さて、ここまで3月9・15日の「しおさい」を除いて、外から撮ることに注力してきた255系。
定期運用終了の予定から一転、3ヶ月半のロスタイム改めアディショナルタイムが発動。
さらにダイヤ改正における京葉線問題も相俟って千葉界隈は異例の情勢であるが、この特殊性が
これまで距離を置いていた房総方面への乗り鉄欲に、俄然火をつけることとなった。
以来、さまざまな予定の合間を縫って山手線を越え、記録に動いてきた。
私的な急報に乱されたり細かいハプニング、ミスもありはしたが、概ね順調に推移している。
こうして、事前に予告された期限も残り1ヶ月を切った。
さて今年のGWで注目したのは、土休日に運転されている「新宿さざなみ1・4号」であった。
3月のダイヤ改正以降、通常は3・2号と同じE257系5両編成が運用されるようになったのだが…
このGWは255系で運転されることが、臨時列車運転計画から明らかになっていた。
これもあり、この臨時列車と、定期列車への暫定運用に伴う255系同士の交換など、現時点での
可能な限りの255系ネタを詰め込んだプランを策定したのである。
そしてそれは、255系では最後になりそうな房総半島の旅の計画となった。
実は「新宿わかしお1・2号」も当初5月18・19日に255系での運転が計画されていたらしいが
4月21日の時点でE257系5000番台9両編成での運転に変更を確認、予定を取り消している。
なお今回は、そのボリュームぶりから2回に分けての旅設定となった。
①回目は4月29日、②回目は5月6日といずれも連休最終日とした。
これらはいずれも、他に優先すべき事項がない日に設定した故である。
特に往路に関しては、4月29日は9号車、5月6日は1号車に座席を指定。
2パターンの見方をすることで、新鮮な目線で乗車・記録することを心掛けた。
また、安房鴨川まではどちらも乗り継ぎ含めて乗車ルートは同じ。
なので今回の記録は、両日の写真を織り交ぜながらルート優先で記録出しをしてみる。
まずは①4月29日から。
この日は6時半には地元を出て、1本早い「新宿わかしお1号」発車前に新宿に着いていた。
撮影目的ではなかったが、房総を巡っては実に印象に強く残る列車なのである。
…実は16年前、安房鴨川には一度だけ足を運んでいる。
それも乗り鉄ではなく、仕事で。
当時在籍していた会社では、内勤に「農業研修」なる、業種の割に妙ちきりんな研修があった。
会社所有の農園が鴨川にあり、1週間ごとにグループ会社の内勤が2人ずつ派遣されていて…
かくして、自分にもその割り当てがちょうどこの時期、2008年5月後半に巡ってきたのだ。
詳細は伏せるが、当時は携帯電話の電波が山奥、農園周辺までは届かない時代。
持っている携帯電話は街に降りない限り…当時は滞在中1回しか降りなかったが…終始圏外に。
さながら懲役というか監禁というか、既に携帯電話を使いこなしてSNSを始めていた頃でもあり
距離以上に遠いところに来てしまったなぁ…と暗澹とした記憶が残っている。
その記憶が強く残り過ぎているせいか、往復に利用の特急列車…本社が新宿だったこともあって
乗り換え無しで動ける「新宿わかしお号」の切符が事前に支給されていたはずなのだが…
事が事だったからなのか、ただデータを散逸させただけなのか、当時の写真は見当たらない。
そんなことだから、関係する記憶すらも異常に曖昧なまま今に至っていた。
それだけに、動き出したらなんか思い出す事も出てくるだろう…
そう信じて、動き出したのだが。
2回も旅に出たのに、なかなかそう簡単には事は運んではくれなかったのである。
今回は「新宿さざなみ1号」に乗る前に、少しだけ先に動いている。
255系の送り込み回送を撮影するためだ。
4月29日は、代々木から少しだけ「新宿わかしお1号」を追いかける形に…
まず4月29日は、千駄ヶ谷で降りた。
東京方で、構えてみようと考えて降りたのだが…
…!
なんと、先端部が立ち入り禁止に。
何か撮り鉄がトラブルでも起こしたのだろうか?
こうした規制が、あちらこちらに見られるようになってしまったのは実に残念である。
…気を取り直して、この旅ファーストカットは千駄ヶ谷から。
7:34。
所定より若干遅れての通過。
これまで撮ろうと思えば、いくらでも撮れたはずのシーン。
ああだこうだ逡巡していたら、すっかりレアなシーンになってしまった。
こういうところ、まだまだ詰めが甘いなぁと痛感した今回の記録行脚である。
なお、②回目の5月6日はさらに足を伸ばして市ヶ谷に。
まず上りの中央快速線に、被りにヒヤリとし…
実はこの少し前、
緩行線も着いていた。
もう少しタイミングがずれていたら、完膚なきまで撃沈するところだったのである。
欲張って先に先に動いても、決して良くはないのだと改めて痛感した動きであった。
さて、新宿に戻ると。
南口側コンコースの発車案内が、液晶表示に更新されていた。
それは良いのだが、位置が柱の一番上…とてつもなく高い。
顔を上にめいっぱい上げるも、遠くて見づらい。
どうしてこんな配置にしてしまったのだろう?
肝心の発車情報が見づらいのは、なかなかに解せない。
そして、新宿発着は中央快速線7番線が定番。
朝食となる飲食物を、手早く購入することを忘れない。
4月29日は、発車前の側面行き先表示か誤っているハプニングが発生。
まぁ、行き先も同じで問題はないのだが…
5月6日、実際の表示はこちら。
回送到着から発車まではおよそ15分。
撮影から帰ってくると余裕時間は10分を切るため、意外に忙しない。
4月29日は先頭9号車に座席を指定したため、最後部1号車に回る時間が無かった。
従来の中央快速線の列車とは号車振りが逆。
乗車位置案内の確認が必須。
先頭に比べると、最後部のほうが静かめ。
停車位置が偏り、撮れる場所が限られていることもあるだろう。
4月29日は、誰かの下らない真似をして“セルフ出発式”を始めていた小学生に一喝。
鉄道趣味界隈にはよろしくない、しょうもない動きも見えてきているのが気掛かりだが…
何より気掛かりなのは、どちらも余裕で指定席特急券を確保できた空きっぷりであったが。
それ以外は極めて静かに、両日とも新宿駅を定刻に動き出した。