自死ゼロ・事故ゼロの世界を創るメンタルコーチ
安田伸也です。
「褒めて伸ばす」
この言葉を聞いたことがある人は多いでしょう。
教育や職場でよく使われる考え方ですよね。
「人は褒められるとやる気が出る!」
「褒められることで成長できる!」
そんなふうに信じている人もいるかもしれません。
でも、ちょっと考えてみてください。
本当に「褒める」ことは良いことばかりなのでしょうか?
実は、心理学者アドラーは「褒めること」を推奨していません。
むしろ、褒める行為には問題があると指摘しています。
なぜなら、褒めることは「上下関係」を作り出してしまうからなのです。
・褒めることの落とし穴
アドラー心理学では、人は上下関係ではなく「横の関係」でつながることで幸せを感じるとされています。
「共同体感覚」といって、誰もが対等な立場で協力し合うことが大切だと考えます。
ところが、「褒める」という行為は、どうしても上から下への評価になってしまうんですよね。
例えば、新入社員が社長に向かって、
「社長すごいですね!えらいえらい!立派なスピーチでしたよ!」
なんて言ったら、どう思われるでしょうか?
おそらく「バカにしてるのか?」と怒られてしまうかもしれません。
一方で、上司が部下に「よくやった!えらい!」と言うのは普通ですよね。
これは、「褒める」という行為が、無意識のうちに上下関係を生み出してしまっている証拠。
また、褒めることと罰することは表裏一体です。
上の立場の人が「褒める」ことができるのなら、「罰する」こともできるのです。
常に褒める側は、相手より上というポジションになります。
・「褒められないとやらない」人になってしまう
賞罰主義で育った子どもは、「評価されること」が基準になってしまいます。
「親に褒められることをしよう」
「先生に気に入られるようにしよう」
こうして、他人の評価を基準に行動するようになります。
一見、素直で良い子に見えますが、これが続くとどうなるでしょう?
やがて、 「褒められないことはやらない」 と考え始めます。
「誰も見ていないなら、頑張る必要はない」
「上司が評価してくれないなら、仕事のモチベーションが上がらない」
こんな状態になってしまうのです。
そして褒めない相手を恨み始めます。
さらに、自分の判断基準が「他人の評価」に依存してしまうため、 自分の軸で生きることができなくなる という問題も生まれます。
・本当に大切なのは「自分を認めること」
では、「褒める」以外に人を伸ばす方法はないのでしょうか?
アドラー心理学では、 「勇気づける」 ことが大切だとされています。
例えば、職場で同僚が頑張っているとき、
✔「すごいね!」ではなく「努力したんだね!」
✔「えらいね!」ではなく「助かったよ、ありがとう!」
こういう言葉の方が、お互いを尊重し合える関係を築くのです。
そして、もっとも大事なのは 「自分自身を認めること」 。
職場では「お疲れさま」と声をかけ合うことがありますよね。
でも、自分自身に「お疲れさま」と言っていますか?
日本では「自分に厳しく、他人に優しく」と教えられることが多いですが、それが行き過ぎると「自分をないがしろにする」ことになってしまいます。
「甘やかすのは良くない」と思うかもしれません。
でも、どこまでが甘やかしで、どこからが自己肯定なのか、明確な基準を持っていますか?
わたしは、 「やるべきことを気持ちよく『よし、やるか!』と思えるかどうか」 で判断しています。
もし、それができないなら、心や体が疲れている証拠。
そんなときは、自分にご褒美をあげたり、休養をとることが大切です。
・自分を「褒める」ことは大切!
「褒める」ことは他人に対しては上下関係を生み出してしまいますが、 自分自身に対してはどんどん褒めていいんです。
✔「今日も頑張ったね!」
✔「しんどかったけど、やり切った自分、偉い!」
✔「よし、ご褒美に美味しいスイーツ食べちゃおう!」
こんなふうに、自分を労ってあげることは、 メンタルケアの基本 でもあります。
実際、私も3月にフル稼働していて、ある日、仕事をするのが辛くなったことがありました。
「休んじゃおうかな…」と思うほどグッタリしていましたが、瞑想して気持ちを整え、楽しいことをイメージして、なんとか立ちなよりました。
そして帰ってきてから、思いっきり自分を褒めてあげました。
自分を褒めることで気分が良くなり、「また頑張ろう」と思えるんですよね。
さらに、 自分を褒めることは、客観的に自分を見つめることにもつながります。
自分の頑張りを認めることで、まるで親友のように自分を大切に扱えるようになるのです。
・「褒めて伸ばす」は他人ではなく、自分に対して使おう
「自分を甘やかしすぎるのでは?」と思うかもしれません。
でも、心優しいあなたなら大丈夫。むしろ、 もっと自分を大切にしてあげるべきです。
「褒めて伸ばす」は、 他人ではなく、自分にしてあげるもの。
✔ 自分を認めることで、自分の軸ができる
✔ 自分を労うことで、気持ちよく行動できる
✔ 自分が満たされることで、周りの人にも感謝できる
これこそが、 本当に大切な「褒める力」 ではないでしょうか?
ぜひ、今日から自分自身に「お疲れさま!」「頑張ったね!」と声をかけてあげてくださいね。
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