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 このような本にはトンと興味がない。なのに読んだのは、竹島問題がニュースになるたびに、このチャンちゃんのブログ、特に 日韓近代の政治経済の事実 へのアクセスが多くなり、一日の訪問者が急増するという状況があったこと、そして、行間が広く編集されているからせいぜい3時間で読了できると判断したから。その程度の動機である。2012年2月初版。

 

 

【北朝鮮の指導体制は微動だにしていない】
 独裁政権の最高指導者が死んだとなれば、普通は指導体制がガタガタに混乱するものです。政権崩壊にもつながる。しかし北朝鮮ではそうした兆候がまったくうかがえません。すなわち北朝鮮の指導体制は微動だにしていないということです。(p.33)
 元公安調査庁の著者でも、書くのはこの程度の事である。金正日はもう何年も前に死んでいたけど、影武者を出している間に体制を再構築しておいたから微動だにしなかったというのが真実だろう。西側の思惑で作られているメディア情報しか見ていない我々には、カダフィに関しても本当に死んでいるかどうかだって、本当のところは分からないのである。
   《参照》   『勃発!サイバーハルマゲドン』 ベンジャミン・フルフォード (KKベストセラーズ) 《1/4
             【極秘情報】

 

 

【延坪島の砲撃】
 現実に延坪島を砲撃されているのです。韓国の国家情報院は一体何をやっているのでしょうか。予算を削減しろとまで韓国議会でも問題になりました。(p.97-98)
 この記述は論外である。延坪島で最初に砲撃したのは韓国側だったことなど、翌日に日本国内ですら修正報道されているではないか。
   《参照》   『闇の世界権力の「日本沈没計画」を阻止せよ』 中丸薫/レオ・ザガミ (ヒカルランド) 《前編》
             【戦争は “やらせ” によって引き起こされる】

 102頁には、「日本は、情報を分析する力もないし、判断する力もない」というようなまっとうなことが書かれているけれど、それを著者自身に当て嵌めたほうがいいだろう。

 

 

【「領導者」の「胆力」】
 北朝鮮では最高指導者を「領導者」と言っていますが、領導者になる資格は何かというと、一つに胆力があることだとされています。金日成も金正日に胆力があると言っていますが、胆力こそが朝鮮民主主義人民共和国の領導者たる第一の資格要件であります。胆力があるとは、要するに必要があればいつでも後顧の憂いなく戦争ができるということです。(p.63)
 コミンテルンの宣言内容を知っていれば、この「胆力」なる定義に少々ビビりもするだろけど、元締め国家の大統領である今日のプーチンさんはコミンテルンの宣言をテーゼにするような国家運営をしていないだろう。戦争をしたがっているのは、国際金融を支配している阿漕な連中だけである。コミンテルンをつくったのは国際金融資本家たちである。
   《参照》   『ロスチャイルド200年の栄光と挫折』 副島隆彦 (日本文芸社) 《中編》

             【ロシア帝国滅亡に関する主導権争い】

 今日のプーチンさんは国際金融資本をロシアから排除しつつ、戦争をも回避する方法でロシアを繁栄させているのである。

 

 

【飢餓は常態】
 毎年のことですが、北朝鮮は春先になると絶糧期に入ります。米、麦などの食料が底をついてしまいます。 ・・・(中略)・・・ 北朝鮮では餓死者が出ない年はないのです。
 それは歴史的にずっとそうでした。餓死者が出なかったのは日本が朝鮮半島を併合していた35年間、彼らが「日帝36年」というところの植民地時代だけです。それも戦後、南北が独立してすぐ朝鮮戦争が勃発してからは。毎年餓死者が出る元の国に戻ってしまったのです。
 ・・・(中略)・・・ いまでは有名になった「冷麺」というのがありますが、あれは北朝鮮の食べ物です。雑穀や芋やらの炭水化物になるものは何でもすりつぶして、麺にしてすすり込んでいたのです。(p.81)
 「そんな飢餓が常態の国なのに、最高指導者はあんなにデブで、国民はよく不満を募らせないよね~~~」なんてチャンちゃんは思ってしまうけど、「領導者は、国威を象徴する人物だから、よく肥えていないと国民の信頼を得られない」というようなことが書かれている。

 

 

【北朝鮮という経済市場】
 北朝鮮なんて市場としてはちっぽけな国です。ただ、あそこは国際金融のシステムからすると空白地帯です。
 各国はドルの通貨圏になるか、元の通貨圏にするか、あるいはルーブルかユーロかということでしのぎを削っている。(p.190)
 北朝鮮の実質的な最強通貨は、スーパーノートと言われる裏ドルだろう。
   《参照》   『ステルス・ウォー』 ベンジャミン・フルフォード (講談社) 《前編》
            【スーパーノート】

 しかし、こんな裏通貨に支配されて経済を回しているようなら、北朝鮮はいつまでたっても普通の国になれない。純然たる日本円以外の、作為に満ちた諸外国の通貨では、いつまでたっても国が安定しないだろう。
 しかしながら繰り返しますが、朝鮮半島の「宗主国」は日本だったのです。日本こそがいちばん好条件を持っている。円の通貨圏にするのは決して難しいことではないのです。
 それを拉致問題があるからとシャットアウトしている。 ・・・(中略)・・・ 方法はいろいろあるはずなのに、何の行動も起こせない。日本はみすみす自分でチャンスをつぶしているのです。(p.190)
 「日本の利権のためではなく、それぞれの国の発展のために」という思いがアジア全体に対して確実に共有してもらえるなら、それもありうるだろう。日本人は、特に21世紀型の思考ができる若者達は、もうこれ以上の物質的豊かさなど望んでいない。
 欧米の金融資本とこれに隷属する官僚によってカツアゲされ横流しされ続けてきた膨大な額の日本の国富が、近い将来、日本に戻されるようなことがあるなら、日本国民の大多数は、その資金のほとんどを、世界の繁栄のために使うことに賛成するだろう。