愛媛マラソン2023のすべて(とあこの場合)後編 | RUN!FUN♪RUN!

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走ることがそれほど好きではないのに、なぜかランニングを趣味にしてしまった怠け者のブログです。
走れば走るほど太るという奇跡のランナーの卒業ついでに
せっかく太った体を使って、1kg痩せると3分速くなる説の検証中。(※痩せる痩せる詐欺が止まらないため一時中止)

長くなる予感しかしないので、さっさと続きです。



平田の坂から続く長い直線を曲がった先の、ザ・田舎道みたいな何もないところ(のどかな景色と所々の集落からたくさんの人が出てきてくれてる)や、地域の山車みたいなのも出て賑やかしの鈴?鐘?を鳴らして地域のお年寄りが楽しそうに応援してくれる、私が好きな両ゾーンを経て、走りは可もなく不可もないまま応援に応えるテンションだけが着々と右肩上がりでハーフ到達。


ちなみに高級まんじゅうの山田まんじゅうエイドはハーフあたりにあります。

が、今日の私は17km付近の一六タルトエイドも山田まんじゅうエイドも、ボランティアの学生のピッチピチの応援だけ受け取ってスルー。


なんでかって、正直いつ止まってもおかしくない出来の脚なので止まるのが怖い(止まってゆっくり食べる気でいる)。

止まったら最後、歩く自信がある。

あと山田まんじゅうは昨日のうちに詰め合わせ買っといたから食べ損ねることはないという余裕。←?


仕方なく15kmでマグオンアップル、26kmで名前不明の赤いやつ、37kmでマグオンみかんをイヤイヤ投入しましたが、私だってできるものなら愛媛銘菓食べたかったですよ、そりゃ。(謎のおこモード)

しかも後からSNS見てたら一六本舗も山田屋まんじゅうも、エイドに新製品出してるじゃないの!

くっ、なんという太っ腹…不覚…!



後々そんな後悔を抱えることとは知らず、この先愛媛マラソン唯一のスライドゾーンに入ります。

今回は誰にも探してもらえませんが、どちらにしても往復3km程度しかないので、仮に私の出走がみんなに知られてたところで俊足揃いのアメブロガーとスライドできたことは過去に一度もありません。(堂々)

いいの、知り合いはいなくとも、一所懸命に走っている人たちを見ているだけで同志感がわいてくるから。


ギリギリのコロナ前開催だった前回はこのスライドゾーンから歩き出したなあ、今回は前回の自分は越えよう。

実際ロング走不足の脚は疲れて上がらなくなってきていましたが、今年の私はどういうわけか全行程通して気持ちが前向きでした。


実は10月の松本マラソンに出る予定だったんですが、出発前日に同僚のコロナ陽性が発覚し、その前日に彼女とランチのみならずそこそこの時間井戸端会議をしていた私も濃厚接触(仮)となりまして。

症状はなくとも保菌しているかもしれず、無差別に撒き散らすわけにもいかないと自制的DNS。

2年越しの松本マラソンをとても楽しみにしていたので、DNSを決めた時は本当に悲しかった。

あらかじめ送られてきていたチップの返却に際しては、ゼッケンの裏に切々と走りたかった無念を書き連ねてチップと共に涙の投函。

びっしりと字が並ぶゼッケン(の裏)に気付いた運営の方の衝撃はいかほどか。


そんな事情もあり、今シーズン唯一の大会となった愛媛はコロナ禍で走れなかった分まで絶対に楽しみたかった。

また自ら「難コース」と宣言して憚らない松本マラソンの対策として、走る時には選んで坂を走っていたのが細かいアップダウンが多い愛媛のコースでも役に立った気がします。

練習全てがジョグでも、平田の坂以外はほとんど気にならかったのは効能かと。



26kmを過ぎ、また平田の坂に続く長い道路へ戻ります。

練習最長距離を超え、脚はもちろんおもおも。

ですが全力ポジティブモードな本日の私、「ガマンガマン。我慢してればいつかフッと楽になる。まず30kmまで」と飽くまでも前向きに考えながら前を走る男性ランナーをパス。

すると彼が「30kmまでは走る、いける、頑張れ」と小さいながら声にして自分を叱咤しているのが聞こえ、思わず共感。

振り向き大きく頷いて激励した…つもりですが、全顔隠蔽スタイルですのでどこまで伝わったかはわかりません。


絶え間ない応援に延々お礼を言いながら走っていたら、あるランナーに「それ(フェイスカバー)しながら声出してると辛くないですか?」と訊かれ「これ、楽なんですよ」と答えました。

顔の日焼け防止や花粉対策の観点に於いて選択肢が増えたことと、コロナ前のように通行人に見た目でギョッとされなくなったことは、コロナ禍の中で数少ないメリットだと思います。


しかし言葉に嘘はないものの、そろそろ私も表情込みで沿道と交流したい気持ちが強くなっていたので、それを機に全顔隠蔽スタイルをやめました。残り14km、私も頑張るから唇も耐えろ。

ぐっとフェイスカバーを下ろした途端に沿道の反応が変わり、おかげで私もテンションがまた上がりました。めっちゃ楽しい。


少し先には有名なイチゴエイド(公式ではない)が3年前と変わらずそこにあってくれて、一ついただきました。

さらにコーラ飲みたいなーと思っていたところに佇んでいた女性が持ったボードに「ランナーの皆さんお疲れさまです。よろしければコーラをどうぞ」と控えめに書いてあるのを目ざとく発見。

ありがたくいただいたコーラの美味しかったこと。


往路から気になってたのが「とあちゃん(実際は私の本名)頑張れ」と書いたボートを持って立っていた3人。

復路にも立っておられて、通りすがりについ「私もとあちゃんです」と自己紹介。

私が通り過ぎてから意味を理解されたようで、声を揃えて「とあちゃーん頑張れー!」って背中に声援を届けてくれました。

いい大人が3人、見も知らぬ初見の「とあちゃん」に「せーの」で応援してくれたんだなと思うとその優しさと温かさが嬉しくて。

あの声を思い出すと今も泣ける…仕事中だろうと容赦のない四十路の涙腺…!(て言うか仕事中は仕事しなさいよ)



32kmを過ぎるとトンネルが二つ。

ここには往復必ず男子学生がたくさんいて元気づけてくれるので、もはや愛媛マラソンの名所と言っても過言ではありません。

走りながら、ああもう32km走ったのか〜練習で30km走ってないのに私すごいなあ〜頑張ったなあ〜とふと思った途端、充分重い脚がさらに重くなる。


…過去形だからか!

過去形で感慨深く「頑張った」なんて思ったから体が終了モードに!

慌てて心の中で「これからこれから、まだ動く!」と唱えて言い聞かせましたが、つくづくマラソンは気持ちだと驚きました。

そんなことがありつつ自分の現状を改めてみると、脚、当然超重いけど…まだ力が残ってる気がするんだよなあ…。


今まで一度だって30km過ぎてそんな風に思えたことはありませんが(それはそれでどうなのか)、不思議とそんな気持ちに。

いけるならいけるところまでいこうと、そのまま平田の坂も走破。

まあ現実は文字ほどの勢いはなく、坂の途中で手を叩いて応援してくれているおばあちゃんに「私、走ってる?」と尋ねたりしてましたが。(優しいおばあちゃんは「走ってる走ってる!すーごく速いよ!頑張れ頑張れ!」と一所懸命応援してくれた)


よし、山を越えた!

なんかわからないけど、私ますます走りたい!

楽しくて仕方がない!

そうだ、もしかしたら今から頑張ればサブ4できるんじゃない??


ここまでろくに時計も見ていないし、平田の坂も走って脚はもう本当に限界ぎりぎり。

すでに疲労困憊なのは体だけでなく頭もなので、まったく計算できないのにも関わらず、38kmの関門にあった時計を見て「キロ6でワンチャンあるな!」と、謎のポジティブモードは息切れの気配がありません。


ここにきて突如サブ4狙いとなり、それを糧にまた気力と脚力を奮い立たせているのに、相変わらず見てるのは沿道ばかりで時計を全然見ないのが意味不明。

多分、実際のところはサブ4なんかどうでもよくて、何かを理由にしても最後まで走り切りたかったんだと思います。



そしてフルマラソンでは毎回思う終盤の1km…いや100mの長さをイヤというほど味わいながら、ますます沿道頼みとなって手を振りまくっていた私に、あるおばちゃんが「あの子かわいいな」と言った声に気を良くした瞬間


コ ケ る 


バチか…バチが当たったのか…?(お世辞に喜んでバチが当たるって前世からどんな業を背負ってきてるんだ)

さらにたたみかけて次なる試練。



両ふくらはぎ

盛大に攣る。




痛っ!いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい!!


攣った瞬間、コケた時の記憶は全部飛んだので、自分がどう転んだのかは今でも思い出せません。

沿道やランナー、周りの人たちが「大丈夫ですか?」とかけてくれる声に答える余裕もない!

転んだ衝撃で帽子も脱げかけてるし、サングラスもキャイーンの天野くんみたいになってるけど、どっちも今は心底どうでもよろしい!


飛び起きて(←相変わらず骨が丈夫で何より)ガードレールに寄り、両ふくらはぎをひたすら伸ばす、伸ばす!


私、なんだかんだ言ってレース中に攣ったことないんですが、あれめっっっっっっっっっちゃ痛いですね!

かの有名なみやみさんの毒霧事件、さもありなんと身に沁みました。

そしてやっぱり、攣ったということは自覚はなくても脱水してたんでしょうね。



数分の間ガードレールにしなだれかかり、もたれかかり、これ以上ないというくらい甘えたところで恐る恐る脚を一歩踏み出してみると、どうにか先に進めそう。

これまで通りに走ろうとしても痛くて到底ムリそうですが、自分が走ってると思えるならもうそれでよし。

再びありがとう運動を繰り広げながら、どうにか走ってゴールに入ることができました。


後で見たラップによると最後2.195kmが16分台で、これまでの私のマラソン大会で最遅だったけど、最後までちゃんと「走った」と自信をもって言えますし、何より楽しくて楽しくて楽しくて。

本当に楽しくて楽しくて仕方なかった。

こんなに楽しくちゃ、マラソンやめられる気がしません。

今後全国各地の道路にどれだけ私の血が染み込むかも一つの見ものでしょう。(白目)



愛媛マラソンを走るたびに必ず浮かぶのが

「ありがとうで、もっと強く走れる」

という愛媛マラソンで知った言葉。

私にとって愛媛マラソンはまさにこの言葉通りの大会で、特に今年の私はありがとうのおかげで強く走れたと思います。


愛媛のみなさん、ありがとうございました。






もうほとんど書き切ったけどアフター編へ。