映画「PHANTOM ユリョンと呼ばれたスパイ」(DVD)…韓国映画の醍醐味一杯! | チャコティの副長日誌

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主役になれない人生を送るおじさんの心の日記.
猫と映画、絵画、写真、音楽、そしてF1をこよなく愛する暇人.
しばし副長の心の彷徨にお付き合いを….



原題:Phantom  製作年:2023年
製作国:韓国  上映時間:133分



レンタル屋の新作棚で見かけた韓国作品.フタを開けたら徹底的な反日、抗日
の作品であった.本年度累積65本目は、1930年代のスパイアクション.
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「毒戦 BELIEVER」のイ・ヘヨン監督が、1930年代のソウルで繰り広げられる
諜報合戦を緊張感たっぷりに活写したスパイアクション.

1933年、日本統治下のソウル(京城)では、抗日組織「黒色団」のスパイ
「ユリョン」が暗躍していた.警備隊長の高原は、朝鮮総督府内に潜入して
総督暗殺を企むユリョンを捕まえるべく、人里離れた崖上のホテルに容疑者
たちを集める.

疑いをかけられたのは、保安情報受信係監督官の村山、暗号記録係の
チャギョン、政務総監秘書の佑璃子、暗号解読係長のウノの4人.

たった1日という限られた時間の中、仲間のために暗殺作戦を成功させ
なければならないユリョンと、自分にかけられた疑いを晴らそうとする者たち
の心理合戦と死闘が幕を開ける.

出演は「ペパーミント・キャンディー」のソル・ギョング、「エクストリーム・ジョブ」
のイ・ハニ、「パラサイト 半地下の家族」のパク・ソダム、ドラマ「イカゲーム」
のパク・ヘス、「トンソン荘事件の記録」のソ・ヒョヌ.

以上は《映画.COM》から転載.
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1933年日本統治下のソウル(京城)を舞台にするがゆえに日本人の存在は
欠かせないのに、オール韓国人のキャスト.しかも大半の役者が日本語を話す
のが驚異.上手くはないが、決して下手でない.ちゃんと喋っているのだ.
これは凄い努力と思う.字幕で日本語が出るのは余計かもしれない.
ちゃんと理解出来る日本語を喋っている.
 

 

三部の構成をとる.第一幕は朝鮮総督を暗殺しようとするスパイたちの暗躍を
描き、暗号解読シーンや映画館のポスターを使った暗号指令などが興味深い.

第二幕はホテルを舞台に集められたスパイ容疑者たちによるミステリー仕立て
の密室劇のようなサスペンス.互いにスパイが誰か探り合ったり容疑を擦り付け
ようとしたりと巧みな心理戦が繰り広げられる.

そして第三幕は独立運動派と総督府側との激しい戦闘アクションで盛り上げる.
なかなか良く出来た脚本だと思う. 「崖上のスパイ」とはまた一味違った抗日運動
を描いた娯楽性に富んだ作品に仕上がっている.

役者陣も実力派ぞろい、特に朝鮮人と日本人の間に生まれたために、
優秀な軍人ながらその出自で出世の道を断たれスパイ容疑をかけられる
という難しい役どころを演じたソル・ギョングは存在感ある役柄だった.
 

 

日本は相変わらず悪者扱い.約35年間も日本統治下にあった朝鮮(韓国)の
作品ゆえ当然だと思う.朝鮮民族の日本に対する根深い恨みをヒシヒシと感じ
させてくれる.今やその責任世代は消えつつあるが、日本人としてはやはり
認識しておくべきであろう.日本人は嫌われるだけのことをしてきているのである.

中盤から後半にかけてのアクションと攻防戦は見もので、
2人の反日戦士の女子、パク・ソダムとイ・ハニのコンビがかっこいいのだ.

ボルテージ全開のアクションに濃厚なサスペンス.
これぞ韓国映画の醍醐味が詰まった作品.