《前編》 より

 

【私のものさしは・・・】
 旅に出る前の私は、日本のことしか知らず、固定観念のかたまりだった。日本が一番安全。日本が一番素晴らしい。そう思っていたし、何の疑問も感じなかった。私のものさしは、ひとりの女として、とても短いものだった。
 もちろん日本は素晴らしいし、その尊さは身にしみて実感している。ただそれ以上にいろんな国、文化、いろんな人種を自分の目で見て、人を許す心が養われたと思う。そして自分を許す心も。(p.183)
 どんな人であっても、相手が異文化で育っていることを事前了承していれば、自国文化という固定観念で裁いたり調教しようとしたりはしないだろう。「まあ、しかたがない」と。
 少し賢明な人であるなら、文化という固定観念こそが非寛容を生む土壌であることに気づけるはず。
 同国人同士であれ、全ての人々は、程度の差こそあれ、自分文化という固定観念を持っている。
    《参照》   『心の持ち方』 ジェリー・ミンチントン (ディスカバー)
              【人それぞれ】
 世界にはいろんな人が居すぎて、何が常識かなんてもはやない。日本で生きていく中で感じる小さな違いなんて、受け入れるか受け入れないかの問題だと思う。旅に出て、何が大切かを知り、自分がシンプルになって生きることが楽になった。(p.183)
 日本人の特徴である繊細さは、おもてなしという優れた長所を生んでいるけれど、同じ繊細さがもつ短所に気づけるのは、外国人の生き方との違いを相対的に実感した人のみだろう。
    《参照》   『情熱仕事力』 リコ・ドゥブランク (オータパブリケーションズ)
              【日本人は遊び心を】

 

 

【何を一番、頑張りましたか?】
 夢への道が大学とは違う道なら、やりたいことと関係ないなら、学歴のために、世間のために、生きる必要なんてない。

 たとえば私が就活をしたとして。「何を一番頑張りましたか?」と聞かれて頭によぎるのは、「とにかく中村舞らしく生きることに夢中でした」という答えだと思う。

「履歴書」という名の紙切れ1枚のためではなく、中村舞のために、勉強をしてバイトをして、旅をした。(p.43)
 社会意識に完璧支配されている人がこれを読んだら、「アホか!」って思うことだろう。
 人生って、“自分の魂の旅路”以外の何物でもないのだから、学歴とか世間とかの“自分以外の世界の定め”に盲従しているようではテンデお話にならない。
 もう何度も何度も転生して、数多の他律人生を経てその経験を蓄積してきたのだから、一回くらい「全部自分で自由に決める」と宣言して、自律・自立を生き切る人生があったっていい。
 そんなことすら思うこともなく、全く無自覚のままに、盲目的に社会意識に従っているだけなら、魂の成長は、ほぼない。死んだまま、即ち、ゼロ成長のまま、再び次の人生をリスタートさせるだけである。
    《参照》   『アセンションの超しくみ』 サアラ (ヒカルランド)  《前編》
              【社会意識(コントロール・グリッド)という檻から出る】

 

 

【どんな選択をしても】
 自分の人生は、100%自分が主人公。「やる」か「やらない」か。すべての選択を決めていくのは、主人公である自分なんだって、気づかせてくれた。どんな選択をしても、その道が正解となるよう行動するのみだ。(p.171)
 どんな洗濯をしても、汚れは落ちる。即ち清らかになれる。
 洗濯をして汚れたのならば、それは洗濯物より水の方が汚かったのである。
 その場合は、汚れ役(雑巾役)を経験したと考えるか、相手方を美しくせしめたと考えればいい。
 いかなる洗濯であれ、正解となるように解釈すべきだ。
 (これって、誤変換から思いついた、無茶ブリ)

 

 

【リセットのため】
 私にとっての旅とは「リセットボタン」のようなもの。 (p.199)
 単なる観光地巡りのツアーで、リセットになるのは、多分、まれ。
 心温まる人との出会いとか、直接にヒーリングとかを経験すれば、確率は高まるだろう。
「シロダーラ」から回復した後は、・・・中略・・・、思い切ってスリランカを堪能。
「スリランカはリピーターが多い」とは聞いていましたが、旅の終わりに「また来よう」と思わずにはいられない、優しくて穏やかな魅力にあふれていました。(p.197)
    《参照》   『泣くために旅に出よう』 寺田直子 (実業之日本社)
              【シロダーラ】

 

 

【魔法のパスポートで】
 日本のパスポートは、多くの国にビザなしで入国できるパスポート。本当に「魔法のパスポート」なのです。(p.211)
 世界195ヵ国のうち、日本人がビザなしで渡航できる国は170ヵ国。お隣の中国は44ヵ国。最下位のアフガニスタンは28ヵ国のみ。
 そんな魔法が使える国なのに、「お金が・・・」「時間が・・」という言葉を並べて、一歩も踏み出さないなんて、本当にもったいない。(p.211)
    《参照》   『日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか』 竹田恒泰 (PHP新書) 《後編》
              【日本のパスポートが闇世界で高値で取引される理由】

 戦後70年、争いごとに加担しなかった日本の実績が「魔法のパスポート」になっているのだけれど、こんなことで「魔法の」という形容をしてしまうのは安易すぎるだろう。
 であるにせよ、
 「魔法のパスポート」を活用して、いくつもの海外諸国を巡ったことで、何を得、何に気づくかは人それぞれだけれど、チャンちゃん的には、旅(アウタートリップ)の終着点は、内なる旅(インナートリップ)の始発点だと思っている。 というか、人との出会いは旅を印象深く楽しいものにしはするけれど、魂にかかわるような体験に出会ったことしか結果的に心に残っていないのである。西安の黄帝陵、南京の玄武湖、ソールズベリーのストーンヘンジ、ルクソールのハトシェプスト葬祭殿、バルセロナのモンセラート修道院など、奇妙な体験をした場所や状況以外、今となっては何の意味も感じていない。
 「魔法のパスポート」を活用することで、「魔法世界」への参入機会に繋がるなら、それで十分有意義なのではないだろうか。観光旅行とは本来、『スピリチュアルな光を観る旅に行くこと』のはずである。

 

 

 

 本書同様に、執筆者が女性の著作をリンクしておきます。
     《参照》   『アメリカ風だより』 千野境子 (国土社) 《後編》
                【外国体験の勧め】

 

 

 

<了>