①ではフットサルやサッカー・バスケなどで、アスリートたちがいかにタフな移動に耐えてベストのパフォーマンスを発揮しているのかを述べた。
②でもそれについて詳しく述べていきたい。
移動についてもっともタフネスぶりを要求されるイメージを思い浮かべるスポーツとすれば、プロテニスである。
錦織圭などが四大大会などで活躍する華やかイメージがあるので、優雅な雰囲気があるテニス。
しかし、末端のプロテニスプレーヤーの熾烈な競争の中にも、移動の過酷さが見てとれる。
テニスでプロの選手だとある週はタイのバンコクで、一旦東京に戻ったあとに、次の週にインドのゴア。
そこでの大会が終わったら豪州のシドニーという常に世界を股にかける転戦を余儀なくされる。
しかも下のカテゴリーになればホテルも安宿。でも食事にも気をつけて常にトレーニングもしないといけない。
その中でテニスの選手は長時間の移動が必要になる。頭が下がる思いだ。
こうした移動の厳しさをツラツラと書き連ねて、何が言いたいのかと言えば、プロ野球を中心とした昨今の日本のプロスポーツである。
現在、日本もプロ野球球団を12球団から16球団に増やすという話もあった。そこでネックになるのが移動だ。
以前ベイスターズが横浜から新潟に移転する話があったが、それが流れたのも移動である。
横浜と新潟では対戦相手の都市への直行便の運航などに決定的に差がある。
ましてやアメリカのメジャーリーグと違い、日本のプロ野球は移動に球団のチャーター機が用意されているワケでもない。
昔のロッテが仙台を準フランチャイズにしていた時でも、現在とは違い福岡までの直行便などで他球団に比べて大きなハンデがあった。
今のJ3でガイナーレ鳥取が大阪の伊丹空港まで4時間かかって移動がハンデだという話もあるが、スポーツ界を司る上の人間はこうした地味に重要な課題に無頓着だ。
逆に言えば16球団制もこうした移動という地味に重要な課題をクリアすれば大きく前進する余地はある。
この国の首相も「スポーツの成長産業化」という甘美な響きに酔っていたいなら、良薬口に苦しではないが、こうした地道な問題に目を背けては、その目標には到達しない。
こうしたスポーツのインフラ整備は成長には絶対に必要だ。