別大マラソンの若林くんを見ていて、陸上経験者は未経験者に比べ、「もうムリ」と思ってからもう一段階追い込めるという話はこういうことかと納得しました。
箱根の青学って憎たらしいほど強いので、ついそれ以外の大学に肩入れするんですが、昨日は我知らず「がんばれ!がんばれ!」とテレビの前で声に出して若林くんを応援してしまいました。
ちなみに原監督が「若の山…!…?若の神!いや、山の…若の神だ!山の神だっ!」と大興奮してわけがわからなくなっていたのにも「原さん落ち着け」と声に出してつっこみましたw
原監督は前から「日本の長距離界は駅伝メインになってるからマラソンが弱い」と言っていましたが、さすが言うだけのことあって、ちゃんとマラソンで戦える選手を育成してるんですね。名将だわ。
などと感動にまかせていらんこと書いてると、また長くなるので本題に入ります。
スタートしてすぐ気付いたのは脚の重さ。
重っも…なんだこれまったく上がらん…
一週間ランオフしてるのに、この重さはどういうわけか。
大会まで一週間ランオフなど、特に冬のレースでは私の場合まったく珍しいことではありませんが(寒くて家から出たくないから)、その分当日の脚は比較的軽いのが定番。なのに今日のこれは一体。
勝田の路面はかなり凸凹で、序盤から転倒の不安が止まらない。
実際3km手前で路面に引っかかってつまづき、過去最速で公衆の面前転倒を晒しそうになって冷や汗が出ました。
重いといえど、まだ脚に力があったから辛うじて踏みとどまりましたが。
さらに言うなら息までしづらい。
深呼吸ができない、酸素が深いところまで入っていかない。
息を吸うと胃に圧迫感があったので、これはもしかすると食べ過ぎかもしれない。
食べ過ぎなら時間が経てば改善されるだろうと、極力意識しないよう心がけます。
この状況ではDNFもあるかもしれない。
しかしどこでやめたらいいのか、もちろんコース図も見てきていないので見当もつかない。
このように自分の状態でいっぱいいっぱいだったので、風景も沿道も見る余裕ゼロでした。
実際後でコースを見たら、5kmまでは復路とかぶってたんですね。
全然記憶になく、完全に初めて走る体で35kmからを走ってました。
さらに、予報通りの風!
会場に着いた頃まではほとんど無風に近かったんですが、スタート前から徐々に吹き出し、スタートしてからは遠慮なくビュービューですよ。
田んぼで遮るものがない場所が多いのもあって、ときおり吹く突風とか、もうあからさまに「ビュオゥッ!!」って音してたからね。
私、人より幅が広いせいか、風って堪えるんですよ。
周りはみんな気にせず走ってるように見えるけど、寒くないの??
私、下にファイントラック着てるし首にバフも巻いてるけど、めっちゃ寒いよ!
特にランパンとゲイターの間、素肌むきだしの腿が無防備で超寒い!見た目ももう真っ赤だし!!
強い北風は体温を奪い、体力を奪う。
知らずに出てるとは言え、ただでさえこんなガチな大会に堂々と出られる私でもありません。
ここは温存一択。
そうじゃなくても今日は脚も心肺も調子が悪い。できるだけ長く走るためにも。(やめどころがわからないし)
ここ最近のレースではほぼ毎回持って走っている、100均のポンチョ。
コースを外れて歩道に移り、ポケットから取り出します。
圧縮されたポリエチレンは極薄だし無尽蔵にあちこちから吹く風が邪魔するしで、2分近くかかりましたが、どうにか装備完了。
風が通らないってあったかい!!最高!!
ちょっと元気になり、コースに戻ります。
勝田のコース、アップダウンありますってかっきぃさんが言ってたけど、ほんとにあります。
網走の5km地点みたいな「坂じゃコラあっ!!」って坂はありませんが、細かくアップダウンです。決して平坦とは言えない。
あの人、あんなに速いのにちゃんとコース見ててすげえなと感心しながら進む。
風に対する防御力が上がったので少し余裕ができ、脚の重さも息苦しさも当たり前になり始めたころ。
左側からビュービュー吹き付けている冷たい風に、ビニールの恩恵にあずかっていない顔が寒い。
そうだ、このポンチョにはなんとフードも付いている!100円なのに!
このフードを顔面左側面に持ってこようと、ぐいっと引っ張り、目的地でフードを離した途端
ビタっっ
風に煽られて、フードが顔に張り付いた!!
い、息ができん!!!
ちょちょちょ、マジで息できない!!空気が1ミリも入ってこない!!
ヤバい死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!!!ほんと死ぬ!!!死ぬって!!!
この間、もちろん張りついたビニールを必死ではがそうとしてるんですが、手袋をはめた指は焦れば焦るほど思うところを掴めない。
2度目の呼吸も、無情にも1ミクロンの酸素も取り込めず。
マジで死ぬ!!と思ったそのとき、奮闘していた右手ではなく左手が頭部からフードを掴み、引きはがすことに成功!
ひょおおおおっっっ!!!(吸気)
ぶっはあっ!!(呼気)
ゼヘーゼヘーゼヘー
ゼーゼーゼーゼーぜーぜーぜーゼー
はあはあはあはあはあはあはあはぁはぁ…
くらくらくら(目まい)
軽い上り坂でしたが(しかもなぜか走り続けていた謎)、周りのランナーは驚いたでしょうね。
ここ、そんなゼーハーする坂か?って…。
危なかった…今後ポンチョのフードは絶対に後頭部にしか被らないと肝に銘じよう…。
しかしポンチョの奴、ずっと味方だと思ってたのに裏切りやがった…。(違う)
冗談抜きでほんとに死ぬかと思いました。
世の中に死因は数あれど、こんな死に方イヤだ。
今こうして思い出して書いてるだけで心拍が上がるトラウマ…。
大事にならなかったからこそ笑い話ですけども。
周りの誰にも気付かれずにひっそり三途の川を見てきた私、完全に脚の重さと息苦しさを忘れました。
大は小を兼ねる。(違う)
ようやく10kmを突破、ここからの主な敵は風です。
※スマホ置いて走ったので写真なくてすみません