原題：Christmas Carol 製作年：2022年
製作国：韓国 上映時間：130分
作年春の公開時には気にも止めなかった作品．レンタル屋の新作棚から
借り出してきたのは本年度累積81本目の韓国製のサスペンスもの．
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「美しき野獣」のキム・ソンス監督が、アイドルグループ「GOT7」のメンバー
で俳優としても人気を集めるパク・ジニョンを主演に迎えて描いたクライム
サスペンス．
逃げた両親の借金返済と祖母を養うため立ち退かせ屋として金を稼ぐ
青年イルと、知的障がいを持ち笑顔を絶やさない双子の弟ウォル．
クリスマスの朝、ウォルが屋上の貯水槽で死体となって発見される．
前夜のコンビニの監視カメラには、不良グループに絡まれるウォルの姿
が映されていた．イルは事件の真相を突き止めて復讐を果たすべく、
不良グループのメンバーを追って少年院に入る．
いじめや暴力、指導教官による虐待が横行する中、復讐のため闘いに
身を投じるイルだったが……．
ジニョンが正反対の双子の兄弟を1人2役で熱演し、「殺されたミンジュ」
のキム・ヨンミン、「不思議の国の数学者」のキム・ドンフィが共演．
以上は《映画.COM》から転載．
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知的障害者の弟を殺した不良少年たちを追って、自ら少年院に
やってきた少年イル：パク・ジニョンが主人公．いわゆる刑務所モノ
のフォーマットに犯人探しの謎解きを絡めたサスペンスものだが、
韓国作品らしくドンデン返しもしっかり盛り込まれている．
主人公のイルと、殺された双子の弟ウォルをパク・ジニョンが1人2役．
途中まで同じ役者が演じてると気づかないほどの名演技．
韓国アイドルって本当に演技が上手いよね．日本とは大違いだ．
耳障りの良いことを言うけれど何もしないカウンセラーの教官とか、
暴力でひれ伏させる狂犬とか呼ばれる教官とか、暴力だけで在院生
を仕切るヤツとか、お国柄の違いもあるのかも知れないが、濃い
キャラのめじろ押しなのが韓国映画の醍醐味かも．
原題は「Christmas Carol」．韓国のクリスマスソングらしいが、
日本では馴染みがない曲のために、奇っ怪な邦題に変ったのか？
弟が殺されたのがクリスマスイブだったこともあり、この曲が事件の
カギにもなっている．
同じ制服同じ髪型（皆入院時に坊主にされる）の同じ年格好の男子が
大量に出てくるので、最初は見分けるのが大変なのだ．名前も覚え
にくいし．時系列も戻ったりするし、色々いりくんだ事情が小出しに
明かされる構成．
ただ、真犯人はなんとなく予想がついてくる．分かるような演出もある．
単なるミステリーというより、社会の理不尽に翻弄される、誰も善人
たりえない歪んだ社会の話．そしてあふれ出るよなジャニー喜多川の
ような事件．どうしてこんなに男色がはびこってしまうのだろう？
誰も助けてくれないし、どこで間違えた？ということを振り返っても、
結局こうなるしかなかったとしか思えないような絶望的なラスト．
思えば、女子は一切出てこない男世界を描いた作品．
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