創りたいのは自死ゼロと労災ゼロの世界

【うつ専門メンタルコーチ&講師】

安田伸也です。



あなたは人生のどん底の日を覚えていますか?

わたしはその日をハッキリと覚えています。

今から約6年前、2018年6月23日土曜日

名古屋市内の面接会場にいました。

何の面接かというと、大手マッサージチェーン店の面接です。

その2年前に35年間いた役所を退職し、フリーランスになり、インターネットで稼ごうと健康食品や水素水などを売るためのアフィリエイトブログを半年間更新し続けるも、1つも売れず。



その後、退職金を元手に始めたネットワークビジネスも安定的な生活費を稼ぐまでには至らず。

頼みの綱の退職金も底をついた。



国民年金は、一括で払えないためにクレジットカードのリボ払いで支払う。

そのクレジットカードは一旦リボ払いにすると、そのまま毎月の支払が継続してリボ払いになってしまうのを知らず。

毎月の生活費が全部リボ払いに。

気がついたときには、その残高(借金)が数百万円に膨れあがっていたのでした。

子どもは就職してどうにか手を離れ、ローンは退職金で完済していたモノの、嫁さんを養わなければならない。
また、一軒家の維持費もかかる。


気持ちは焦るが、どうして良いか解らない。


そんな時に見つけたのが、マッサージチェーンの求人募集。


「月30万円以上稼ぐことが出来る」

そんな謳い文句に誘われて、面接を申し込んだのでした。

面接会場は、名古屋市内の雑居ビルにありました。

エレベーターに乗り面接会場に着き、ドアを開けて中へ入ると、そこはビルのワンフロアーがマッサージの練習場になっていて、5〜6人が簡易ベッドに横たわる者、マッサージをする者に別れ、トレーナーと思われる人から、指導を受けているのが見えました。

その練習場の傍らに長机が置いてあって、同じく面接に来たであろう数人が椅子に座って申込用紙に鉛筆を走らせているところでした。



面接担当と思われる方から申込用紙に氏名や年齢などプロフィールを書くよう促され、わたしも空いている席に座って、申込用紙に名前を書いた瞬間。

身体に異変が起きました。

自分の耳でも聞こえるほど、心臓がバクバクと音を立て始めたのです。

血圧が急上昇するのも感じました。

「え? 何が起こったんだ!」

わたしが、その状況に戸惑っていると、突然身体の中から、

「お前は何をしているんだ!」

と怒気を含んだ声が、確かに聞こえたのです。



その直後、心臓の動悸と血圧の急上昇に加え、激しい目眩が起り、とてもこのまま面接を続けられないと判断。


担当の人に体調が悪くなったと告げて、雑居ビルを後にしました。


ビルを出ると、いつの間にかは動悸などの異変は治まっていました。

 

何が起こったんだ……

 

混乱したまま電車に乗り、茫然自失のまま自宅の部屋にたどり着きました。

 

電車の中で気がついたのは、自分が何か大きな間違いを犯そうとしていたこと。

マッサージ師になるのが悪いわけではなく、マッサージ師として働くのも良いかもしれない。


だけど、自分がやりたことじゃない。


そして、それを自分の心が動悸や血圧の急上昇、目眩などの体調不良で教えてくれたように思ったのです。


打ちひしがれて、部屋で独り自分へ問いかけました。

「そもそもお前は、どうして35年間働いた役所を辞めたんだ?」

 

わたしは、組織の中の人間関係でストレスを抱えることが多くメンタル疾患などを繰り返し発症。

 

とにかく辞めたい気持ちが先に立ち、明確な計画も無く、「人を幸せにする仕事をしたい」とだけ心に決めて退職したのでした。


1年ぐらい頑張れば、アフィリエイトでも何でもやって生活費ぐらいは稼げるだろう。


そう楽観的に考えていたのです。


今思うとバカみたい。


世間を舐めていました。


大甘な考えも良いところ。


チョコレートケーキに砂糖と蜂蜜をかけたぐらい甘い考えでした。


今は、あまりにも無謀だと解る。


だけど、あの時思い切って辞めていなければ、もっと心を病んでいたかもしれないな。


そんな事を振り返りながら、再び自分へ問いかけました。

「お前は、本当は何がやりたいんだ?」



その時、心に浮かんだのが、心理学を学んで出会った心の問題を解決できるコーチング。


そして、海上保安庁時代に水難事故防止の講習会で講師として登壇したことでした。

 

どちらも「人を幸せにする仕事」だと気がついたのです。

そして、それをやりたい。



コーチと講師で「人を幸せにしたい」そう心に決めました。


しかし、当時コーチと言ってもクライアントは1人。

講師に至っては、経験もコネも無い。

そんな状態でした。

 

しかし、喰える喰えないは脇置き、そうなるためには何をすれば良いのか。


何をすれば、出来るようになるだろう。

それだけを考えました。


とはいえ、今、生活費を稼せぐ口を見つけなければならない。

夜勤のバイトを始めました。

それでも生活費が足りず、派遣会社に登録して昼間のバイトも掛け持ちしました。


夜勤明けで、朝6時に帰宅し、3時間ほど仮眠を取って昼間のバイトへ行く。

帰ってきてからまた夜勤。

そんな日も珍しくありませんでした。


講師の仕事を探して研修会社の採用試験にも応募しました。

3社で面接を受け、経験も資格もないので2社は門前払い。

残る1社は、2次面接まで行きましたが結局落選。

 

しかし、そんな活動をしていると不思議なことに研修講師をしている人や研修会社を経営している方との出会いがあったのです。


そして、半年後には初めて企業研修講師として新人研修に登壇することができました。


コーチングでは、20年来の友人がうつ病になったのを何とかしたいと情報を集めたところ、今の師匠に当たるうつ専門コーチの方にも出会えたのです。

今は、まだまだ夢の途中ですが、研修講師の仕事もボチボチと入り始めるようになり、うつ専門コーチとしての活動も続けられています。

人生のどん底。

誰しもが、そんな状況は経験したくないだろうし、しないならしないで良いでしょう。


でも「どん底」があったからこそ、今がある。

今はそう思えます。

もちろん、もうあんな状況には戻りたくない。

だけど、その経験があるからこそ、人を幸せにすることができるし、人の役に立てる。

おこがましいかもしれませんが、今はそう思えるのです。

「辛(つら)い」という字と「幸せ」という字は、横棒1本だけの違い。

 

人生のどん底だと感じた時、道に迷ったときは、自分へこう問いかけてはいかがでしょうか。

「そもそも自分はどうしたいんだろう」

きっと何処かに忘れてきた1本の横棒が見つかると思いますよ。



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