こんにちは子育て中の視覚障害者、きの子です。
春休みやらなんやらのバタバタで、随分間があいてしまいましたが。
気を取り直して視覚障碍者のお料理シリーズ、続けて行こうと思います。
改めてよろしくお願いします。
前回は視覚障碍者の包丁づかいについて書きました。
今回は食材を焼いたり炒めたりするときの工夫についてです。
世の中には、食材の加熱具合を音や匂いで完璧に感知できる!という達人も存在するのかもしれませんが。
私にはとても無理です(汗)。
せいぜい焦げた匂いでやばいっ、となるぐらい。
匂いや音に全く頼っていないわけではありませんが、それだけでは心配すぎます。
そんな私が頼りにしているのは、加熱時間と火加減です!
って当たり前すぎてすみません。
でもほんと焼き色が見えない分を補うため、タイマーと火加減を駆使しまくって料理しているのです。
あとは食材の投入やひっくり返しのコツ、炒め物についてなど順番に書いていきますね。
①フライパンをコンロにセットする
まずはガスコンロやIHにフライパンをセットします。
火をつけてからでは危ないので、加熱前にごとくにふれてフライパンの位置を調整してください。
ガスコンロでは置き場所がずれるとフライパンが傾いて危ないので、結構大切な作業です。ということで、点火後もできるだけポジションを保つようにします。残念ながら鍋をふるのは難しいですね。
IHの場合ごとくがなく、手でさわってわかる目印がないことも多いです。
私はヒーターの外枠や操作ボタンとの位置関係で適当にセットしています。たぶん多少のずれはあると思いますが、調理ができないほどではありません。鍋が傾く心配もないですし。
また鍋が大きくずれた場合はエラーが出て自動で加熱が止まるようになっているので安心です。
②加熱時間を計る
タイマーについては前に記事にしました。
キッチンタイマーとスマートスピーカー(アレクサ)のタイマー機能を多様しながら。また、煮込み料理の時にはIHクッキングヒーターの切りタイマー機能を使いながら日々料理をしています。
手が汚れているときには、声で捜査できるスマホやスマートスピーカーのタイマー機能が便利です。
③火加減を決める
火加減については、IHになってからは点火時の火力が決まっているのでそこから何回ボタンを押すかで調節します。
ガスコンロを使っていた時は、火力調節レバーの下に目印シールを貼って目安にしていました。
見える人に火加減を見てもらい、中火と思われる位置にレバーを調節します。その下にシールを貼り、中火ならそこ、弱火ならそこから少し弱める、という容量です。
このやり方は生活訓練の先生に教えてもらい、大変たすかりました。
視覚障碍者の目印シールの使い方の記事はこちら
例えばフライパンで150グラムぐらいのハンバーグを4個焼くとき
我が家のIHの場合は火加減は5に設定し、ふたをして3分加熱します。
ひっくり返して火加減を3に弱め、再びふたをして5分加熱。
この火加減と加熱時間は何度か調理する中でわかってきたものです。
これをメモしておけば、生焼けハンバーグになる心配はありません。
もちろんハンバーグの大きさや1度に焼く個数によって適度な加熱時間は違うので、その辺は適当に調整です。
④食材を投入するとき、ひっくり返すときの工夫
熱々に加熱したフライパンに食材を投入するのって、ちょっと怖いですよね。熱いフライパンのふちに手が触れるかもしれないし、油がはねるかもしれないし、でもハンバーグを投げ込むわけにもいかないし(汗)。
そういう時は加熱前のフライパンに食材をセッティングし、その後加熱を開始するという方法もあるようです。
ハンバーグ、チキンソテー、ステーキなど色んな食材で使えるようですよ。むしろ低音から加熱を始めた方がステーキがおいしく焼ける、という話も聞いたことがあります。
ひっくり返すときの小技としては、ひっくり返ったかどうかを手で触って確認する、というやり方があります。
手探りでフライ返しを操作してハンバーグをひっくり返すとなると、きちんとひっくり返ったかどうか心配になりますよね。特に個数が多いとどれをひっくり返してどれがまだひっくり返してないのか混乱してきます。
そういう時は私は手でハンバーグの上面を触って確認しています。
焼けた面は硬い感触になっているので触ればすぐに分かります。
ただしこのやり方にはやけどの危険が(汗)。万人向けではないかな。
ものによっては菜箸などで表面を触るだけでも、上面が焼けているかどうかの確認ができることもありますよ。
⑤炒め物は…
例えば野菜炒め。
しゃきしゃきがお好みの方は、食材の量を一定に決めて、火加減と加熱時間をきちんとはかって挑戦してみてください。
たしかNHKのためしてガッテンでも野菜ごとに秒単位で炒め時間を決めてしゃきしゃき食感を目指してました。
で、私はと言いますと、時間なんか全く計らずぜんぜん適当に炒めちゃってます(笑)。
炒め物だと野菜の量もお肉の量もその都度違うことが多いですし、キャベツの硬さも色々だったり。
火加減は決めていますが、主には炒めに使う木べらから伝わる感触を頼りに仕上がりを判断しています。野菜はやわらかくなるし、お肉は固くなりますよね。個人的には菜ばしより木べらの方が感触が伝わるように思います。
焦げ付きは匂いで判断かな。
肉類の生焼けが一番避けなければならないことなので、一般的に視覚障碍者は加熱しすぎる傾向にあるようです。我が家の野菜炒めも御多分に漏れず、炒めすぎている気がします(汗)。
肉類の炒めスギを防ぐ方法としては、肉と野菜を別々に炒めて最期に合体させるということをしています。
我が家は一度に作る量が多いので、毎回別炒めでやっています。炒める量が少ないとフライパンから具材が飛び出る失敗も減りますし。一石二鳥です。
久しぶりのせいか長くなってしまいました(汗)。
生焼け問題については、次回の記事でもう少し書こうと思います。