《前編》 より

 

 

【アジアの王族達による「拡大マーシャルプラン」の要請】
 第2次世界大戦直後のことである。
 ドルが唯一の兌換紙幣になったのは、第3章でも紹介したよう、アジアの王族たちがアメリカに金(ゴールド)を提供したからだった。
 王族たちは、その条件として、「マーシャルプラン」を強く提唱した。
 マーシャルプランは、ヨーロッパおよび日本の戦後復興計画として知られているが、当初は、アジアとアフリカに対する「第2」「第3」のマーシャル計画が存在していた。世界全体の平和と繁栄を願うアジアの王族たちは、拡大マーシャルプランのためなら、喜んで自分たちの金をドル発行に使ってほしいと申し出た。(p.195)
 しかし、拡大マーシャルプランは発動されることがなかった。
 理由は簡単である。米ソ冷戦が始まったからだ。・・・中略・・・。
 闇の支配者からすれば「計画通り」といったところだろう。そのために闇の支配者は、わざわざロシアに革命を起こさせ、裏でこっそりと資金と技術を提供しながら、ソ連を強国に仕立ててきたのだから。(p.196)
 これ以後、「できレース」としての東西冷戦構造が長らく続いていた。真なる愛国の士・プーチンさんが現れるまで、ソ連は完全に「闇の支配者」の支配下に置かれていたのである。
 話を戻して、当時のアジアの王族はどうしたかというと。

 

 

【スカルノとケネディ】
 インドネシアのスカルノ大統領といえば、日本人には、第3婦人だったデヴィ夫人のダンナというイメージしかないだろうが、インドネシアを独立に導いた建国の父であい、「影の世界政府」では、王として君臨するほど影響力をもった人物であった。
 事実、スカルノは、拡大マーシャルプランを反故にされたことに怒り、アメリカのケネディ大統領に14万トンの金(ゴールド)を供出、FRBの解体を要請したという。これに同意したケネディは、1963年、その金を担保に大統領令1110で5ドル札を発行。通称「ケネディ・ドル」である。ところが、その半年後の1963年11月22日、何が起こったのか、説明するもでもない。ケネディは銃弾に倒れ、暗殺されたのだ。その2年後、スカルノもまた失脚。スハルト新大統領に軟禁されたまま1970年、死去する。(p.197)
      《参照》  『愛をつなぐ』 デヴィ・スカルノ (冬青社)
 日本は「闇の支配者」によって分配されたマーシャルプランの恩恵を受けていた側だから、「闇の支配者」の言いなりである。この事実を知るまで、軟禁されたまま死去していったスカルノ大統領の胸中を察することのできた日本人なんていないだろう。
 さあ、邪魔者はすべて消えた。まさに、そのタイミングで闇の支配者たちは、次の段階へとステージを進めた。WW Ver.2.5 を発動させたのだ。(p.197)
 ドルと金の交換を停止するという声明。世に言うニクソン・ショックである。
 このときから「石油本位制」になった。「闇の支配者」は、中東で戦火のマッチ・ポンプをしながら石油価格をコントロールすることで世界の変動相場を思うままに操ることにしたのである。最近は石油の支配企業を語るのに「闇の支配者」傘下のセブンシスターズという言葉は使われなくなっているけれど、彼らによる実質的な石油支配は未だに続いている。
      《参照》  『ステルス・ウォー』 ベンジャミン・フルフォード (講談社) 《前編》
                【世界最大の石油企業】

 

 

【三極委員会への参加者】
 1973年、アメリカ、ヨーロパ、日本のトップ政財界人が集まる三極委員会が発足。その実態は、日本からいかに金を毟るか、のみ。2010年度の日本からの参加者は、楽天の三木谷浩史、朝日新聞主筆の船橋洋一。委員会終了後、三木谷は、楽天の企業公用語を「英語」にし、事実上の脱日本化を発表。朝日新聞はアメリカ寄りの社説が増えた。(p.203)
 「闇の支配者」に指示されたからであれ自発的であれ、日本語を使わないのは勝手だけれど、日本語感覚が衰微して行けば、日本人としての魂は確実に消えてゆく。
      《参照》  『本音で生きよう』 船井幸雄 (ビジネス社)
                【特別な意味がある日本という産土力】

 船橋洋一氏に関しては、
      《参照》  『暴走する国家 恐慌化する世界』 副島隆彦・佐藤優 日本文芸社 《下》
                【 “皇帝デイヴィッド” の総代理人】

 

 

【中国を啓蒙したプーチン】
 オリガルヒの首魁であるボドルコフスキーを逮捕したことで、ロシアの民衆の収入は5倍に跳ね上がった。今のロシアの豊かさは、裏を返せば、どれだけの「ロシアの財産」が国外へと流出してきたか、見事に証明しているだろう(だからプーチンはロシアの大衆から熱烈に支持されているのだ)。
 オリガルヒとは、闇の支配者からの資金提供を受けて栄えていた“新興財閥”のこと。
 日本にも韓国にも、プーチンさんのような人がいないから、国富は「闇の支配者」へと流出し続け、まったく豊かになれない。
 このプーチンによって、蒙を啓かれたのが中国である。プーチンによるオリガルヒ粛清の直前の2002年、中国で突如、謎の新型肝炎「SARS」が発生する。空気感染し、高い致死率の疫病に中国共産党は、パニックになった。あのとき、処理を間違えば中国は深刻なダメージを受け、中国経済は失速し、暴動や内乱でとんでもない事態になっていただろう。
 「SARS」が闇の支配者の仕掛けてきた「陰謀」であり、「黄色人種に罹患しやすい生物兵器」という情報をロシア人医師を通じて中国側に提供したらしい。(p.217)

 

 

【世界を守ったBRICs】
 こうしてBRICsのロシア、中国、ブラジル、インドがすべて反ルシフェリアン勢力へと鞍替えした。十分にアメリカやヨーロッパに対抗できるだけの大国連合が、ついに登場したのである。実際、BRICs連合のおかげで、アジア、アフリカは経済的に大きく繁栄するようになった。(p.219)
 リーマンショックによる世界恐慌を防ぐための先頭に立ったのは、外貨としてのドルを最もたくさん保有していた中国である。世界恐慌を防げなければ、「闇の支配者」たちの計画通り、完全に第三次世界大戦勃発へと進んでいってしまったはずである。
      《参照》  『中国元がドルと世界を飲み込む日』 ベンジャミン・フルフォード (青春出版社) 《前編》
                【ソフトランディング計画の中心にある中国】

 尖閣諸島などの問題に乗じて、アジアを分断させようとするのは明らかに「闇の支配者」の作為に乗ずることになる。かつて、チャンパンやホンパンや日本の任侠たちは、力を合わせて欧米列強からの支配を脱しようとともに戦ってきた。玄洋社の頭山満が率いた「黒龍会」の流れにある人々は、今日もアジアのためにがんばっているのに、闇の支配者の犬となっている連中(官僚・学者・政治家・大手マスコミ)と、大手マスコミ情報に洗脳された一般人は、未だに暗愚な発想で日本とアジアの協調関係を妨げているのである。
   《参照》   『挑戦的平和論 (上巻・下巻)』 小林よしのり (幻冬舎)
             【玄洋社】

 

 

【あとがき】
 闇の支配者たちは、断末魔の叫びのように、WW Ver.3.1 を発動させ、最後のあがきを見せている。
 いま、私たちにできるのは、知ることである。騙されないことである。正しい情報を知り、理解し、いま、世界で起こっている戦いを冷静に見ていくことである。何者かの先導に乗ることなく、自分で考え、自ら判断すること。(p.229)

 

<了>