奈良遠征3日目は、大台ヶ原(おおだいがはら)に行きました。
紀伊半島の中央に南北に聳える大峰山脈(大峯奥駈道)があり、大台ヶ原は谷を挟んで、その東側に位置する高原台地です。
大台ヶ原へは現在、国道169号から大台ヶ原ドライブウェイという約17kmの山岳観光道路(現在は無料)が整備されており、快適にアクセスできます。
自然豊かな観光地と言った感じで、言うなれば長野県の志賀高原のような所、でしょうか。
あ、ちょっとそれは言い過ぎですね、広大なスキー場があり旅館・ホテルが林立する志賀高原とは全く違いますから。
まだ朝6時前ですが、終点の大台ヶ原ビジターセンター駐車場はたくさんの車で一杯でした。
5時46分、ビジターセンター横、東大台登山口を出発しました。
大台ケ原には、東大台地区と西大台地区があります。
東大台は誰でも自由に歩けますが、原生的な森林が広がる西大台地区に入るには、事前に申請手続きをして手数料を納付し、係員からレクチャーを受ける必要があるとのことです。
笹原と樹林の中の平坦な道です。
樹木は、トウヒ(唐檜)とウラジロモミ(裏白樅)とのことです。
青空の下、樹木に朝日が当たってきて爽快です。
稜線に出ました。
「天気がよければ、海が見えます」という案内板があります。
海が朝日で輝いていました。
熊野灘(くまのなだ)です。
遠く志摩半島まで見えました。
まもなく大台ヶ原の頂上です。
一登りで、大台ヶ原の山頂に着きました。
大台ヶ原最高峰、日出ヶ岳(1695m、ひのでがたけ)です。
山頂展望台にCGの詳細な展望図がありました。
これは山座同定にありがたいです。
大台ヶ原(日出ヶ岳山頂)から西に目を向けると、大峰山脈が一望できます。
吉野から熊野本宮大社まで約170kmの山岳古道、修験者が修行で歩いた大峯奥駈道(おおみねおくがけみち)は、ほぼこの稜線沿いになるようです。
2枚目の写真でも全体が写り切りません。
やっと3枚目、熊野本宮大社はこのあたりかな。
南方面、熊野灘が朝日を反射して光っています。
山頂から海が見えるというのは、今いる場所の高度感を実感でき、山と海の両方の美しさを感じられます。
東方面です。
北方面も、ひたすら山々です。
大台ヶ原は、若干の起伏がありますが、こんな感じでなだらかな高原状です。
日出ヶ岳山頂から、東大台の周回に移りました。
大台ヶ原は、国内屈指の降水量があるそうです。
ここは樹木は立ち枯れし、ミヤコザサが一面にはびこっています。
大峰山脈を眺めながら歩きましたが、それにしても行者還岳の絶壁はすごい。
鳥のくちばしのようで、上部は少しオーバーハングしているようも見えます。
伝説上、わが国の初代天皇である神武天皇の巨像が立っていました。
「神武天皇」との楷書文字は、「公爵 近衛文麿 謹書」です。
大蛇嵓(だいじゃぐら)に着きました。
大蛇に見立てたこの露岩の先は、深い谷底に切れ落ちる断崖となっています。
奥には大峰山脈の山並み、すぐ手前には標高差800mもあるという谷底と大絶壁が迫ります。
まさに「絶景かな」と口に出る大展望です。
右側は、切り立った大岩壁の蒸籠嵓(せいろぐら)です。
大蛇嵓の根元の岩に満開のツツジがありました。
トサノミツバツツジ(土佐の三つ葉躑躅)のようです。
大蛇嵓からビジターセンターまでは、アップダウンある登山道となります。
ツクシシャクナゲの案内板がありました。
ここから「シャクナゲ坂」となります。
ツクシシャクナゲ(筑紫石楠花)が今にも咲きそうです。
「シャクナゲ坂」を下っていくと徐々に開き出している花がありました。
ちょうど咲いたツクシシャクナゲです。
とても見栄えのする明るい赤紫色のシャクナゲです。
ピンクに近い赤紫といってもいいような、この色合いが絶妙で素晴らしいです。
このツクシシャクナゲを見れただけで、この日は来た甲斐がありました。
シオカラ谷まで下ってきました。
ここからビジターセンターまで登りが続きます。
シオカラ谷を吊り橋で渡りました。
ビジターセンターへの石階段。
東大台周回は、ほとんどがハイキング気分で回れますが、唯一、ここの登りがキツイです。
8時56分、大台ヶ原ビジターセンターへ戻りました。
3時間ちょっとの高原散歩でした。
ビジターセンター駐車場は満車で、その前の路上に延々と路肩駐車の車が行列をなしていました。
この後、飛鳥時代の吉野宮、宮滝遺跡周辺に行ってきました。
これは、別に記録を残したいと思います。
合計時間 3 時間 8 分 休憩時間 34 分
距離 7.4 km のぼり / くだり 465 / 461 m