会議議事録の作成は、かつては若手社員の定番業務でした。議論をまとめる力を鍛える大事な経験でもあります。
しかし最近は、若手に頼めない・頼んでも指導できないといった企業も増えており、育成機会が失われているのが実態です。

そこでおすすめしたいのが、議事録作成のAI活用です。

1.会議の文字起こしから要点整理まで自動化

まずは会議を録音し、文字起こしソフトでテキスト化します。多少会話が散らかっていても大丈夫です。
次に、その文字起こしをチャットAIに読み込ませ、要点を整理して議事録形式にまとめさせます。

  • 文字起こし → 要約 → 議事録化
    という流れを一気通貫で自動化できるため、会議後すぐに記録を用意できます。

会議でタブレットと資料を見る参加者

2.共有スピードが意思決定を早める

AIで素早く作成した議事録をクラウドやメールで即共有すれば、チーム全体の情報共有スピードが上がります。

  • 共通認識をもって業務に臨める

  • 上司が最新情報をもとに迅速に意思決定できる

これにより、会議の生産性が飛躍的に向上します。

3.誤変換や機密情報には注意

便利な一方で注意も必要です。

  • 誤変換:音声が正しく認識されず、内容が誤って伝わる可能性がある

  • 機密情報の漏洩:議事録に載せるべきでない情報まで自動的に記録されるリスク

そのため、必ず人が最終チェックする習慣を持つことが大切です。AIを盲信せず、人間の判断を組み合わせて使うことが成功の鍵です。

まとめ

議事録作成はAIを使えば「速く・楽に」できます。ただし、誤変換や機密情報の扱いには十分注意し、人の最終確認を必ず入れてください。
この仕組みを導入すれば、会議後のスピードと決定力は確実に高まります。

 

本日もありがとうございました。

コンサルタントをしていると、商店街支援の依頼が協会などからよく届きます。
ですが私は、商店街支援だけは絶対に手を出さないと決めています。

理由はシンプルで、リーダーである会長が助言を聞かない、会員に強制力が働かない──つまり「結局何も進まない」からです。
実際、師匠や先輩方からも「商店街には関わるな」と口を揃えて言われてきました。

でも、商店街にこだわらなくても、小さな会社同士でゆるくつながるだけで資金繰りを良くする仕組みは作れるんです。
今日はその具体例を紹介します。

1. 仕入れの共同化

競合同士でも、原材料は同じ業者から仕入れていることが多いもの。
量をまとめればボリュームディスカウントが効き、業者からも「大切なお客」として扱ってもらえます。

2. 在庫のシェア

急な受注増で材料が足りない…そんな時、同志企業と在庫を融通し合える仕組みがあれば安心です。
短期的には助け合い、長期的にはマーケット全体の成長につながります。

3. 物流シェア

運転手不足や燃料費高騰で物流コストは上がる一方。
共同仕入れの延長で物流も一緒にまとめ、各工場を回る「ミルクラン方式」にすれば、一回分の輸送費で済みます。

握手で資金繰り改善の連携を

大手でも効果があった実例

これは小規模に限った話ではありません。
航空機業界では、新造プログラム立ち上げ期にコストがかさみ、メーカーは部品価格の値下げ圧力を強めました。

そこで、商社が各社の在庫を把握し「在庫シェア+共同発注」を提案。
結果、コスト削減が実現し、プログラムが軌道に乗ったタイミングで利益率が大きく改善しました。

 

小さな会社同士のゆるい連携は、コスト削減=資金繰り改善に直結します。
「競合だから無理」と思わずに、ぜひ一度チャレンジしてみてくださいね。

最近、節約やコスト削減についての記事を多くアップしていますが、実はやりすぎて停滞に陥る企業も少なくありません。特に目立つのは、ワンマン社長が強権的に経営しているパターンです。こうした企業は、変わらなければ淘汰されていく危険性が高いのです。今回は「節約が行き過ぎた企業の状態」についてお話しします。

節約が行き過ぎると起こること

一番多いのは、人件費削減に真っ先に手をつけてしまう企業です。
給与アップは確かにモチベーション維持につながりにくい一方で、給与削減は社員のやる気を一気に奪います。

さらに問題なのは、社員の給与だけ下げて役員報酬はそのままというケースが多いことです。
私は支援の現場で、こうした社長にははっきり伝えます。

「役員報酬は成果に対して支払うものですよね。赤字で社員の給与を減らしているのに、なぜ役員報酬はそのままなんですか?」

社長が絶句するか激怒するかのどちらかですが、ここで本気で改心する社長であれば支援を続けます。

人件費削減の落とし穴

人件費を削減すると短期的には数字が良く見え、利益率も上がります。
しかし中長期で見ると、やる気のある優秀な社員ほど辞め、残るのはモチベーションの低い社員。
その結果、

  • 経営に深刻なダメージを与えるミスやトラブルが発生

  • 隠蔽や責任逃れの体質が強まる

といった悪循環に陥ります。これは経営者が従業員の信頼を損なっている状態であり、回復には非常に時間がかかります。

解雇された男性が私物を箱に詰める

本当に取るべき施策とは

以前の記事でも触れましたが、給与削減は倒産危機の最終手段にすぎません。
本来やるべきは「人件費削減」ではなく、業務の効率化です。

  • IT化による事務作業の削減

  • 会議や報告書の簡素化

  • 外注・分業による時間削減

こうした施策によって、社員のやる気を奪わずにコストを抑えることが可能です。

 

節約は企業を強くするための手段ですが、やりすぎれば逆に企業を弱体化させます。
だからこそ、「削る」よりも「効率化」で成長資金を捻出していきましょう。

 

本日もありがとうございました。

お金を貸したい!投資したい!と思わせる力は「交渉力」だけでしょうか?
実は違います。資金調達の神髄は交渉テクニックではなく、経営者としての人間力にあるのです。

もちろん交渉そのものは必要です。
ただし、成果を左右するのは小手先の駆け引きではなく、あなたの人間性。
相手が大手企業でも、こちらに優位性を引き寄せられるのは「人間力」によるものなのです。

資金調達に必要な3つの人間力

  1. 誠実さ
     嘘をつかない。自社だけの都合ではなく、相手にもメリットのあるWin-Winを真剣に考えること。

  2. 継続力
     一度で成果が出なくても、何度も交渉を重ねる粘り強さ。
     人は繰り返し触れることで心が動かされるものです。歴史上でも、讒言を繰り返された皇帝が次第に信じ込んでしまった例がありますよね。悪用すれば恐ろしいですが、前向きに使えば最強の力になります。

  3. 信頼度
     相手が「この人に任せたい」と思えるかどうか。
     私自身、サラリーマン時代に最初は名刺すら受け取ってくれなかった資材部長が、しつこく通ううちに打ち解け、最終的には飲み仲間になった経験があります。

CREDITの文字が並ぶサイコロ

まとめ

資金を得るのに必要なのは、交渉テクニックではありません。
「この人なら任せたい」と思わせる人間力そのものです。

ぜひ日々の交渉で、誠実さ・継続力・信頼度を意識してみてください。

 

本日もありがとうございました。

サラリーマン時代、部下に「頼んでおいた資料、できた?」と聞くと──
「えっ!ま、まだです。少々お待ちください!」と退席。
やっと上がってきた資料を見たら、ひどい出来…。そんなことばかりでした(笑)。

これは特定の部下だけではなく、多くの職場でよくある話です。
結局、中間管理職が自分で作って対応してしまう。上司受けは良いかもしれませんが、これでは組織全体の力は伸びず、企業としては危機的状態ですよね。

もちろん、人間ですから大事なことを忘れてしまうことは誰にでもあります。
でも、それを防ぐ方法があります。
それが 自分の事業計画となるメモの力 を使うことです。

◆なぜメモが必要か?

今の時代、会議でもメモを取らない人が多い。
さらに、議事録を作る人がいない会社も珍しくありません。
これでは「話したこと」が残らない。結果、せっかくの会議が無駄になってしまいます。

議事録の書き方はまた別の記事にしますが、まずは自分用の「事業計画メモ」の書き方をご紹介します。

 

スマホでメモを取る手

◆メモの具体的な書き方

  1. 上司から依頼された事項を優先事項として記録する

  2. 言われた期日を必ず書く

  3. その上で、自分が余裕を持って終えられる“自分の期日”を設定する

  4. 期日までに何をするかを細かく分解して書く

  5. 箇条書きで管理し、終わったら「二重線」で消す

この方法なら、メモが減っていくのが目に見えてわかり、達成感も得られます。

 

そして、このメモは「絶対に手書きでやってください!」

◆メモが潜在意識に効く理由

メモに書くことで「忘れない」だけではありません。
潜在意識に刷り込まれるので、頭の中に常に残り、自然と「どう動けば効率的か」を考えるようになります。

人間は忘れる生き物。
だからこそ、メモは忘れを補完し、効率を何倍にも高めてくれる“魔法のツール”なんです。

これをやらない人は、本当に天才か、あるいは学びを得ない人かのどちらか。
私の周りでも助言してもやらない人が多く、「なぜだろう?」と思うことがしばしばあります。

ちなみに冒頭の部下も、言われた瞬間はやるんですが、翌日にはもう忘れていました…。
根気強く育てる気力もなく、そのまま放置したら結局辞めてしまいましたけどね(笑)。

 

本日もお読みいただき、ありがとうございました😊