5/24 スズラン咲く御坂黒岳 | 本日も一日一歩

本日も一日一歩

仕事の合間に、街歩きや読書をしています。見たこと、感じたこと、考えたことを少しづつでも綴っていきたいと思います。

 2024年5月24日(金)、山梨県笛吹市にある御坂黒岳(みさかくろだけ)と釈迦ヶ岳(しゃかがだけ)を登ってきました。

 黒岳という名の山はあちこちにありますが、富士山の北側、富士五湖を挟んで対峙する御坂山地にある黒岳なので、他と区別するために御坂黒岳と呼んでいます。

 

 

 御坂黒岳の登山口は、「芦川(あしがわ)すずらん群生地」です。

 すずらん群生地の駐車場は、8時30分開場なので、少し離れた登山者用駐車場に停めて、5時54分に出発しました。

 

 

 5分ほど歩くと、「芦川すずらん群生地」です。

 園芸品種で出回っているのはドイツスズランがほとんどですが、ここは日本固有種の日本スズランの自生地です。

 

 

 芦川のスズラン群生地は、山梨県の自然記念物に指定されています。

 

 

 スズラン群生地です。

 

 

 足元に目を凝らすと、スズラン(鈴蘭)が咲いていました。

 

 

 鈴の形をしているので、スズランです。

 でもランではなく、ユリの仲間だそうです。

 

 

 花の純白が、葉の緑色に引き立てられています。

 

 

 丸いつぼみが開くと、こうなります。

 

 

 地元、芦川中学校の緑の少年少女隊のみなさんが、すずらんの里の保護と清掃活動を行ってくれています。

 

 

 イカリソウ(錨草)も咲いていました。

 

 

 日本スズランの花は、葉の陰に隠れていて地味なので、群生地といっても見栄えがするイメージとは違います。

 

 

 でもしゃがんでよく見ると、自然の造形に感心します。

 

 

 スズランの花言葉は、「純潔」、「再び幸せが訪れる」です。

 

 

 「再び幸せが訪れる」という願いにぴったりです。

 

 

 スズラン群生地から、御坂黒岳登山道を歩きました。

 

 

 ブナ林が広がっている美しい山です。

 

 

 ミツバツツジが咲いていました。

 

 

 7時29分、御坂黒岳山頂に着きました。

 

 

 山梨百名山の山頂標識には、標高1,793mと書かれています。

 

 

 山頂から200mほど歩くと、富士山と河口湖を一望できる展望地があります。

 

 

 これから向かう破風山、新道峠方面です。

 

 

 聖岳、赤石岳など、南アルプス南部の峰々。

 

 

 中央の北岳をはじめ、南アルプス北部の峰々。

 

 

 8時25分、標高1,600mの新道峠に着きました。

 ここは、笛吹市が2021年7月に新設した展望デッキ「FUJIYAMAツインテラス」です。

 

 

 「FUJIYAMAツインテラス」には、名のとおり二つのテラスがあります。

 こちらは、ファーストテラスからの展望です。

 かつては、ここまで登山した者のみに許された展望でしたが、現在はすぐ下まで、シャトルバスが運行されているので、一般観光客でも10分程度歩くだけでこの展望を満喫できます。

 

 

 ツインテラスのうち、こちらは、セカンドテラスです。

 新道峠まで少し歩くだけです。

 

 

 新道峠から車道を歩き、ここからすずらん群生地への登山道を下りました。

 

 

 再び、すずらん群生地に戻りました。

 

 

 昨年見た入笠湿原のスズランは、花弁の先がクルンと綺麗にカールしていましたが、ここのスズランは控えめで素朴な恥ずかしがり屋さんです。

 

 

 この「芦川のスズラン群生地」は、山梨県自然記念物に指定されたのを受け、昭和47年(1972)、旧・芦川村が地元で土木業を営んでいた藤本義晴さんに遊歩道や水道の整備も含め、管理を依頼したことで、今日に至っています。

 

 

 最初はスズランが点在してポツリポツリと花を咲かせている程度だったのを、藤本さんは、民宿「すずらん荘」を経営しつつ、試行錯誤しながらスズラン自生地の管理をし、30年以上かけて現在の「すずらんの里」に育てました。

 

 

 不法盗掘をする心ない人も多かったそうですが、藤本さんが必死に守ってきて、今は「すずらん祭り」を開くほど、笛吹市の観光資源となっています。

 

 

 藤本義晴さんは、既に亡くなりましたが、藤本さんが守ったこの芦川のスズランが今後もずっと毎年、このように可憐に咲いてくれることを切に願います。

 

 

 すずらん群生地駐車場に出ました。

 

 

 すずらん群生地駐車場の隣には、「Lily Bell Hütte(リリーベルヒュッテ)」があります。

 笛吹市は、「FUJIYAMAツインテラス」を今後のインバウンド観光の目玉として位置づけ、集客交流拠点としてここ「Lily Bell Hütte」を整備したそうです。

 運営は、旅行代理店大手のJTBが行っており、シャトルバスツアーの実施、カフェや地域の特産品を提供する物販コーナーを運営しています。

 

 

 ここから釈迦ヶ岳に向かいました。

 

 

 ヤマツツジが刺激的な色合いで咲いていました。

 

 

 前方のとんがっているのが釈迦ヶ岳です。

 

 

 10時25分、釈迦ヶ岳(1,641m)山頂に着きました。

 

 

 御坂山地の奥に富士山。

 

 

 南アルプス全体が一望できました。

 右側の甲斐駒ヶ岳から中央の北岳、間ノ岳、左側の赤石岳、聖岳まで全部見えます。

 

 

 後は下るだけなので、昼食休憩としました。

 

 

 甲府盆地の奥には、金峰山が聳えています。

 

 

 ミツバツツジとヤマツツジの競演を見ながら、12時15分に下山しました。

 

 

 可憐なスズランと、富士山の最高の展望を楽しめた一日でした。

 

 

合計時間 6 時間 27 分  休憩時間 1 時間 11 分
距離 12.9 km  のぼり / くだり 1147 / 1156 m