先週、実家周辺の小山超えコースを走ってたんですよ。
そう、松本マラソン対策でここ2年くらいよく走っていたコースです。
小山なので「生活道路」と呼んで差し支えない立ち位置ながら交通量は極めて少ないので走りやすく、それでいて一応山なのでアップダウン(しかない)もあり、コースとして気に入っており、実家周辺を走る時はほぼこのコースを使っています。
季節外れに暖かく風もなかった土曜日、大汗をかきながら2週間ぶりに(←)走っていた私に、道路脇に停まっていた軽自動車に乗ったおじいさんが声をかけてきました。
「すいません」
私、こんなに激しい性格なのに顔に出ていないのか、顔よりも主に体型から醸し出される全体的な無害感が重要視されるのか、よく道を訊かれます。
走っている最中にも声をかけられるのは(歩いてる人だけでなく車からも)、おそらく走っているようには見えないからだと思いますが。
なので、この日もそうだとばかり思って足を止めました。
じいさん、迷い込んじゃったのかな?
「先週ねえ」
いや、これ道尋ねる人の導入句じゃねえな。
軽度認知症の高齢者か?
職場柄よくこういう事例を耳にするので、思わず構えて顔が強張った私にかけられた、おじいさんの次の言葉が
「ここ(私の背後の林を指しながら)でクマが出たって、写真に収めて回覧板が回ってたから気を付けて」
(イメージ)
「Σえっ」
「木に登ってたらしいです」
「ほんとですか!怖っ!!」
「気を付けてください」
「ありがとうございます(聞きたくなかったけど)」
親切なおじいさん、認知症と思ってごめん。
でもここでそれ聞いても何も対策できないし、仮に今クマに遭遇したところでやっぱり何もできないから、世の中には知らなくていいことがあると思うんだよね
そこからはひたすら恐ろしく、イヤホンも外して両サイドの林から聞こえる音に神経を配り、ただただ一刻も早く山から抜けたい一心。
自家用車、工事車両、営業車、バイクや原付も心置きなく切れ間なくこの道を走ってほしい。(けど一台も通らない)
よほど怖かったんでしょう、おじいさんに会うまでは歩きとの差がわからないくらいチンタラチンタラ歩を進めていたのに、明らかにスピードが上がっている。
まあ私が山道をも3分台で走るランナーだったところでクマの走力の前では無意味ですが、走ろうと思えば走れるんだね…ただの怠けだってことがよくわかったよ…。
やがて車通りの少ない山道を抜け、中央線がある広めの道路に出たところで一安心。
明るいし、昼間だからひとまず大丈夫。
…
……
………
いや、幽霊じゃねえわ。
はたと気付き、クマの厄介さに愕然。
道が広がったところで、まだ四方は紛うことなき山林地帯。ここを抜けるまでは安心できない!
幽霊の方が100倍マシですわ!
本当に今年のクマはヤバいですね。
ここ愛知ではこれまでクマの目撃すら聞かなかったのに、山といっても300mもない低山にまでクマの気配が。
4、5年前に父が「50mくらい前をクマが横切ってった」などと言っていて、愛知に、しかもこんな生活圏の山にクマなんかいないと笑い飛ばしたことがあるんですが、出てこなかっただけで実はいたんでしょうね。
エサ不足で、ついにその姿を見せたわけで。
(先々週、北海道の円山動物園で撮ったヒグマ)
て言うか、この日は異常にあったかかったけど一応冬だし!
今年のクマは腹が減りすぎて冬眠できないって話も現実のようです。
元々クマが出る地方でもないから当然猟友会なんかあるはずもなく、実家周辺に出たクマが駆除されることはないでしょう。
これからはジョギングでも熊避けスプレーを携帯しなきゃダメだろうか…それも効かないって話も聞くけど…。(勢いよく目に入ればいいんだから、いっそゴキジェットとかでもいい気がするが問題は嵩張ることか)
クマがかわいそうだと駆除にクレーム入れるバカな奴らがクマと一緒に住んで、見張ってくれるのがwin-winで一番いいとずっと思ってるんですけどね。
とりあえず来年の初詣では、「足の踏み場もないくらい山にドングリが実りますように」という願い事にします。(一見平和)
(突然ぶっ込む、北海道で食したスープカレー)
なにしろ今年は都市部にもクマの目撃があるみたいなので、皆さんもくれぐれも気を付けて。