翌日曜日、5時に起床。
私の部屋のテレビのリモコンが、壊れてるのか電池がないのかでチャンネルを変えることができないので、点けた時のTVショッピングを観ながら朝ごはん。
昨日のドラマはAYUの部屋からリモコン借りて選局したんですが、事情を知ったテレビっ子のAYUからすると、そんなリモコンは真っ先にフロントに電話する案件らしい。
まあ私は音声・映像信号画面じゃなければそれで良い。
天気は基本くもり予報。
11時や12時には雨マークが付いていましたが、それより風速7m8mの予想が出てるのが気になります。
金沢の暑かった記憶が新しいので、半袖Tシャツ一枚にするか下にファイントラックを着るか最後まで悩み、出発10分前にファイントラックを着込む。
これは正解でした。なんなら腹巻きもした方が良かったくらい。とにかく風が強い日でした。
ホテルを出たのは6時50分。
松本駅からスタート地点までの最終シャトルバスが7時10分だったので、ゆっくりした方です。
参加人数が多くないのでギリギリでも乗れるでしょとたかを括っていましたが、実際バス自体が松本駅前の道路にズラッと10何台もいましたし、混雑も一切なく並ぶこともなくスムーズに乗れました。
朝早くからありがとうございます。
バスで20分弱走り、スタート地点の松本総合体育館へ。
特にすることはないけど、寒いので女子更衣室へ直行。
つい最近まで朝から20℃超だった異常気温の愛知から、急に3℃とか体がついていけない。
女子の参加者数が少ないので空いてるし、あったかいし、15分くらい寝ました。←
スタートは8時15分。ブロック閉鎖は8時。
荷物預かりの締め切りは7時50分。
こんな詰めたスケジュールでも大きな混乱がないのは中規模大会のいいところ。
雰囲気は規模が近い松江城マラソンとよく似てる。
私はBブロックでした。(確か松江城もそうだった)
Cの先頭に4時間ペーサーがいたので、3時間59分で出したのかもしれない。(他人事のように)
8時15分、号砲。
スターターは冬季オリンピック金メダリストで長野出身の小平奈緒さん。
スタートゲートはすぐそこに見えてたのに、50秒のロスタイム。
まあ、どうでもいいんですけど。
スタートからしばらく下り基調で、ペースキープするとばっかばか抜かれていきます。
この調子で抜かれてたらすぐ最後尾だなと思いながら、私にはそれより気になることが。
パンツ(下着)です。
…あら突然の下ネタでごめんなさいね、でもこの日、何を隠そう半分くらい下ネタで思考が支配されてたので、まだこの後も続きます。
イヤな人は早めに離脱することを推奨します。
で、パンツですよ。
昨日おろしたばっかりのnewパンツだったんですけど、これがまあ緩い。
どうもシームレスパンツというのは私には相性が悪いようで、すぐ下がってくる。
縫い目がないから擦れないって点で採用したんですが、走る振動でスルスルと落ちてきて気になって仕方ない。
パンツ(ウェア)の股があるから脱げることはないけど、あまりの下がりっぷりに両脚側面から派手なピンク←がひょっこり出てくるんじゃないかと気が気じゃない。
なんなら昨日から普通にずり落ちてきてたんだから、その時点で替えれば良かったと後悔しつつ、パンツ(ウェア)の上から引っ張り上げること数回、数キロ走って汗ばんできたことで問題は解決しました。(汗で止める至ってシンプルな方法)
松本マラソンの最初の見どころは松本城。
第一回はチラッとしか見えなかったのを、周囲をぐるっと一周するコースに変わったそうです。
最後の「辺」で、そういえば今日はスマホ持ってたと、慌てて撮った写真がこちら。
主役を工事関係のプレハブとテントに持ってかれてる。
街中も通ります。
沿道がスカスカだったなんて大会は未だ一度も走ったことがないけど、松本の沿道も例外なくたくさんの人が立ってくれていました。
8時15分なんて早いスタートなのに、しかも気温3℃なのに、マラソン大会の沿道は朝からあったかいです。
松本城の歩道にヤギがいたのと、勇ましい女性武将率いる鉄砲隊がいたのが印象深い。
まだ序章なのに、松本の沿道はなかなか濃い。
6km手前の松本美術館周辺で、父が「信毎」と「松本マラソン」の旗を振りながら立っていました。(新聞社の人が配ってくれたらしい。旗って応援感出ていい)
出したスマホが上手くフリップベルトにしまえず持って走ってたので、父の前で一旦ストップ。
片手のOS-1ジェルを父に持たせ、スマホをしまって、向かい側で手を振っていたAYUに手を振り返して再スタート。
薄川を上流に向かうコースの橋のたもとには、中学生とおぼしきブラスバンドの子たちが演奏を披露してくれていました。
早朝から川の上なんて寒いところで応援してくれるだけで母親世代の私を泣かせるのに十分でしたが、内容がLOVE2000とかマラソンにちなんだものだったのも憎い選曲。
LOVE2000とか、中学生じゃ生まれてもいない頃の曲だろうに、知らない曲をこのために練習してくれたんだろうなと思うと、さらにおばちゃん感動が止まりません。
そしてこの景色!
日本アルプスの山々に囲まれた長野は、北から南までどこに行っても絵画みたいな山の景色ですが、ここ松本ももちろん例外ではありません。
こんなにずーっと雄大な景色が見られる大会、そうないと思う。(名古屋なんて42km中同じような街中だし…)
薄川を折り返すと、今度は雪化粧した北アルプス(多分)が!※上の方の白は雲です。拡大するとわかりやすい。
ちなみに私たちが松本入りした土曜日はまだ雪はかぶってませんでした。
たった一晩で冷えたみたいです。
下流に向かうこの沿道には「残り34km!」というボードを持った子連れのパパが「あと少し!!34km!!」と全力応援。
ほんと全力で、すでに声ガラガラだったので気持ちはありがたく受け取りましたが、全体的に内容が嬉しくないw
後ろにいた若い男子も「どこがだよw」とかツッコんでて、でも和みはしたかな笑。
薄川を背に、コースを南下し始めた11km付近で再びAYUの応援。
父も同じところに出没予定でしたが、5km地点でコースを渡れず断念したらしい。
そんなこともあろうかと向かい側にいたAYUの計画性が光ります。
ところで総じて強風だったこの日、スタートからしばらくは気にならない程度だったんですが、この辺りからものすごい風が吹き始めました。
特に南に向かっていくときは向かい風で、体温と体力をもっていかれる。
しかも松本マラソンはここから10kmほど南下していくコースです。
アップダウンはわかってることだからいいけど、風はやだなあ…。
松本マラソンが「売り」として前面アピールしている15kmからの上り。
ずっと上っているわけではないですが、10kmほど続きます。
ここに、ゲストのプロランナー神野大地にちなんで「山の神賞」なるものを設けた運営。
3時間以内、4時間以内、などゴールタイムで分けて、その中で15kmから25kmのタイムが最も速かった男女をそれぞれ表彰するという企画です。
フルマラソンにおいてアップダウンの多さは敬遠されがちですが、それを逆手に取ってこういうオリジナリティのある企画を考えたのは運営の努力以外のなにものでもありませんし、いい大会にしたいという想いが感じられて胸アツ。
ちなみに気になる勾配は、山の神ゾーン全体的にさほどでもありません。
ほぼ平坦みたいな上りもある。
「山の神」神野くんなら居眠りしながら走り切るんじゃないかと思う。
そんな神野くん、山の神ゾーンの途中に立ってランナーを応援していました。
「腕振って!」「頑張って!」とアドバイス込みで声出ししてくれる姿に好感度アップ。
めっちゃランナーに取り囲まれてましたが、私もその隙間をぬってハイタッチしてもらいました。(感想→手小っちゃ!ていうか薄っ!いや細っ!)
そして、充実してないと思っていた松本のエイドですが…
すみません!すっごい充実してた!
今年から「峠の茶屋」と銘打って地元の銘菓やグルメの提供が始まったそうなんです。ここにも運営の努力。
私、事前にHPとか見ないんですが、ちゃんと1週間前に告知されてた!
記録ガチ勢はともかく、おいしくもないジェルなんか持たなくても大丈夫です。(どうせ着いた時には食べたくないんだけど、それでも楽しみにしちゃう)
山の神ゾーンの途中で提供されてたそば。
ここで手打ちしてるんだそうです。
食べたかったけどすごい並んでたので、この写真だけ撮ってパス。
全然提供が間に合ってなかったですが、初めての試みだからある程度は仕方ないですね。
熱意ある松本マラソンの運営のことです、きっと来年はきっちり修正してくることでしょう。
さて、ここまでなにげに触れてこなかった私の調子について、いよいよ触れなければならない時がやってきました。
端的に判断すると、普通でした。
脚は重いものの、それは明らかに金沢の疲労が抜けてないとわかるようなもので、金沢の時の体調不良とはまったく別物。
それだけの練習してないんだから中一週で万全に走れるわけもなく、そんなことは折込済み。
なので当初の予定通り、サブ4狙いで走り出しました。
が、その終わりは予想より早くやってきました。
薄川を上流に向かっている時からもう足が痛い。
一歩踏み出すたびに針が刺さったように痛む、足底筋膜炎の痛みです。
やっぱり中一週なんて私には負担が大きかったか…てかなんでレース中にくるんだよ!
3年越しで楽しみにしていた松本だけに、怒りにも似た感情がわいてきますが仕方ない。
20kmを待たずぽちぽち歩き出す。
風が強くて歩いてるとすごく冷えるので、念のために持っていたレインを装着。
話は逸れますが、DAISOで売ってるコレ、小さくて携帯に超おすすめ。
縦10cm×横5cmもないと思います。
中身はスーパーで肉パックとか入れてくれるような薄いビニールのレインですが、もしもの備えなら充分。
特に私のように4時間超えるランナー、途中で何が起きるかわからないので、確実に晴れる日以外は持っていても邪魔になりません!
薄いビニールがぴっちり圧縮されてるので、強風の中ではなかなか開かないしうまく着られず、着るのに300mくらいかかりましたが。
途中でボランティアの学生くんや応援の方に心配されつつ(頭がなかなか出なくて視界を塞がれた状態で歩いてるからw)、この大会で本当に助けられた一品でした。
26kmくらいで待ってると言っていたAYUに、この写真とともに「ロキソニン欲しいなー」とLINEを送り、ようやく終わった上り区間から駆け下りていくランナーを見送ります。
いや、この下りなかなかの勾配なんだが。
私、練習不足で脚の持久力に自信がないから、元気でも歩くと思う。後に響くw。
ここも景色が素晴らしくて、ああこのまま収容されるかもなー、でも景色が見たいからギリギリまで歩きたいなー。
長時間待たせることになるAYUには申し訳ないけど、会ったら事情を説明して歩かせてもらおう。
あんなに焦がれた松本なのに、不思議に悔しさもなく、そんなことを考えながら山下り。
この後、マラソンを人生に擬える意味を実感する道のりが私を待っていました。
長くてごめんね、続いちゃうよ