L型大学・G型大学の議論に一言 | enjoylifeのブログ

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文科省の有識者会議でG型大学・L型大学 という議論があるようです。


発案者は、経営共創基盤CEOの冨山和彦氏です。冨山氏は著名経営コンサルタントで、東大法学部→スタンフォード大学MBAという超高学歴エリートでもあります。ニコニコ


要点は、次のとおりです。


(1)日本は、グローバルを担うごく一部の人材と、地域密着型の多数の人材に二極分化している

(2)圧倒的多数派の地域密着型の労働者の生産性を上げる必要がある。

(3)そのために、グローバルを人材を育成するごく一部の大学(G型大学)を除き、他の大学は地域密着型人材育成を担うL型大学とすべきである。

(4)L型大学のカリキュラムも職業訓練的なものに切り替えるべきである。



当方は、大学も大学院(MBA)も冨山氏には及びませんが、ちょっと気になる点もあるので少しコメントしたいと思います。


まず、冨山氏の意見に総論としては賛成です。正直言って、大学の数が多すぎます。ごく一部とは言わないまでも、G型大学(従来の大学)ではなく、職業訓練校に特化した方が良い大学は相当数あるでしょう。また、G型大学にしても、欧米のTOP大学に比べると、彼我の差は歴然としています。単に、G型・L型に区分するだけでなく、統廃合や資源の集中配分等の抜本的なが必要と思います。


職業訓練という意味では、MBAにしても、(冨山氏の指摘するように)高度の職業専門校に過ぎません。大学院だからと言って何か特別に高度な勉強をやっているわけではなく、実践に役立ちそうな(敢えて役立つとは言いませんが・・・)内容を勉強しているに過ぎません。


なお、冨山氏の、「L型大学で何を学ぶか」というスライドには、経営・経済学部で「マイケル・ポーターや戦略論ではなく、簿記会計を学ぶべき」と指摘しますが、ポータ-の理論自体非常に明快で、高校生位でも十分理解できるので、別にL型大学でも学んでもよいと思います(もっとも、昨今のMBAではマイケル・ポーターの理論は「古典として学ぶ」という感じが強いですが・・・。) ニコニコ


さて、大筋合意できるとしても気になる点が2つあります。

一つは、格差の一層の拡大懸念です。G型、L型と分けることで、超エリート層とそうでない層の二極分化が進むことになります。既に超エリートの冨山氏には良いでしょうが、格差拡大に拍車をかける危険性もあります。特に、G型・L型という風に大学を固定化してしまうと、社会人になる前から進路の選択肢が減ってしまいます。例えば、L型大学を出た人が社会に出てG型人材になろうとした場合(あるいはその逆の場合)、支障が出るでしょう。


日本は何だかんだ言ってもあまり学歴偏重社会ではありませんし、そこが日本の良さだと思います。しかし、G型・L型みたいな明確な区分けが出てくると、アメリカのような学歴重視社会に移行してしまうかもしれません。


もう一つの問題は、就職活動の問題です。今の大学生は、大学2年生の頃から就職を意識し始め、3年生から本格的に就職活動を開始しています。すなわち、大学の授業自体が就職活動で相当制約を受けているのです。


一方、冨山氏(私より年上)や私の頃は、就職活動が本格化するのは4年生の夏辺りだったはずです。かつ、私の卒業した大学福沢諭吉や、もっと言えば東京大学あたりもそうでしょうが、そこそこ名の通った大学は、就職活動にはあまり熱心ではありませんでした。


現在は就職率が良くないと学生が集まりませんから、多くの大学は、就職予備校化せざるを得ないという状況にもあるわけです。


本来、大学時代は、シェイクスピアやトルストイの本を読むといった一見役に立たなそうな勉強をする自由、バイトや勉強以外のことをしたりする一種のモラトリアム的な時期として許容される自由があると思います。我々の時代と比べると、こうしたことができる期間はかなり限られてきているように思います。


何でもかんでも実利主義や即戦力重視でやったら、息が詰まってしまうでしょう。ただでさえ、社会に出れば厳しい競争環境に晒されるわけですから。


いずれにしても、今の若い人たちは大変です。しょぼん