《前編》 より

 

 

【米中の奴隷経済蜜月関係】
髙山 : 中国は長年にわたり奴隷制そのものです。現代に至るまで、あれほど民衆を犠牲にしてきた国はない。アメリカはその体制を利用して、中国の奴隷を 「使わせてもらう」 ことにした。これが米中蜜月のスタートです。
 ・・・中略・・・。中国経済とアメリカ経済は表裏一体で、それはこれまでお話ししてきた奴隷経済の歴史からわかることです。
 私は今後、米中のあいだに結託こそあれ、経済摩擦は起こらないと思うのですが、日下さんはどのように見ていますか。
日下 : 共通の敵があれば協力し、それがなくなれば共食いでしょう。中国経済とアメリカ経済の基本は 「食い合う」 関係で、おそらく両方とも生き残らない。(p.27-28)
 中級品しか生産できない中国は、世界不況という原因がなくとも、いずれ世界への販路は狭くなることだろう。インドやブラジルやロシアなども後発で成長してくる過程で、中国は駆逐されてゆくのではないだろうか。僅かなりとも日本の品質と品位を知っている国々は、経済力がつけばつくほど品質と品位に劣る中国を嫌悪するようになるであろうから。
 インターネットの拡展によって世界中に戦争ビジネスの暴虐を暴露されたアメリカは、ドンパチビジネスを遂行できなくなったとして、まっとうな貿易をおこなうのであれば、人件費の上がった中国より安く生産できるであろうメルコスール(南米)経済圏へとシフトしてゆくのだろう。
 奴隷を使役し、自ら働く意思のない米中のような覇権国家は、いずれも日本によって底支えされねば立ち行かない国家になって行く。(アメリカは既にそうなっているし、中国も遠からずそれに気づくことだろう)。傲慢だけが取り柄のようなゴロツキ国家が、いつまでも表に立っているのはよくない。日本のマスコミと一部の政治家はゴロツキの言いなりになるチンピラである。真実を伝えようとする意思はない。

 

 

 

【カースト制度はイギリスがつくった!】
日下 : インドにおけるヒンズー教徒とイスラム教徒の対立や、カースト制度と呼ばれる階層性による分裂も元々はあまりなかった。イギリスがつくった。それをイギリスは元からあったと宣伝しています(笑)。
 先ほど例に挙げたマレーシアのように、警官はインド人、その下は・・・・などどイギリスが人種で職業を分けるから、それがカーストになった。シンガポールもそうなった。それをリー・クアンユー首相が一生懸命壊す。
 他方、日本の明治維新では、商売は誰でも何でもやって良いと決めた。日本人はそれを当然のことだと思っていますが、実は画期的なことなんです。(p.118)
 略奪経済の西欧には、当然のように勝者敗者という区分から階級が存在するようになる。ゆえに植民地インドにもカーストという階級制度を作った。こんな当然のことを、どうして世界史で正確に教えないのか。おそらく全ての日本人は、インドには昔からカースト制度があったと思っているに違いない。
 日本における階級制度の撤廃と職業の自由は、植民地などなく資本の蓄積がなかった人本主義の日本を、資本主義国家として飛び立たせる上で、重要なポイントになっている。
   《参照》   日本が経済成長したその理由は?
             【社会】
   《参照》   『「質の経済」が始まった』 日下公人 PHP研究所
             【日本は資本主義ではない、人本主義である】

 

 

 

【アメリカが恐れること】
髙山 : かつてイランはアメネメス朝やササン朝、サファヴィー朝という大帝国を築きました。イランが再びイスラム世界を束ねる中心国となっても、不思議ではない。当面の脅威は、イランとアフガニスタンの合流でしょう。(p.54)
 「分断と統治」 を基本に世界各国から暴利を貪り取っているアメリカは、東アジア諸国(日・中・台・韓・北朝)の合流をこそ最も恐れている。
 東アジア諸国を分断するために、アメリカから極上の甘い汁を吸わされている政治家たちが、東アジア諸国の政治中枢に居座っているため、政治的な合流は甚だしく困難なのが現状である。

 

 

 

【日本を警戒するアメリカ】
髙山 : 一般論で言うと、領土があって、資源があって、それから軍事力があって、というのが大国の要件です。日本は、どこを取っても、その要件がない。地下資源がなければ、領土も小さい。普通の国なら、絶対にあり得ない大国化を、日本だけが果たした。だから、アメリカにとっても常に恐い存在なのです。(p128)
 近年まで地下資源はなかったけれど、数か月前、沖縄近海の水深500mほどの海底に、とんでもない埋蔵量の金鉱床が目っかってしまっている。これから黄金の国ジパング伝説が始まろうとしているのである。
 130~131ページにかけて、日本人が開発した様々な技術とその開発者名が掲載されている。「アメリカの軍事技術を支えているのは日本の技術力である」、という見解は石原慎太郎都知事が昔から言っていることであるけれど、世界中の工業技術は日本人によって支えられていると言い切ってしまっても、それほど誇張ではない。
 アメリカが最も恐れているのは、間違いなく日本の技術力なのである。その証拠は、米中で取り交わされている “密約” の中にある。
日下 : 1972年2月、当時のニクソン米大統領とキッシンジャー補佐官が北京を訪問し、周恩来首相とのあいだで対日政策に関する 「密約」 を交わしている。
 密約の一つは、「東アジア地域において日本にだけは核武装をさせない」 というもので・・・中略・・・。
 密約の二つ目は、「米軍は日本から出ていかない、駐留を継続する」 というものです。これは米軍による日本防衛の意志を中国に示したものではなく、「出ていくと日本が自主防衛を始めてしまうので、“ビンの蓋” が必要だ」 という理論に基づいています。
 三つ目は、「日本政府には、台湾と朝鮮半島をめぐる問題で発言権をもたせない」 というものです。・・・中略・・・。
髙山 : 米中ともに、自己都合でくっついたり離れたりする国、腹黒い国であると認識することですね。(p.164-165)
 奴隷として使うには優秀すぎる日本人は、技術力によってバンバン富を稼いでしまうから、アメリカは中国と結託して軍事的脅威で揺さぶって金を出させるか、スキャンダルを握った政治家を奴隷として使役し、恫喝政治の手法で恐喝して郵貯をそっくり提出させる、などの方法で略奪するのである。
 その結果、優秀だった日本国民の貧富二極化はガンガン進み、インセンティブ・ディバイド(意欲格差)が進行すればさらに都合がいい。さらに、3S( sport sex screen )政策で、青少年の愚民化を促進させつつ、視線を政治に向かわせないように仕向ける。ちょっと優秀な連中はロックフェラー財団の費用でアメリカに留学させ手なずけた後、日本の要所のポストに既に配置済みである。 
 ここまでくれば、日本人は、ブレジンスキーが言ったように 「ひよわな花」 そのものである。
 しかし、全ての日本人が奴隷や愚民になり果てているのではない。
 
<了>