12年前のあの衝撃を忘れない.
初めて日本に紹介された画家ヴィルヘルム・ハマスホイの画を観て一気に
ほれ込んでしまった.
以来上野の西洋美術館が新規購入したハマスホイの 画を時々観に行っていた.
常設展示されているのだ. そんな大好きなハマスホイの画たちが再び来日した.
神楽坂の映画三昧の後、 空いた土曜の午後狙いで上野の東京都美術館へ.
------------------以下は同館HPから転載-----------------
身近な人物の肖像、風景、そして静まりかえった室内――限られた主題を
黙々と描いたデンマークを代表する画家ヴィルヘルム・ハマスホイ(1864-1916).
17世紀オランダ風俗画の影響が認められることから “北欧のフェルメール” とも
呼ばれるハマスホイの作品は、西洋美術の古典を想起させる空気を纏いつつ、
近代の都市生活者特有の、ある種の郷愁を感じさせます.
欧米の主要な美術館が続々と作品をコレクションに加えるなど、近年、ハマスホイ
の評価は世界的に高まり続けています.日本でも2008年にはじめての展覧会が
開催され、それまでほぼ無名の画家だったにもかかわらず、多くの美術ファンを
魅了しました.
静かなる衝撃から10年余り.日本ではじめての本格的な紹介となる19世紀
デンマークの名画とともに、ハマスホイの珠玉の作品が再び来日します.
-------------------------------------------------------------
先ずは露払い的に揃えられたデンマーク絵画の数々がなかなかの見ものだった.
印象派の端っこに位置する時代の画たちなのだけど、その空の表現が独特、
見事に北欧の空、それも春だろうか、ピンと張りつめたような空気感を伝える
空の表現が画面一杯に繰り広げられる画が多くあった.これは印象的.
ピーザ・スィヴェリーン・クロイア
《スケーイン南海岸の夏の夕べ》1893年
クレステン・クプゲ《海岸通りと入り江の風景》1837年
ヴィルヘルム・ハマスホイ《ライラの風景》1905年
そして、転じてハマスホイの室内画.キリリッと漂うような緊張感と人肌が伝わる
ような妙な気分にさせられる空気感が好き.誰も人が描き込まれていないのに
さっきすぐ前まで人がいたような気配が漂うのだ.この空気感の表現は凄い.
唯一人が描き込まれている作品群は、妻:イーダの後姿だけ.
黒色の質素なドレス…普段着にしか見えない.をまとって少し髪が乱れた
ように見える後姿は、画家の妻としての生活の苦労や楽しみを感じさせる.
ヴィルヘルム・ハマスホイ《背を向けた若い女性のいる室内》1903-04年
ほんの数点、妻イーダの顔を描いた作品も存在する.
ヴィルヘルム・ハマスホイ《画家と妻の肖像、パリ》1892年
うーん、好みだぁ(笑).この部分もハマスホイ贔屓の一要因だったり.
他人の妻に惚れ込んでどうするんだつーの(笑).
ヴィルヘルム・ハマスホイ《室内ー開いた扉、ストランゲーゼ30番地》
とっぷり、たっぷり40数点のハマスホイを堪能して、それに飽き足らず、 画集は買うは、
ポストカードは買うは、Tシャツを買うは、チョコまで 買っちゃって、大散財の副長でした(笑).
.