自死ゼロ・事故ゼロの世界を創るメンタルコーチ
安田伸也です。
うつ状態の方と関わる間にこんなことに気がつきました。
「うつを治すモノではなく。忘れるモノ」
一見すると禅問答のようですが、この言葉には深い意味が込められています。
私自身の経験や、サポートさせていただいたクライアントの方々を通じて得た気づきから、この考え方が少しずつ腑に落ちてきたのです。
・執着を手放すことの重要性
スピリチュアルな方面では「新月の夜に願いをかけ、満月の夜に手放す」というのがありますがご存じですか?
それと同じように、うつを「治そう」と強く思うことがかえって症状を悪化させてしまうことがあるんですよ。
それには、心理学的・脳科学的な理由があるんです。
たとえば、「別れた相手のことを忘れたい」と強く思えば思うほど、かえってその人のことばかり考えてしまうことはありませんか?
脳は「否定」と「肯定」の区別がつかないため、「忘れたい」という思うと、一旦そのことを思い出さなければならないのです。
結果的に、忘れたい相手のことを考える時間が増えてしまう。
これは、人間の脳の仕組み上、仕方のないことなのです。
・「今、できること」を淡々と
では、どうすればこのループから抜け出せるのでしょうか?答えはシンプルですが、とても大切なことです。
それは、
「今、自分にできることをする」
たとえば、風邪を引いたときのことを考えてみてください。
高熱が出たら、どうしますか?無理して出勤するよりも、休養をとり、薬を飲みますよね。
それが風邪を治すための基本的なアクションだからです。
ところが、うつやパニック症など心の病気の場合、症状が曖昧なため「自分が具合が悪い」と気づかないことがあります。
そして無理を続けた結果、深刻な状態に陥ってしまうことが少なくありません。
だからこそ、まずは休むことが大切です。
病院へ行き、適切な治療を受け、少しでも心が安定しているときに生活習慣や考え方を見直していく。
これが遠回りのようで、実は最短の道なのです。
・「諦める」ことはネガティブではない
ここで少し視点を変えて、私たち夫婦の経験をお話しします。結婚後、私たちは数年間子どもを授かることができませんでした。
不妊治療にも取り組みましたが、結果が出ず、妻も大きなプレッシャーを感じていました。
ところが、あるとき妻がこう言ったのです。
「子どもができなかったら、それはそれで、夫婦で楽しい人生を歩めばいい」
そう思うようになった直後に、妻が妊娠しました。
「諦める」という言葉は、ネガティブに聞こえるかもしれません。
しかし、「受け入れる」と言い換えると、どうでしょうか?
現状を受け入れ、今自分にできることを淡々と続ける。
この考え方は、何も諦めることではなく、むしろ未来に向けて一歩を踏み出すポジティブな行動と言えます。
・苦しみから解放されるために
うつ状態の多くの人が「早く良くなって仕事が出来るようになりたい」と仰います。
しかし、治療には時間がかかるため、その理想と現実のギャップに苦しみます。
今すぐ理想に近づけないなら、その苦しみを一旦脇に置いて、今の自分ができることを考えてみてください。
たとえば、簡単な散歩や好きな音楽を聴くこと。
少しの休息を取ること。
それを繰り返していくうちに、不思議なほど心が軽くなり、気づけば状況が良くなっていた…ということが起こります。
私自身も、クライアントの方々も、このような経験を何度もしてきました。
・執着を手放し、今を生きる
うつを治そうと「努力する」ことを一度手放してみる。
そして、今、自分ができることに集中する。
それが、苦しみから解放される第一歩だと私は思います。
もしかすると、この話を読んで「そんなに簡単じゃない」と思う方もいるかもしれません。
それでも大丈夫です。小さな一歩でも、きっと何かが変わります。
あなたが今抱えている悩みは何ですか?
もしも、悩みがあるのなら、その悩みを一旦脇に置いて、今、できることに目を向けてみてください。
それが、未来を変えるきっかけになるかもしれませんよ。
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