (約5,100円) 以上かかるじゃないか。これでは1つ星のマッチョマン・ホテルより高いじゃないかっ。話にならんぞ。





せっかくいい感じの宿ではあったが、やり方が汚い、値段が高い。即、却下。がっかりして出てきた。これでは、まだ回っていないもう2つほどあるパンフレットの宿も、当てにならない。





どれも 「冬値段」 で、客を引き寄せているのだね。この7月も下旬の頃に、 「冬値段」 のパンフレットを堂々と撒く……あぁ、せこい。Ah, c’est Paris (……あぁ、これが、パリ) !





帰り道、通りには数えきれないほどのホテルが立ち並んでいるので、めぼしい所の様子を窺ってみた。しかし、どこも300フラン (約5,200円) を少し切る位がいいところであった。どれもマッチョマン・ホテルと大差ない。





かくなる上は、観光情報局 () に行ってみよう。ベルギーではなかなかいいホテルを紹介してもらえたではないか。 (part123参照) 手数料は取られても、返ってああいうところの方が、穴場のホテルが見つかるのかもしれない。





ⓘ、ⓘ、ⓘ……。北駅から最も近いⓘは……と、ガイドブックで探す。ポンピドゥー芸術文化センター (Centre National d’Art et de Culture Georges Pompidou) のところに 「若者向けの安宿や交通情報を提供してくれるオフィス」 があると 『地球の歩き方』 に書いてあった。よし、まずここに行ってみよう。


            つづく


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