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 後継者の育て方、選び方について多く語られている。現役の経営者や将来経営者になりたい方だけでなく、私のような普通の人が読んでも面白い。

 

 

【尊敬される人間性】
 われわれはこんなに汗水垂らして頑張っているのに、社長はベンツに乗って、自分たちはリンカーンコンチネンタルという名前をつけた自転車に乗っているとしたら(笑)、これは腹が立ちますよね。
 だから私は、賃貸マンションの6畳間に住んでいますし、ずっとそれでいいと思っています。生活が豊かになると、人間はだんだん腐ってくるんです。功なり名を遂げて、金があっても、そんなものは死んで持っていけません。ですから、生きている間にチャリティで使うし、遊んでいる暇があったら、絶えず芸術を磨き、福祉を奨励し、学問を探求し続けています。
 学問を探求するのに場所なんか要りませんから、かえって狭いほうがいい。(p.66-67)
 務所入り前のホリエモンが、吉川ひなのちゃんという若い女優とプライベートジェットでシンガポールへ行ったとか、楽天の三木谷社長も、プライベートジェットを所有しているけれどマスコミに騒がれるのを嫌って隠しているとかいう話が 『ニュー・リッチの王国』 臼井宥文 (光文社) の中に書かれていた。ニュー・リッチな経営者って、そんなことが目的で経営しているのか・・・と唖然としつつ、空虚だなぁ・・・と思う。
 私の父親は、チャリンコで学校に通いながら、生徒に ”ノロイスロイス” とか “ボローバード” と言われていることを何故かえらく喜びながら自慢していた。自慢されていた当時は一緒に笑いながら当惑していたけれど、今はこの話が気に入っている。
   《参照》   『「逆」読書法』 日下公人 (HIRAKU)
             【人生反比例法則】

 

 

【経営者に不可欠なもの】
 はっきり言って、勉強していない人には、会社経営は無理です。リーダーシップだけでは経営はできません。バカでは会社の経営はできないんです。経営者であるかぎりは、最低でも経営の五本柱はきちんと学んでおかなければなりません。(p.78)
   《参照》   『ご神業とビジネスを両立させる決断力 深見所長講演録2』 (菱研)
             【 会社経営の 「5つの柱」 と 「志」 】
 若いときには多少、勉強不足でも許されるでしょう。しかし、歳を取ってからも勉強不足、勉強嫌いであっては話になりません。 ・・・(中略)・・・ 。
 一流企業の経営者は、少なくともそれだけの教養と知性があります。幅広い学問と知識を身につけているからこそ、大きな会社の舵取りができるわけです。(p.78)
 大人になってからも絶対に勉強したくない人にお薦めの職業は、100%絶対に地方公務員。
 「上が決めたから」 と言っているだけで、何ら勉強せず何ら判断せずとも安全確実に職務を完遂できる。
 

 

【働き者とは】
 働き者とは、単に労働時間が長い人を指すわけではありません。雑用を率先してやれる人。これが働き者です。(p.82-83)
 見識ある経営者は、将来有望と目される人物には、末端の作業から割り当てることだろう。でもこうすると、最近の若者は意味を解さず直ぐに辞めてしまうのだという。
 体験実地主義を貫く働き者でなければならない、ということです。(p.80)
 汗を流す現場作業経験を厭うようでは始まらない。PCが得意だからするのは机上で出来るそれだけというなら経営者にはなれない。せいぜい技術者の下辺止まりである。
 

 

【黄金の20代】
 自分が後継者になろうと思うのであれば、いま申し上げたことを自ら勉強していく、と。ただし、すでに30歳を過ぎているのであれば、エキスパートの道を選んだほうがいい。
 20代はまさに黄金の時代です。10代、20代で吸収したものが身になって、それが一生の能力の根幹になっていきます。ですから、20代でへらへら遊んでばかりいて、わがまま気ままで生きた人は一生悔むでしょう。自分自身に関してもそう考えなければいけないし、親の立場だったら、子どもの10代、20代を大切に考えて、手間隙、時間、労力、お金を惜しまずに、計画性を持ってしっかりと育てるようにやっていかなければなりません。(p.124-125)
 “黄金の20代” という言葉は、本当にそうだと思う。20代までは、まさに砂に水が沁み込むように何でも吸収できる。将来を黄金に変えうる貴重な時間である。
 通り過ぎてつくづくそう思えるのだけれど、20代の最中にある時、私には “黄金の20代” ということを語ってくれた人なんて誰もいなかったように思う。
 体験上、確かなのは 「親が公務員だと、人生に関する学びが、浅く小さく弱い」 ということ。
 
 
<了>