「激坂」を超えてからも続くアップダウン。
元々多少のアップダウンがあるコースの方がリズムが変わって気分転換になるので好みなんですが、これは「多少のアップダウン」と言っていいんだろうか。
フルマラソンって42.195kmあるので、周回ならともかく平坦で構成することって普通に難しいと思うんですよね。
その中でほぼ平坦な名古屋ってよほど土地が低いんだなとか、今関係ないことを考えながら淡々と進む。(ちなみに今年の名古屋のエントリーは気付いたら終わってた←興味なさすぎ)
ここまで降ったりやんだりしていた霧雨も、もうすっかり止んだみたい。
降ってたところでまったく気にはならなかったんですけど。
ご覧の通り、応援し放題のコース事情ですが、応援の人は皆無。
そりゃ交通手段が徒歩しかないもん、ランナーという名の変態はともかく、普通の人はこんなところまで来ようとは思うまい。
でも自然がとても気持ちいいし、雨上がりの空気もほどよく湿度を含んでいて肺に優しく、最高の条件だなあと環境を楽しんでいたら、アップダウン区間は思うより早く終わりました。
森林を抜けると、一番の名所!
能取(のとろ)岬に出ます。
岬へとまっしぐら。
目の前に広がる景色に気を取られていましたが、ここけっこうな下り坂。
スライド区間であり、往復走るので帰りは上ることになります。
行きはよいよい帰りはこわい…。
この初めてのスライド区間の往路で4時間集団とすれ違う。
ざっと3kmくらいは差があったんじゃないかな。
最後までその差は縮まらなかったと思います。(追ってもないけど)
逆に復路ですれ違った4時間半集団とは1kmくらいしか差がなく、こちらは少し焦りました。
スタート早々に4時間半ペーサーの前に出た手前、吸収のち置き去りにされたらダサいのでw、せめてハーフまでは持ち堪えたい。まだ14kmくらい、あと7kmか…。
網走マラソンのすごいところの一つは、ランナーが喜ぶだろうことをすべてしているところ。
能取岬の灯台が見えてヨシ、とはしません。
まだまだ岬に向かってコースは続きます。白黒の灯台可愛い。
うーむ地面砂利だな、どう見ても…。
と思ってたら、今度は草地。
そして続く続く、灯台までのコース。
脚筋力標準以下のランナーには砂利と草地がたいぶ堪える。
なんと灯台の真下まで行き、灯台をくるっと折り返し地点にするコースなんです。
すごくない?こんなところまで走らせてくれる大会、そんなないと思うよ?
と言いながら灯台ではなく、42km中ここが一番近かった海を撮っていたらしい私…灯台撮っとけよ。
そして復路の14.4kmには第4エイド(第3は寄らなかったけど、飴と「お菓子な牛乳かい?」ってお菓子が提供されてた)。
手前に牛乳、いも団子とかぼちゃ団子、あんぱんを女子高生?女子大生?が差し出してくれます。
ついさっき誤嚥性肺炎がよぎった身としては、いももかぼちゃもあんぱんも喉に詰まりそうだと怯んで取れず、牛乳に相談する(@中央酪農会議)だけにしましたが、このすぐ後にそれを悔いることになる。
よほど草地と砂利が足にきたのか、復路の上り坂あたりから足が重くて重くて仕方なくなってきました。
練習不足がこういうところで覿面に出る…いや脚筋力の問題かもしれない。←
寝てるつもりとか言ってる場合じゃない、ていうかそれって力のあるランナーの言うことだよね。
半分もいかないところで脚動かないとか言ってるレベルのランナーは、なんなら寝てる場合ではない。
景色を見たりおしゃべりしてるランナーの会話を聞いたりしながら気を紛らわせているうち、ふとエネルギー不足ではという疑問が頭に浮かぶ。
今朝食べたくなくておにぎり一個だったもんなあ…。
普段から何も食べずに走りに行くけど、普段はこんなに走り続けないもんなあ…。
継続して走るのにおにぎり一個は足りなかったかなあ…。
しまった、さっきのあんぱん食べときゃよかった。
牛乳とあんぱんなんて相性最高なのに!
最後だけ後悔の種類が違ってるところはおいといて、エネルギー不足説は私の中でむくむくと現実味を帯びてくる。
ためしにエネルギーを補充してみようと、一つだけ持っていたジェルを食べました。
エイドが充実しているという情報だったので、持たなくてもいいかと迷ったジェルでしたが、なにしろコイツ、賞味期限が半年過ぎている。
置いといても食べないし、とりあえず持っていこうとポケットに入れてきて良かった。(腹を壊す心配はしない)
早くも自分と向き合い始めたところにトンネル登場。
トンネルの入り口に置いた箱に使い捨てのポンチョが積んであって、「トンネル内は気温が下がります。防寒にお使いください」ってなんという気遣い!!素晴らしい!!
ありがたく使わせてもらおうかと一瞬足を止めましたが、今現在別に寒くはない。
なにより個人的に携帯ポンチョを持っていることを思い出し、気持ちだけありがたくいただきました。
そう、私は今日も持っている。松本と鹿児島で大活躍したポンチョを。
今回ももちろん自分の完走にまったく信用がありません。←
これ。めっちゃ推しw
実際トンネルはまったく寒いとは感じず、それより景色が見えないからわかりにくいけど、どうやらかなり下ってるようで、飛ばし過ぎないようにスピードコントロールに集中しているうちに抜けてしまいました。
ひんやりしてて真っ暗で、気分転換になってなんか楽しかったな。
風がある日だったら運営の心配の通り、寒かったかもしれません。
とか余裕ぶっこいてたんですが、トンネル出たところで「寒っっ!」と声が出るw
強めの向かい風が吹きつけてきます。
後でHPを見たところ、ここで振り返るとオホーツク海と能取岬の灯台が見えたそうです。
道理で「景色いいよスポット看板」があったわけだ。
振り返っときゃよかったなあ。
ちなみに能取湖はサンゴ草の群生地です。
通常9月下旬といえば見頃のはずですが、とにかく最近の夏は暑い…。
当然北海道も例外ではなく、どうやら大会前に見頃は終わってしまったようです。
(向こうの方に赤い帯)
楽しみにしてたんですけど、こればっかりは都合よくいかないですね。
結局エネルギー不足だったのかなんなのか脚は変わらず重いけど、どうにか動かし続けています。
なお寒さはトンネル出口の周辺だけで、1km進んだら再び快適気候に戻りました。
目標タイムも何もないながら、最初に5’55くらいと設定したのでそこを目安に体感で走り続ける。
時計はほぼ見てませんでしたが、あまりに脚が重くて進んでないと思ったときはチラッと見てみる。
そういう時はたいていキロ6を軽~く超えてるので、前を走るいいペースの人を意識してみる。(付いていくわけではない)
こんなことを繰り返しながら歩を進めていました。
ところでこれまでたくさんの大会を走ってきて、実感として中規模大会が一番いいというのが私にはあります。
大規模大会は賑やかで楽しいけど、いかんせんどうしても走りにくいし、コース以外でも人の多さがストレスになることがある。
その点中規模大会は寂しくもなく、スタートやゴール後を含むあらゆる場所で人が多すぎて進路が妨げられるということもなく、動線さえきちんと確立されてる大会ならストレスはほぼないと言って良い。
網走マラソンの2600人(過去最高らしい)が中規模といえるかは基準をどこに設定するかによるけど、参加人数が少ないおかげで都市型マラソンみたいに行く先行く先で人が邪魔みたいなこともなく、3時間切って走る人たちはこんな進路事情なんだろうなと思うくらいのとても快適なコース取り。
まあサブ3なんて夢にもならないのであくまで想像なんですけど、とにかくどこまでも真っすぐ走れます。
20kmで個数限定、ボディメンテのエイド。
あれ、てっきりドリンクだと思ってたけどゼリーだ。
差し出してくれる女子から「ありがとー!」と勢いそのままに(※たいした勢いではない)パシっと受け取ります。
しつこいようですが、脚が重いので何にでも頼りたい気持ちでいっぱいだったところ、後ろでおしゃべりしながら走っていた男性ランナーたちが「思ったよりネチャっとした食感ですねw」「走りながら食べるもんじゃないですねw」などと話しているのが聞こえたので、黙ってポケットにしまう。
…うん、これはゴール後にいただこう…。