こんにちは子育て中の視覚障害者、きの子です。
視覚障碍者のお料理シリーズ。
今回からは実践編ということで、何回かにわけて実際の調理で使っているちょっとしたテクニックや気を付けていることなどについて書いて行こうと思います。
生活訓練の先生に教わったこともありますし、日々の料理の中でなんとなく身に着いたこともあります。こういうやり方もあるのかと、一例として読んでいただければ嬉しいです。
また、他にもいろんな工夫の仕方があると思いますので、コメント欄で教えていただけるともっとうれしいです。
まずは包丁の扱いから。
視覚障碍者が包丁を扱っている姿は、はたからは大変危なっかしく映るようですが、調理に慣れてしまえばそれほど危ないものでもありません。
包丁で指を切ることが全くないとは言いませんが、それは見えている人も同じですよね。
切るものと着られるものが手の中にある限りは、案外安全なんです。
むしろ包丁から手を離している間の方が、危険があるように感じています。
包丁の場所を忘れて手が刃に触れて指を切ったり、床や新区に落下させたり。
使い終わった包丁は必ずシンクに置く、一時置きするときは調理台の奥の方に置くなど、自分でルールを決めておいた方がいいと思います。
かくいう私は包丁を何度も落下させておりまして(汗)。
木の床に真っ逆さまに王朝が突き刺さった時には、さすがに肝が冷えました。
みなさん、くれぐれもご注意を。
包丁の扱い方は。見える見えないに関わらず基本的には同じだと思います。
押さえる方の手は猫の手とかですね。野菜の川の向き方とかも同じ。
ただ、間隔を身体に教え込むために、繰り返しの練習が必要です。逆に言うと、数さえこなせば誰にでも身に着けることができます。
りんごの皮むきやきゅうりの輪切りなど、見えている人とそん色ないスピードでこなせるようになる作業もありますよ。
ではでは、生活訓練の先生から教わった、視覚障碍者ならではの切り方のご紹介
以下すべて右利きの人の場合です。
①左から切る
例えばきゅうりを5ミリ幅に輪切りにしたいとき。
普通は目で幅を確認しながら、左手できゅうりを抑えて右端から順番に切っていきますよね。
でも視覚障碍者の場合は目で幅を確認できません。
なので代わりに左手の指の感触で幅を確認し、左端から切っていきます。
通常左手はきゅうり全体を固定しますが、この場合はこれから切り落とす部分だけを左手でちっちゃくおさえることになります。
切り落としたら次に切る部分を新たにおさえなおします。
ぴったり5ミリとまではいかないですが、そこそこ幅をそろえて切ることができます。
野菜でもお肉でも食材を問わず頻繁に使えるテクニックです。
ただ、硬過ぎたり柔らかすぎたり食材に寄っては切りにくいものもあります。中でも玉ねぎ丸ごとの輪切りなど、安定しないものには不向きなのでご注意を。
ちなみにきゅうりを薄切りする場合は、普通に右端から切っていきます。きゅうりを押さえる左手と包丁の原が常に触れ合っている状態なので、見えなくても手の感覚だけで大丈夫なんです。
②食材を半分に切る方法
例えばきゅうりを半分の長さに切りたいとき、見えないので目分量で切るのは無理。
ということで両手の指の幅を使って真ん中を探します。
両手を横にそろえてきゅうりの上に置きます。
左右の小指がきゅうりの両端に当たるようにしたまま両手の親指をくっつけると、自然と親指のぶつかるところがきゅうりの中心線に来ます。
その状態で右手を離して包丁をとり、左手の親指を目安にカットします。
上手に真っ二つになるときもあれば、微妙にずれるときもあります。
が、適当に切るよりは随分ましですよ。
③野菜の皮むき
ジャガイモなどの皮をむくとき、慣れないと1個むくのにかなりの時間がかかってしまいます。
で、時間がたって表面が乾燥すると、手触りで皮のあるなしを判別するのが難しくなってしまうんですよね。
そういう時はもう一度水でぬらすと判別しやすくなるので試してみてください。
小さな工夫ですが、なかなか馬鹿にできません。
次回も引き続き調理のコツ、炒めたり焼いたり編です。