そんな(?)わけで、文字しかない長文レポ続きます。
おかやまの給食は早くから始まります。
10.8kmで早くも目当てのひとつ、シャインマスカット。
一人一つでーす!と女子高生がせっせと手渡してくれました。
走ってるときのフルーツはいつもに増して美味しい、そして食べやすい。
その先にミニトマトもあって、こちらは個数制限もなさそうでしたが同じく一つ。
このトマトが、シャインマスカットの後なのに甘いと認識できるほど美味しかった。
バカスカ抜かれる状況はまだ変わっていないものの、人・人・人で動けるスペースが前しかないという状況ではなくなったので、このエイドを機に少しペースを落としました。
そこから少し行ったところに給食でも提供されている源吉兆庵の工場があって、その前で番重を手にした社員と思しき方々が立っていらっしゃる。
これ、私設なんでしょうか?ゼリーとかおまんじゅうとか、数種類のお菓子を提供してくれていました。
私が寄った隣の番重におまんじゅうがあって、それが欲しくて何度か手を伸ばすんだけど、後ろからドカドカとランナーがドついてきて取れない。
男ども邪魔すんじゃねえ!わしゃそのまんじゅうが欲しいんだよっ!!(てか人ドつくほど急いでんなら菓子に寄ってくんな)
と(卑しく)心の中で叫んでいた私の前にいたおそらく社員の女性、「おまんじゅうですよね!」と言うや隣の番重からまんじゅうを取って手渡してくれた…。優しさレベル100の美人、無敵女子…。
こめつきバッタのごとく頭下げたいところでしたが長居してるとドつかれるので、できる限り丁寧にお礼を言って先へ。
しかしどこの大会でも見ますが、出してくれている給食を鷲掴みした挙句、バラバラこぼして踏んでいくマナーの悪いランナーが多いのはなんとかならないものでしょうか。
給食のたび、足元に落ちまくっている食べ物を踏んでしまうのが苦痛で仕方ない。
全部食うならまだしも、基本一つでいいだろ。
それにまだ後ろの人だって食べたいんだぞ。数が足りなくなるじゃないの。
100歩譲って、1つ以上取るなら責任持って1つも落とすな。
つい苦言が出てしまいましたが、なんかおかやまは他に増して落ちてる食べ物が多かった気がして。
なおこれは運営側ではなくランナー側の問題なので、おかやまに対して負のイメージを持つものではありません。
早々に文句言ってすみません、話を元に戻します。
まだ10km過ぎたばかりのところですが、だいぶバラけてきたので沿道側を走ります。
年に一度行くか行かないかのマッサージに金沢からの2週間で2回も行ったので、足は軽いんだけど上がらないの。
軽いけど上がらないってなんなの。軽くても上がらないんだったら「脚重」ってなに?(知らん)
だいぶ早いけど、沿道の応援にすがるしかない。
この辺りは街中からはずれているためびっしりというわけではありませんが、誰もが家族のように声をかけてくれます。
それはこのゾーンだけでなく、おかやまの沿道は総じてそんな感じ。
とても優しくてあたたかくて、そしてなんというか、男女関係なくかわいい。
大人もかわいいので、子どもも当然かわいい。手を振ると恥ずかしそうにちゃんと振り返してくれる。
岡山の子ども、マジでかわいかったです。
両側が田んぼだったので、おそらく農業用水だと思うんですが、道路の横下方に広めの用水路が流れてたんですね。
用水路の向こうにスーパーがあって、その駐車場でこちらを見物してる人たちにも手を振ってみる。
けっこう距離が離れてるんですけど、手を振っていることに気付くとみんな振り返してくれる。
また、「頑張れー」と言ってくれた若い女性に「ありがとう!」と返したら、返事に感激してくれたようで「なんていい人なの!」と彼氏に訴えている声が背中越しに。笑
いや、見知らぬ通りすがりのランナーを応援してくれるとか、それこっちのセリフだからね。
応援に「ありがとう」と言うと、なぜか「ありがとう!」と返ってくることもあり、ありがとうの倍返し…。
この世知辛い世の中で、こんな幸福な気持ちで4時間以上過ごせるなんて、マラソン大会以外にあるまい。
そうこうしているうちに13.5kmのエイド。
「いちご夢二」は昨日岡山駅で土産を物色してるときに見た。試食させてもらって、美味しかったら買って帰ろう。
基本、エイドに提供してくれてる会社のものは全社買って帰りたい気持ちなんだけど。
それと織部錦という和菓子を一つずつ、背中に手を回してリュックに入れる。
いちいちリュックを下ろさずとも放り込めるよう、背中のリュックはファスナーを開けっぱなしにしていたんですが、道中2人の親切なランナーに「閉めましょうか?」と声をかけてもらいました。
まさかエイドの給食を入れるためにファスナー開けてるとか(それ以前にリュック背負ってるとか)思わないよねw
食べるに代わるエイド制覇の方法を会得しちゃってなんかすみません。
そしておかやまマラソン唯一のスライドゾーン。
高低差表でいうと5つ目から6つ目の山周辺です。
写真がないからってまた出す。
ここを勢いそのままに上りかけたとき、突然心臓がチクっと痛み、さらに変な動悸を感じる。
金沢から2週間という不安材料を土台に、ネガティブな想像力はさらにたくましいものですから、瞬間で自分が膝から崩れ落ちて倒れ、AEDで電気ショックを与えられている妄想に襲われる。
なにかあって人様に迷惑をかけて大会を騒がせてはいかんと、意識的にペースを落として急遽しずしずと徐行運転。
上りとあって増えていた沿道の声にも、皇室の気分でおしとやかにお手振りするにとどめる。
頂上ではゲストのオリンピアン坂本直子さんが明るくハイタッチしていましたが、進路は変えず粛々と進む。
そんな調子で心臓をしばらく警戒していましたが、2kmほど先で大丈夫そうだと見極めました。
脚にも心肺にもまったく自信ないんだからこういうのほんとやめてほしいと思いつつ、ここでペースは当初の予定通りのキロ6に落ち着く。
スライドするランナーと心の中でエール交換しながら、中間地点目前の19.5kmにエイド。
ここでは白桃ゼリーを取り、さらに男子高校生から手渡しでみかん一つをもらいました。(「ナイスみかん!」と言われたw)
そういえば書き忘れてたけど、17kmのところにもエイドがあって、ごく小さなカップに入った白桃のコンポートを食べました。
岡山の桃って有名ですが、この時期に生の桃はないからでしょう、加工した桃で楽しませてくれます。
こういうところにもランナーを名産物で喜ばせたいという意思を感じます。
さらにハーフを超えた直後にもエイドがあり、こちらではナスの漬物をいただきました。
おかやまはフルーツとか野菜とか水系の給食が多くて嬉しい。金沢は果物一つもなかったんだよなあ。
ていうかエイド近くない?目白押しですごくない?
しかもね、書いてるものしか置いてないわけじゃないんですよ、書いてるものの他に2、3品あるんですよ。
ええ、ちゃんと網羅して一つずつリュックに放り込んでますよ。
恐るべしおかやまマラソン。
ただ、これだけ至れり尽くせりで歓迎してもらっているので別に言う必要もないんですが、あえて言うならコーラはない。(←言う)
でもそこは親身になって応援してくれる沿道の私設エイドがカバー。
コーラはランナーの人気者ですし、私設という私設でコーラを飲み散らかすのもいやらしいので、2ヶ所でいただきました。
応援に立ってくれるだけでも感謝の念に堪えないところ、私財を投じてエイドを出してくださるとか本当にありがたい。
実はこの世に神はたくさんいる。
水分多めの給食が多いこともあり、金沢を思うとだいぶ食べてますが、実はこの日はちゃんと補給食を持っていた私。
しつこいようですが、なにしろ金沢から2週間。
ほんとにちゃんと走れる信用がないんですよ、自分に対して。
去年も同じく中1週で金沢から松本だったんですが、その松本でハーフ前から歩き倒した苦い思い出もある。
一人ならまだしも今日は応援隊もつれてきていることだし、あまり待たせるのも悪い。
やれることは全てやろうと思った結果が、マッサージだったり補給食だったりしたわけです。
そして補給食は10kmから10kmごとに合計3つ摂ったので、エネルギーは常に満タンだったと思います。
でも、エネルギーが満タンであれば脚が順調に動くというわけでもない。
今日はどこまで走れるかな
金沢は30km過ぎても走れる感じがあったけど
レースをロング走とするなら、そこそこロング踏めてることになるんだけどな
脚、上がんないな~
靴先が道路を擦りはじめます。
25kmを過ぎたあたりから、また少しずつ沿道の数が減っていきますが、それでも50mと空けず誰かが応援してくれる。
その中におじいさんが一人で何かを書いた大きい段ボールを掲げていて。
何が書いてあるんだろうと目を凝らしていた私に気付いたのか、おじいさんがその段ボールをくるっと裏返しに。
そこには「走るのがつらくなったら景色を見よう」と黒のマジックで書いてありました。
そういえば沿道の人々に夢中で、景色あんまり見てなかった。
おじいさんのボードに促されてふと景色を見てみたら、周囲一帯収穫が済んだ枯れ畑。
なるほど、だから沿道の人が少なくなってたのか。
いや逆だ、この環境でこれだけ応援してくれる人がいるのがすごい。おかやますごい。
環境を認識したことで、むしろ沿道に戻るw
畑ゾーンを超えると、大きな工場が立ち並ぶ工業地帯?に。
…工業地帯だった気がするけど、なにしろ沿道ばっか見てるから定かではありませんが。
どこからどうやって来たのか、再び沿道は人がびっしり。
後でコースを確認したら港が近かったみたいなので、立ち並んでたかどうかはともかく、工場もそれなりにあったことと思います。
私の周辺には常に2、3人の仮装ランナーがいました。(帽子のみとかの軽い仮装も含む)
そのとき近くで走っていたのが、全身セーラームーン(男)。
このセーラームーン、それはそれは沿道からたくさん声援を受けていたんですが、対応が塩。
ほんと塩。とにかく塩。まあ塩。これでもかという塩。
沿道の小学生くらいの男の子が、金髪カツラが取れそうなのを気にしてるセーラームーンに「もうカツラ取れてもいいよ!」って叫んでたのもシカト…。
マラソン大会で女装する男性ランナーってよく見ますよね。
普段からする勇気はないけど、許される場ならやりたいという場所がマラソン大会で、元々女装願望がある人なんだろうと私は考えているんですが、それはどうでもいいんです。
この日もセーラームーン以外のセーラー戦士、アーニャ、ウマ娘、ミニーちゃん、チャイナ娘等々(すべて男性)仮装ランナーを見てきましたし、ランナーも沿道も楽しそうで見ているこちらも楽しかった。
だからこそこういう仮装ランナー、もう心が痛んで仕方ないわ。
おいセーラームーン!!これだけ応援してもらっておいて無視すんじゃねえ!
マラソン大会は女装願望を満たすだけの場じゃないだろ!
心中めっちゃ叫んでますが、まさか本人に言うわけにもいかないので、意識的にセーラームーンの応援が届かないところに少し離れて、彼の非礼を詫びるがごとくの熱心なありがとう運動を開始。
前と隣のランナーに振り返って見られましたが、こんなことしょっちゅうなので気にしない。
するとなんと彼ら、間もなく私が「ありがとう」と言うと、続けて「ありがとう!」と声を揃えて沿道に手を振るように!
「とあことありがとう隊」結成w
思わぬ仲間を得てしばし3人で楽しく進んでいたんですが、そのときはついにやってきました。
とあこ、コケる…。
ありがとう隊の2人に「大丈夫ですか!」とすかさず声をかけてもらい、「大丈夫です!」と答えて立ち上がる。
立ち上がりはしましたが、転倒の衝撃で左ふくらはぎが攣ったらしく、走れない。
端に寄り、2人はそのまま先へ。
「とあことありがとう隊」、解散…。
短い時間だったけど、いい人たちだった…。
咄嗟に考えたのが「口が開けっ放しのリュックから戦利品がこぼれ出てないか」だった自分を恥じながら見送る。
29kmを過ぎたところ、まだ続きます。