懐かしい話を一つ。
この話は参考になる人がいると思う。
昔クローズ(障害開示せず)で働いていたとき、障害者手帳を持ってる状態で退職しました。
んで、240日間だったかな?無職の状態でハローワークに月1回通い、失業手当をもらってました。
そして、その240日間が終了する間際に、障害者用の職業訓練校へ入校をして、さらに300日間引き続き失業手当をもらって、結局就職せずに卒業した経緯があります。
“障害者”だから、そこらへんは一般人よりは優遇されて給付日数が長く利用できました。
(『特定受給資格者・特定理由離職者』やら『就職困難者』を駆使したので優遇措置が取られました。日数も曖昧ですがだいたいそのくらいでした(雇用保険被保険者期間と年齢により給付額や給付日数は異なります)。要するに使える制度はフル活用してなるべく長くダラダラ金をもらえる手続きをして生きてました。)
入校した直後はマジメに就職目指してたんですよ。
経理事務科だったかな?
簿記やオフィス系のソフトを学ぶコースで。
そこである訓練生と出会いました。
障害者用の訓練生だからといって別にお互いの障害を開示する必要はないですが。
ただ、そこで決定的に分かってしまったんです。
「この人絶対にASDじゃん。あ〜…こりゃ就職ムリだわ」と。
まるで自分をありのままに客観視した姿がその人でした。
俺は社会で健常者に精一杯擬態して生きてきたけど、その人は擬態もせずにASDのまんまを表現してたんですね。
「表向きはこの人みたいにはならないけど、内奥ではこの人そのまんまだな、俺」と。
しかもそれが入校して30日目で出会って悟ったもんだから、残りの300日間は金をもらうためだけに通い続けたんですね。当時はキャッシュフローの関係上で現金が必要でした。だから時折メンドクさくて休みながらも、通い続けたのが苦痛でした。片道90分もかかったし。
その人も決してヤル気がないとかじゃないのですよ。障害特性上、パーソナルスペースは簡単に侵害してくるし、処理動作値が低いせいか何をやってもトロいし、興味がない課題に対しては取り組むことができずに眠ってしまう。
ハッキリ言えば人間社会でやっていけない人間ですよ。それでも訓練生っぽい振る舞いができない人だったんでしょうね。
私も私で自分の今までの人生を悟り、「ああ…俺の本性もまたこの人なんだ」と思いました。
同族嫌悪のせいか見てるだけでイライラもしてしまいますし、その人がいるだけでムカついてしまったんですよね。
でもそれがその人だから仕方ない。
ムカつく俺も仕方ないわけです。
誰も悪くない。
というわけで職業訓練校へ行ったのに、絶対に就職はしないと決めさせてくれた人との思い出でした。
あの人就職できたんだろうか…